A8 以下、就労支援事業指導員等について説明します。以前、説明した総合支援法に基づく福祉サービスは都道府県の指定を受ける必要があるため、指定基準の①人員基準、②施設基準、③運営基準があると言いました。その中の基準の打ちで①人員基準についてもう少し詳しくお話しする必要があります。
就労継続支援B型の場合を例にすると人員基準は以下のようになります。
1.管理者
2.サービス管理責任者
3.職業指導員、生活支援員
1.「管理者」とは、事業所を統括する立場の人です。事業所全般の管理・指揮命令を行います。
2.「サービス管理責任者」とは、利用者の個別支援計画策定や状況把握・適切な支援実施、他従事員への指導・助言を行います。業務の運営に支障がないかぎりにおいて、管理者と兼務が可能です。
3.「職業指導員、生活支援員」とは、明確な業務内容は法律上明記されていませんが、文字通りの職務と理解して良いと思います。それぞれ最低1人以上、常勤換算で利用者数を10で割った数以上を配置する必要があります。
これらの人員に対して支払う給料は、基本的に総合支援法に基づいて国から支給される障害福祉サービス費、および利用者負担分によって賄われます。つまり就労支援事業の「福祉事業部門」における人件費となります。しかし、上記の人員基準を超えて、もっとたくさんの職業指導員や生活支援員などサポートするスタッフ、事業自体を活性化させるため営業マンの雇用をする場合はどうしたらいいのでしょうか? 残念ながらこの国の制度では、そこまで手厚く助けてはくれません。そのような人員基準を超える人員を雇用する場合は、あくまで就労支援事業から生じる収入で賄うことになります。
このような人員基準を超えるスタッフのことを「就労支援事業指導者等」と言い、福祉事業部門ではなく「就労支援事業」の人件費として覚えて下さい。
これらの指導員等に支払う給与が、「就労支援事業指導者等給与」です。
夏冬に支払うボーナスの月割り分が、「就労支援事業指導者等賞与引当金繰入」です。いずれ退職時に支払う退職金の月割りまたは年割分は「就労支援事業指導員等退職給付費用」です。これらの人件費分を稼ぐのは、楽ではないはずです。されど、就労支援事業が一般企業と対等に経済活動をすることは意義のあることだと言えます。