社員が障がい者になった時の必要な手続き

障がい者雇用は、障がいのある方を新規に採用するだけでなく、これまで雇用していた社員が何らかの事情により身体の不自由や難病、うつ病などの精神疾患となり障がいを抱えてしまうケースもあります。社員から障がい者となってしまったと報告を受けた場合、企業はどのような対応が必要となるでしょう。

1.障害者雇用促進法では、障がい者に対する雇用のあらゆる場面で差別が禁止されています。また、障がい者への合理的配慮も求められます。これは障がい者雇用の義務と異なり、障がい者手帳の有無に関係なく、全ての障がいのある方が対象となるので注意が必要です。
2.法定雇用率は、障がい者手帳を持っている人がカウント対象となりますが、障がい者手帳の取得や会社への提出を強要することはできないので、これについても注意が必要です。障がい者手帳の取得と提出に協力してもらえたら、「障害者雇用状況報告」や「障害者雇用納付金申告」法人税や事業所税の税優遇措置に、障がい者としてカウントすることができます。
3.社員が障がい者になったことを把握・確認するには、個人情報保護法をはじめとする法律に留意して適性に取り扱うことが重要です。社員自らが障がい者となったと報告してきたのではではなく、会社が社員に対して障がいの有無を把握・確認する際には、厚生労働省が公表している「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」に沿って対応することが重要です。

  助成金の対象になる?

障がい者を雇用する企業は、さまざまな助成金制度を活用することができます。

ハローワークなどの紹介によって新規に障がい者を雇用した場合には「特定求職者雇用開発助成金」、障がいのある方を試行的に雇用した場合には「トライアル雇用助成金」の対象となります。一方で、社員が障がい者になった場合に利用可能な助成金には、「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」などがあります。

「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」は、企業が障がい者を雇用するために、職場の作業施設や福祉施設などを設置整備、適切な雇用管理のために必要な介助や通勤を容易にするための措置などをした場合に、その費用の一部が助成される制度です。

「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」には、障害者作業施設設置等助成金、障害者福祉施設設置等助成金、障害者介助等助成金、職場適応援助者助成金、重度障害者等通勤対策助成金の種類に分かれています。なお、障害者介助等助成金では、遠隔手話サービスや小型カメラを使った外出サポートなど、ICTを活用した事例でも支給対象となっています。

「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」は、それぞれ対象となる障がい者、対象となる措置、助成率、限度額、支給期間などが異なります。詳しくは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページなどで確認してください。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用納付金関係助成金支給要領」

  助成金以外の支給金

助成金以外には、以下の支給金があります。
・障害者雇用調整金…常用で雇用する労働者の数が100人を超えていて、雇用している障がい者の数が法定雇用障害者数を超えている場合
・報奨金…常用で雇用する労働者の数が100人以下で、雇用している障がい者の数が一定数を超えている場合
・特例給付金…短い時間であれば働くことができる障がい者を雇用している場合
それぞれの詳しい内容については、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のガイドブックを参考にしてください。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用に係る助成金等ガイドブック」

  助成金を申請するための手続き

障がい者雇用に関する助成金や支給金を受け取るには、毎年7月にハローワークに提出する「障害者雇用状況報告」で報告しなければなりません。申請するための手続きについては、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の「障害者雇用納付金制度 申告申請書 記入説明書」をご確認ください。作成した申請申告書は、電子申請申告または各都道府県申告申請窓口に送付または持参して提出します。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用納付金制度 申告申請書 記入説明書」

  社員への配慮で注意すべき点

障害者雇用促進法には、障がい者への合理的配慮の義務についても定められています。合理的な配慮とは、障がいのある方から何らかの対応を必要としていると意思が示された時に、負担が重すぎない範囲で対応に努めることです。

〇合理的配慮の進め方

どのような場面で配慮が必要になるかは、その人の障がいの種類や特性、程度によって異なります。まずは、本人と話し合って、働くうえで支障となっている事などを確認して検討することが大切です。そして会社として、どんな配慮ができるかを相談・検討しましょう。配慮を実施した後も、定期的に見直しや改善を行うことで、障がいのある方が働きやすい環境を実現できます。

〇合理的配慮の例

「視覚障がい」

・拡大文字や音声ソフトなどを活用して業務ができるようにする。
・職場内での机の配置や危険な箇所を事前に確認する。
・移動の支障となるものを通路に置かない。

「聴覚がい、言語がい」

・業務指示や連絡には、筆談やメールを使用する。
・危険箇所や危険の発生などを視覚で確認できるようにする。

「肢体不自由」

・机の高さを調整するなど作業を可能にする工夫をする。
・職場に手すりやスロープをつける。
・体温調節しやすい服装の着用を認める。

合理的配慮といっても、必要な配慮は人それぞれ異なるので、まずは障がい者本人と話し合うことから始めましょう。新規の障がいのある方を採用するケースだけでなく、社員が何らかの理由で障がい者認定を受けた場合にも、企業はさまざまな対応をしなければなりません。合理的な配慮については、障がい者それぞれの障がいの種類や特性、程度などによって必要となる配慮が異なります。まずは障がい者認定された社員と十分に話し合って、どのような配慮があれば働くことができるのか、企業として対応できることを検討してみましょう。

  障害者雇用促進法の第36条の2と第36条の3

障害者雇用促進法の募集・採用、均等待遇、能力発揮についての規定には、「ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない」という但し書きが添えられています。

第36条の2
事業主は、労働者の募集及び採用について、障がい者と障がい者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するため、労働者の募集及び採用に当たり障がい者からの申出により当該障がい者の障がいの特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
第36条の3 
事業主は、障がい者である労働者について、障がい者でない労働者との均等な待遇の確保又は障がい者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となつている事情を改善するため、その雇用する障がい者である労働者の障がいの特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。

(障害者雇用促進法より)

これを受けて、合理的配慮指針にも、同様の内容が加えられています。
つまり各企業には、その規模や体力に応じた対応が求められているのであって、決して無理を強いられているのではないということです。
中小企業では、何が何でも障がい者となった社員を解雇してはならないということではなく、ご本人と親身になって相談したうえで、会社ができる限りのことをしても限界があるのなら、解雇もやむを得ないということになります。

  最後に……

障がいの症状や発症した過程等により、復職に対して不安を感じる方も多くいます。どのようなことに不安を感じ、どう対処していくのか、検討する必要があります。勤務時間・業務内容・社内での相談体制等、会社でできる対処もありますが、病気に関する事や今後の家庭生活等、プライベートの不安を抱えている事も多くあります。その場合は支援機関を利用することが有効です。
これらはご本人の状況・仕事状況等で大きく変わるため、個別性が高くなります。また、ご本人自身も必要な配慮事項が分からないことも多くあります。復職を検討する段階で、ご本人の了解の下、支援機関(ご本人が通院する医療機関、最寄りのハローワーク障害者窓口、障害者職業センター、就業・生活支援センター、社内の産業医・産業保健スタッフ等)に相談することをお薦めします。
社内で具体的な配慮の必要がある場合、現場で一緒に働く方に理解・協力をあおぐ必要があります。現実的に配慮できる環境をどのように作るのか、現場との調整が不可欠となります。さらに復職後に現場での対応に困った際、人事や支援機関に相談できる体制作りが準備できると早めの対処に繋がります。
復職に関して、適切な情報と丁寧な話し合いが必要となります。支援機関を上手に利用し、ご本人・一緒に働く方とも働きやすい環境作りを検討することが望まれます。







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