在宅就業支援団体になるためには

 1.在宅就業支援団体とは

 障害者の在宅ワーク、契約や発注にかかる手間、業務管理における配慮や品質管理などで大きな助けになるのが、障害者と企業の間に立って受発注業務や業務管理、品質管理を担う在宅就業支援団体です。
 つまり在宅就業支援団体は、障害をもつ方の在宅ワークを支援する団体です。厚生労働省による在宅就業障害者支援制度の一環として厚生労働大臣による登録を受けた団体です。
 在宅就業支援団体の業務内容は、障害者雇用促進法に基づき、障害者の多様な働き方の選択肢のひとつとして在宅就業に対する支援策を講じること。同時に、在宅就労支援団体は同団体を通して仕事を発注した企業に対して支給される在宅就業障害者特例調整金や在宅就業障害者特例報奨金を受け取るための書類を発行する業務なども行っています。

<在宅就業支援団体の実施業務>=障害者雇用促進法で定められた在宅就業支援団体の業務内容
在宅就業障害者の希望に応じた就業の機会を確保し、及び在宅就業障害者に対して組織的に提供する。
在宅就業障害者に対して、その業務を適切に行うために必要な知識及び技能を
    修得するための職業講習又は情報提供を行う。

在宅就業障害者に対して、その業務を適切に行うために必要な助言その他の援助を行う。
雇用による就業を希望する在宅就業障害者に対して、必要な助言その他の援助を行う。

ここで「在宅就業障害者に係る業務」として規定されているのが、発注元である企業に対して「発注証明書」を発行したり情報公開を行ったりするなどの業務のことです。具体的には以下の通りです。

<実施業務以外の在宅就業障害者に係る業務>
発注証明書の事業主への交付
財務諸表等の保存
情報公開請求への対応
定期報告
実施業務の実施に伴う事務(総務、経理、人事、事業主や在宅就業障害者との連絡調整等)など

 2.在宅就業支援団体となるための要件

 在宅就業支援団体として登録を受けるには、所定の条件を満たさなければなりません。言い換えれば、在宅就業障害者と発注元である企業に対して適切な対応ができる能力や設備を備えていることが厚生労働大臣によって認められたのが、在宅就労支援団体となれます。
 発注元となる企業側でも在宅就業支援団体の登録要件を知っておけば、どのような手続きや支援が行われるのかイメージしやすくなります。
 登録要件は、障害者雇用促進法第74条の3第4項第1号〜第4号に定められています。これらの要件すべてに適合している法人が在宅就労支援団体として申請した場合、厚生労働大臣は登録しなければならないという決まりになっています。

<在宅就業支援団体の登録要件>

A.常時10人以上の在宅就業者に対して、次に掲げる業務のすべてを継続的に実施している(第74条の3第4項第1号)

①在宅就業障害者の希望に応じた就業の機会を確保し、及び在宅就業障害者に対して組織的に提供する。
②在宅就業障害者に対して、その業務を適切に行うために必要な知識及び技能を修得するための
 職業講習又は情報提供を行う。

③在宅就業障害者に対して、その業務を適切に行うために必要な助言その他の援助を行う。
④雇用による就業を希望する在宅就業障害者に対して、必要な助言その他の援助を行う。

B.従事経験者が実施業務を実施し、その人数が2人以上である(第74条の3第4項第2号)

従事経験者とは・・・本人支援業務、発注企業向け業務を遂行するために、
         「実施業務の対象である障害者に係る障害に関する知識を有する」
         「実施業務の対象である障害者の援助を行う業務に1年以上従事した経験を有する」
         「在宅就業障害者に対して提供する就業の機会に係る業務の内容に関する知識を有する」者。

従事経験者の具体例・・・企業、福祉施設において営業(受注)、購買、納期管理、経理等の業務に
             従事した経験を有する者。

C.従事経験者2人以上のほか、専任の管理者(従事経験者である者に限る)が置かれている(第74条の3第4項第3号)

専任の管理者とは・・・在宅就業支援団体の事業所に常勤し、在宅就業障害者等の依頼に
            常に対応できる状態で実施業務を適正に行うための業務に従事している者。

D.実施業務を行うために必要な施設及び設備を有する(第74条の3第4項第4号)

具体的には・・・実施業務を行うのに必要な事務所、在宅就業者との連絡を行うための通信施設等、
                      当該在宅就業支援団体の取り扱う物品製造等の業務に必要な施設及び設備。

有するとは・・・所有だけでなく賃貸、リース等でも可だが、常時利用できる状態であること。

在宅就業支援団体関係業務取扱要領 厚生労働省公式サイト
申請様式 厚生労働省公式サイト

申請した法人が在宅就業支援団体として厚生労働大臣から登録を受けた場合、当該団体には固有の登録番号が与えられます。在宅就業支援団体に問い合わせる際は、公式サイトや厚生労働省の公式ページなどで登録番号を確認しておくと安心です。
登録の有効期限は3年で、登録を更新する場合には所定の手続きが必要となります。

 3.在宅就業支援団体一覧

 最新の在宅就業支援団体一覧は、厚生労働省の公式ページやJEED(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)の公式ページで閲覧できます。各団体公式サイトへのリンクや実施業務が記載されています。
発注したい業務の取り扱いが見られない場合でも、内容によっては受注可能な場合もあります。もし「ぴったりの支援団体が見つからない」という場合は、ぜひ近い職域を扱う在宅就業支援団体にご相談ください。

厚生労働大臣に申請、登録を受けている団体(JEED)

 4.在宅就業の事例

 在宅雇用を進める際に、企業としてどのような工夫をすればいいのか、実際に在宅雇用を行っている企業の事例がJEED(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)の公式ページで閲覧できます。

在宅就業の事例(JEED)

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障害者さん達の体験談などを公開しています

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