就労継続支援A型の報酬算定基準(令和3年度改定)

就労継続支援A型の報酬算定基準(令和3年度改定)

■サービスの概要と対象について

■就労継続支援A型サービス費の考え方

A.減算規定

■定員超過利用減算

■サービス提供職員欠如減算

■サービス管理責任者欠如減算

■個別支援計画未作成減算

■自己評価未公表減算(基本報酬の算定における評価内容の公表)

■障害者虐待防止の更なる推進

■身体拘束等の適正化

■身体拘束廃止未実施減算

■基本報酬の算定における評価内容の公表

B.加算規定

■視覚・聴覚言語障害者支援体制加算

■就労移行支援体制加算

■就労移行連携加算

■初期加算

■訪問支援特別加算

■利用者負担上限額管理加算

■食事提供体制加算

■福祉専門職員配置等加算

■欠席時対応加算

■医療連携体制加算

■重度者支援体制加算

■賃金向上達成指導員配置加算

■送迎加算

■障害福祉サービスの体験利用支援加算

■在宅時生活支援サービス加算

■社会生活支援特別加算

■福祉・介護職員処遇改善加算

■福祉・介護職員処遇改善特別加算

■福祉・介護職員等特定処遇改善加算

C.報酬算定構造

■就労継続支援A型サービス費の報酬算定構造

■障害福祉サービス報酬

■報酬算定計算方式

就労継続支援A型の報酬算定基準(令和3年度改定)

■サービスの概要と対象について

 就労継続支援A型とは、通常の事業所で雇用が困難な障害者に、適切な支援による雇用契約に基づいて、生産活動やその他の活動の機会を提供し、就労に必要な知識や能力の向上のための訓練、その他必要な支援を行うサービスです。

 具体的には…

就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者
特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業などの雇用に結びつかなかった者
企業を離職した就労経験があって、現に雇用関係がない者

尚、令和3年度改定において就労継続支援A型で冒頭触れておいた方が得策と思われる新たなサービスに組み込まれる基本概念を以下、文頭に〇を付け、記しておきます。

〇感染症や災害への対応力の強化

障害福祉サービスは障害のある方々やその家族の生活に必要不可欠なものであり、感染症や災害が発生した場合であっても、感染対策等を講じながら、利用者に対して必要なサービスが継続的に提供されるよう、これらの発生に備えた日頃からの備えや業務継続に向けた取組を推進するために、運営基準について必要な見直しを行うとともに、その取組を基本報酬で評価することになります。

① 感染症の発生および蔓延の防止等に関する取組の義務化

・全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施を義務づけられます。その際、3年間の経過措置(準備期間)を設けることとなりました。

② 業務継続に向けた計画等の策定や研修・訓練等の実施の義務化

・ 感染症や災害が発生した場合でも、必要な障害福祉サービスが継続的に提供できる体制を構築する観点から、全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、業務継続に向けた計画等の策定や研修の実施、訓練の実施等を義務づけます。その際、3年間の経過措置(準備期間)を設けることとなりました。

③ 地域と連携した災害対策の推進

・ 非常災害対策が求められる通所系、施設系、居住系サービス事業者を対象に、運営基準において、訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めることを求めることとなりました。

④ 新型コロナウイルス感染症への対応に係る特例的な評価

・ 新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となること等を踏まえ、令和3年9月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、通常の基本報酬に0.1%分の上乗せを行います。なお、同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態等を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することになりました。

〇障害福祉現場の業務効率化を図るためのICTの活用

・ 障害福祉現場の業務効率化を図るため、下記の運営基準や報酬算定上必要となる委員会等、身体的接触を伴わない、または必ずしも対面で提供する必要のない支援について、テレビ電話装置等を用いた支援が可能であることを明確化することになりました。

委員会・会議等の例は、以下の通りです。

・「感染症・食中毒の予防のための対策検討委員会」とは、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会です。

・「身体拘束等の適正化のための対策検討委員会」とは、身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会です。

・「虐待防止のための対策検討委員会」とは、虐待防止のための対策を検討する委員です。

・「個別支援計画作成等に係る担当者等会議」とは、利用者に対するサービス提供に当たる担当者等で行われる個別支援計画等の作成に係る会議です。

■就労継続支援A型サービス費の考え方

 A型サービス費とは、就労や生産活動の機会を提供し、それに伴う知識、能力の維持・向上を図るサービスの報酬のことをいいます。

 就労支援体制の違いによって2つの算定方法が定められています。

 ① 職業指導員・生活支援員の総数が常勤換算方法で7.5:1以上の手厚い就労支援体制がとられている場合⇒就労継続支援A型(Ⅰ)

 ② それ以外について⇒就労継続支援A型(Ⅱ)

   ※但し、最低総数は常勤換算で利用者数を10で除した数以上が必要となります。

職業指導員の数…1人以上、生活支援員の数…1人以上、うち1人以上は常勤が条件となっています。

  令和3年度より基本報酬の区分の決定に係る実績の評価方法の見直しが行われ、基本報酬の算定に係る実績について、現行の「1日の平均労働時間」に加え、「生産活動」、「多様な働き方」、「支援力向上」および「地域連携活動」の5つの観点から成る各評価項目の総合評価をもって実績とする新たな方式(スコア方式)によって見直し、算定されることになりました。

 スコア方式について

 1)労働時間判定スコア…「1 日の平均労働時間」が長いほど、利用者の賃金増加につながることや、支援コストがかかると考えられるため、「1 日の平均労働時間」により評価します。

(評価方法)前年度において、雇用契約を締結していた利用者の労働時間の合計数を当該利用者の合計数で除して算出した事業所における 1 日当たりの平均労働時間数によって8段階の評価をします。

7時間以上               : 80 点   4時間以上4時間 30 分未満 : 40 点

6時間以上7時間未満          : 70 点   3時間以上4時間未満           : 30 点

5時間以上6時間未満          : 55 点   2時間以上3時間未満           : 20 点

4時間 30 分以上5時間未満: 45 点   2時間未満                              : 5 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いとして、「平成 30 年度」「令和元年度」「令和2年度」いずれかの実績で評価することを可とします。

2)生産活動判定スコア…生産活動収支の状況が健全であることは、利用者の賃金確保、水準にも大きく影響することから、事業所の生産活動収支の状況に基づき評価を行います。

(評価方法)前年度および前々年度の各年度において生産活動に係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費を控除した額に相当する金額(以下、生産活動収支という。)が、利用者に支払う賃金の総額以上であるかによって4段階評価の評価をします。

前年度および前々年度、生産活動収支が、利用者に支払う賃金の総額以上である。:40 点

前年度の生産活動収支が、利用者に支払う賃金の総額以上である。         :25 点

前年度の生産活動収支が、利用者に支払う賃金の総額未満である。         :20 点

前年度及び前々年度、生産活動収支が、利用者に支払う賃金の総額未満である。   :5 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いとして、前年度を「令和元年度」に置き換えた実績で評価することを可(その場合、前々年度は「平成 30 年度」を用いる。)とします。

3)多様な働き方判定スコア…利用者の多様な働き方のニーズに対応できるかどうかは就労の機会の提供の観点で重要であることから、多様な働き方を実現できる制度の整備状況とその活用実績により評価を行います。

評価要素は以下の通りです。

① 免許および資格の取得の促進並びに検定の受験の勧奨に関する事項

② 当該就労継続支援A型事業所の利用者を、職員(利用者を除く)として登用する制度に係る試験等の手続、対象者の要件および採用時期に関する事項

③ 在宅勤務に係る労働条件および服務規律に関する事項

④ フレックスタイム制に係る労働条件に関する事項

⑤ 1 日の所定労働時間を短縮するに当たり必要な労働条件に関する事項

⑥ 早出遅出勤務に係る労働条件に関する事項

⑦ 時間を単位として有給休暇を付与または計画付与制度の取得に関する事項

⑧ 従業者が私的に負傷し、または疾病にかかった場合の療養のための休暇の取得に関する事項

(評価方法)任意の5項目について規程等(就業規則その他これに準ずるものに限る)で定めており、前年度において雇用契約を締結していた利用者の希望により当該5項目に係る制度を活用した実績があった場合に、各項目ごとに評価値を2(実績がない場合は1)として評価(最大10)した上で、その合計に応じて以下3段階で評価します。  

8以上の場合   :35 点

6または7の場合 :25 点

1以上5以下の場合:15 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いにおいて、「令和2年度」の実績で評価します。

4)支援力向上判定スコア…職員が常に仕事に対して意欲的に臨めるようなキャリアアップの機会を組織として提供し、第三者の評価を踏まえて、支援環境の整備につとめることは、基礎となる職員の支援力を高め、利用者に対する支援の質の向上に繋がることから、支援力向上に係る取組の実施状況により評価を行います。

評価要素は以下の通りです。

① 職員の研修に関する計画に基づく障害者雇用、障害者福祉その他障害者就労に関する外部研修会等の参加または外部講師による内部研修会の開催状況

② 外部研修会等への講師派遣、学会等での研究発表または実践報告の実施状況

③ 障害者就労に係る先進的な取組を行う他の事業所等への視察若しくは実習への参加または他の事業所等からの視察等の受入状況

④ 販路拡大、事業拡大等に向けた展示会への出展、商談会への参加その他生産活動収益の増加に資するビジネスマッチングに係る取組の実施状況

⑤ 昇給、昇格と連動した人事評価制度の整備状況

⑥ 障害者ピアサポート研修における基礎研修および専門研修を修了し、利用者の就労または生産活動等の支援を実施するピアサポートの配置状況

⑦ 前年度末日から過去3年以内の福祉サービス第三者評価の受審状況

⑧ 国際標準化機構が制定したマネジメントシステム規格等の認証取得または更新審査等の受審状況

(評価方法)任意の5項目について、各項目の取組実績に応じて別に定める算定方法に従い評価値として各1~2として評価(最大10)した上で、その合計に応じて以下3段階で評価します。

8以上の場合   :35 点

6または7の場合 :25 点

1以上5以下の場合:15 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いにおいて、「令和2年度」の実績で評価します。

5)地域連携活動判定スコア…事業所がその事業を展開する中で、利用者と地域との接点や関係を作り、地域での利用者の活躍の場を広げていくことは、利用者がそこで暮らし、自立した生活を実現していく上でも大切なことから、事業所における地域と連携した事業や取組(地域連携活動)の実施状況により評価を行います。

(評価方法)前年度に実施した地元企業と連携した高付加価値の商品開発、施設外就労による地域での働く場の確保等地域と連携した取組について、当該取組をまとめた報告書を作成し、インターネットの利用その他の方法により公表するとともに、当該報告書において連携先である地元企業等から当該取組が地域連携活動である旨の意見又は評価が付されていることをもって評価します。

 1事例以上ある場合 : 10 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いにおいては、「令和2年度」の実績で評価します。

評価指標と判定スコアを表にまとめると以下のようになります。

評価指標

判定スコア

労働時間

1日の平均労働時間により評価

5点~80点で評価

生産活動

前年度及び前々年度における生産活動収支の状況により評価

5点~40点で評価

多様な働き方

利用者が多様な働き方を実現できる制度の整備状況とその活用実績により評価

0点~35点で評価

支援力向上

職員のキャリアップの機会を組織として提供している等、支援力向上に係る取組実績により評価

0点~35点で評価

地域連携活動

地元企業と連携した高付加価値の商品開発、施設外就労等により働く場の確保等地域と連携した取組実績により評価

0点~10点で評価

スコア合計点は以下のように算出します。

 5つの判定スコア合計点÷200=スコア合計点

 

〇就労継続支援A型(Ⅰ) スコア合計点と利用者数区分

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 1-2.png

〇就労継続支援A型(Ⅱ) スコア合計点と利用者数区分

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2-2.png

新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となること等を踏まえ、令和3年9月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、通常の基本報酬に0.1%分の上乗せを行います。なお、同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態等を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することになっています。

※ 由って令和3年9月30日までの間は、基本報酬について、所定単位数の1,001/1,000に相当する単位数を算定します。

A.減算規定

■定員超過利用減算

 先ず、基となる算定される単位数は、所定単位数の100分の70となっています。が、これから説明する所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数であり、各種加算を含めた単位数の合計数が100分の70となるものではないことに注意する必要があります。

利用定員を上回る利用者を利用させている定員超過利用について、報酬告示(平成18年厚労省「第550号告示」)、厚生労働大臣が定める利用者数の基準、並びに従業者数の基準の所定単位数に乗じる割合の規定にもとづき介護給付費等の減額をおこなうものとしています。これは適正なサービス提供を確保するための制度であり、指定障害福祉サービス事業所(就労継続支援A型事業所も含む)は、この範囲を超える過剰な定員超過を未然に防止を努めさせるものです。

 

《1日当たり利用実績による定員超過利用減額の取り扱い》

 ① 利用定員50人以下の就労継続支援A型事業所等の場合

  1日の利用者の数が、利用定員に100分の150を乗じて得た数を越える場合に、当該1日について利用者全員につき減額を行うものとなります。

 ② 利用定員51人以上の就労継続支援A型事業所等の場合

  1日の利用者数が利用定員から50を差し引いた数に100分の125を乗じて得た数に、75を加えて得た数を越える場合に、当該1日について利用者全員につき減額を行うものとなります。

 

《過去3ヶ月間の利用実績による定員超過利用減額の取り扱い》

直近の過去3カ月間の利用者の延べ数が、利用定員に開所日数を乗じて得た数に100分の125を乗じて得た数を超える場合に、その1月間について利用者全員につき減算を行うものとなります。  

例:利用定員30人、1月の開所日数が22日の施設の場合

    30人×22日=1,980人

    1,980人×1.25=2,475人(受入れ可能述べ利用者数)

    ※3カ月間の総述べ利用者数が2,475人を超える場合に減算となる。

 

但し、定員(多機能型事業所においては、複数のサービスの利用定員の合計)が11人以下の場合は、過去3カ月間の利用者の述べ数が、利用定員にを加えて得た数に開所日数を乗じて得た数を超える場合に減額を行うものとなります。

 

■サービス提供職員欠如減算

 指定就労継続支援A型事業所等に置くべき職業指導員もしくは生活指導員の指定基準として定められている人員基準を満たしていない場合、1割を超えて欠如した場合にはその翌月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を、1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を以下の通りの利用者全員について欠如減算が適用となります。(但し、常勤または専従の場合、翌月の末日において人員基準を満たしている場合は適用されません。)

 ① 減算が適用される月から3月未満(2月目)の月については、所定単位数の100分の70となります。

 ② 減額が適用される月から連続して3月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。

 ※ここに記した所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とします。各種加算を含めた単位数の合計数に減算するものではないことに注意して下さい。

 

■サービス管理責任者欠如減算

 指定就労継続支援A型事業所に置くべきサービス管理責任者の指定基準として定められている人員基準を満たしていない場合(利用者数60人以下…1人以上、利用者61人以上…1人に、利用者数が60人を超えて40またはその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上 ※1人以上は常勤)、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を、以下の通りの利用者全員について欠如減算が適用となります。(但し、常勤または専従の場合、翌月の末日において人員基準を満たしている場合は適用されません。)

 ① 減算が適用される月から5月未満(4月目)の月については、所定単位数の100分の70となります。

 ② 減額が適用される月から連続して5月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。

 ※ここに記した所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とします。各種加算を含めた単位数の合計数に減算するものではないことに注意して下さい。

 

■個別支援計画未作成減算

 個別支援計画未作成減算は、指定障害福祉サービス基準または指定障害者支援施設基準にもとづき、個別支援計画(就労継続支援A型計画)の作成が適切に行われていない場合、介護給付費等を減額するというものです。これは適正なサービス提供を確保するためのものです。

 具体的な取り扱いは、次のいずれかに該当する月からこのような状態が解消されるに至った月の前月まで、次のいずれかに該当する利用者につき減算することになります。 

   イ)サービス管理責任者による指揮の下、個別支援計画が作成されていないこと。

 ロ)指定障害福祉サービス基準または指定障害者支援施設基準に規定する個別支援計画に  係わる一連の業務が適切に行われていないこと。

 算定される単位数は、以下の通りです。

 ① 減算が適用される月から3月未満の月(2月目)については、所定単位数の100分の70となります。

 ② 減算が適用される月から連続して3月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。

■自己評価未公表減算(基本報酬の算定における評価内容の公表) 
事業所ホームページ等を通じて、スコア方式による評価内容は全て公表することを事業所に義務づける(運営基準の見直し)とともに、未公表の場合には基本報酬が所定単位数の85%を算定されます。
■障害者虐待防止の更なる推進

・ 障害者虐待防止の更なる推進のため、運営基準に以下の内容を盛り込みます。その際、施設・事業所が対応するためには一定の時間を要すると見込まれるため、まずは令和3年度から努力義務化した後、1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化します。また、小規模な事業所においても過剰な負担と

ならず、効果的な取組を行うことができるよう、具体的な方法等を示しました。

虐待防止委員会(※)の設置等の義務化をします。

従業者への研修の実施の義務化をします

虐待の防止等のための責任者の設置の義務化をします

(※)虐待防止委員会に求められる役割は、虐待の未然防止、虐待事案発生時の検証や再発防止策の検討

【現 行】

① 従業者への研修実施(努力義務)

② 虐待の防止等のための責任者の設置(努力義務)

【見直し後】※令和4年度から義務化

① 従業者への研修実施(義務化

虐待防止のための対策を検討する委員会として虐待防止委員会を設置するとともに、委員会での検討結果を従業者に周知徹底(義務化)

③ 虐待の防止等のための責任者の設置(義務化

 

■身体拘束等の適正化

身体拘束当の適正化は次に記す身体拘束廃止未実施減算と深くかかわる項目なので、ここに記すことにします。

① 身体拘束等の適正化の更なる推進のため、運営基準において施設・事業所が取り組むべき事項を追加するとともに、減算要件の追加を行うものとします。その際、施設・事業所が対応を行うためには一定の時間を要すると見込まれるため、以下のような措置をおこないます。

・ まずは令和3年度から1年間の努力義務化の準備期間を設けた後、令和4年度から義務化します。

・ 減算の要件追加については令和5年4月から適用することとする。なお、虐待防止の取組で身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化に取り組んでいるものと扱います。

② 訪問系サービスについても、知的障害者や精神障害者も含め対象としており、身体拘束が行われることも想定されるため、運営基準に「身体拘束等の禁止」の規定を設けるとともに、「身体拘束廃止未実施減算(令和5年4月から適用)」を創設します。

今回追加する運営基準について、

・ 現在、その他のサービスにおいて義務となっている「やむを得ず身体拘束等を行う場合の記録」については、令和3年4月から義務化となっています。

・ その他のサービスにおいて今回改正で追加する事項については、令和3年度から1年間の努力義務化の準備期間を設けた後、令和4年度から義務化することとする。なお、虐待防止の取組で身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化に取り組んでいるものと扱います。

【現 行】

身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録することになっていました。

【見直し後】一部新設

① 身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること。

② 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。(令和3年度は努力義務化、令和4年度から義務化)

③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。(令和3年度は努力義務化、令和4年度から義務化)

④ 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。(令和3年度は努力義務化、令和4年度から義務化)

 

■身体拘束廃止未実施減算

次の基準のいずれかを満たしていない場合に、基本報酬を減算する。

① 身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること

② 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること(令和5年4月から適用

③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること(令和5年4月から適用

④ 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること(令和5年4月から適用

 身体拘束廃止未実施減算とは、施設において身体拘束が行われていた場合ではなく、指定障害福祉サービス基準または指定障害者支援施設基準の規定にもとづき求められている記録が行われていない場合に、入所者全員について所定単位から減算することになります。

 具体的には、記録を行っていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月の翌月か3月後に改善計画にもとづく改善状況を都道府県知事に報告することになっています。

 事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、入所者全員について所定単位数から減算することになります。

算定される単位数は、一日につき単位を所定単位数から減算となります。

 いずれにしても、身体拘束等の廃止を強化するための措置です。

 

■基本報酬の算定における評価内容の公表

 事業所ホームページ等を通じて、スコア方式による評価内容は全て公表することを事業所に義務づける(運営基準の見直し)とともに、未公表の場合には基本報酬が所定単位数の15%減算されます。

※ 令和3年度における基本報酬においては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「1日の平均労働時間」や「生産活動収支の状況」について前年度(令和2年度)実績を用いなくてもよいなどの柔軟な取扱いを実施します。

以上の「A. 減算規定」には、付帯事項として以下のことがあるので注意するようにして下さい。

※都道府県知事には、以上の減算規定を尊守するよう指導の義務が明記されており、特別な事情がある場合を除いて、上記の指導に従わない場合には、指定の取り消しも検討されるとあります。

※ 令和3年度における基本報酬においては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「1日の平均労働時間」や「生産活動収支の状況」について前年度(令和2年度)実績を用いなくてもよいなどの柔軟な取扱いを実施します。

 

B.加算規定

■視覚・聴覚言語障害者支援体制加算

 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算とは、視覚・聴覚・言語機能に重度の障害がある利用者が一定以上あって、意思疎通に関し専門性を有する職員が一定数以上配置されている場合の加算措置です。以下に告示(第6の4の視覚・聴覚言語障害者支援体制加算について)文章の文言の解説をしながら注意点を記しておきます。

1.「視覚又は聴覚若しくは言語機能に重度の障害があるもの」とは? 具体的には以下の条件を満たしている人を対象とします。

 イ)視覚障害者

   身体障害者福祉法15条第4項の規定によって交付を受けた身体障害者手帳の障害の程度が1級または2級に該当し、日常生活におけるコミュニケーションや移動などに支障があると認められる視覚障害を有する者。

 ロ)聴覚障害者

   身体障害者手帳の障害の程度が2級に該当し、日常生活におけるコミュニケーションに支障があると認められる聴覚障害を有する者。

 ハ)言語機能障害者

   身体障害者手帳の障害の程度が3級に該当し、日常生活におけるコミュニケーションに支障があると認められる言語機能障害を有する者。

 

2.「重度の視覚障害、聴覚障害、言語機能障害または知的障害のうち2つ以上の障害を有する利用者」については、利用者1人で2人分の視覚障害者として、算定要件である全利用者数の100分の30が視覚障害者に該当するか否かを計算することになっています。但し、この場合の「知的障害」は「重度」である必要はありません。

  また、また、視覚障害者などとの意思疎通に関し専門性を有する者として専ら視覚障害者などの生活支援に従事する従業者を人員配置に加え、常勤換算方法で当該指定就労継続支援A型の利用者の数を50で除して得た数以上配置がなされていれば満たされるものであるとしています。

 

3.「視覚障害者などとの意思疎通に関し専門性を有する者として専ら視覚障害者などの生活支援に従事する従業者」とは、具体的には以下の条件に該当する者のことを言います。

① 視覚障害に対して

  点字の指導、点訳、歩行支援を行うことができる者。

② 聴覚障害または言語機能障害に対して

  手話通訳を行うことができる者。

 

以上のことを踏まえ、指定就労継続支援A型を行った場合に、一日につき所定単位(41単位/日)を追加することができます。

 

■就労移行支援体制加算

 就労移行支援体制加算とは、就労継続支援A型を経て企業など(他の就労継続支援A型事業所を除く)に雇用され、その後その企業で雇用が継続して6月に達した者が前年度においてあった場合、基本報酬区分および定員規模に応じた所定単位数に6月以上就労継続している者の数を乗じて得た単位数を加算することを言います。

令和3年の報酬改定では、障害者本人の希望と能力・適性に応じて一般就労への移行を促進していく観点から、就労移行支援体制加算を充実させます。また、加算の充実については、実績による基本報酬の各区分に応じたものとなります。

 加算単位は以下の表の通りとなります。

就労継続支援A型サービス費(Ⅰ)算定事業所

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就労継続支援A型サービス費(Ⅱ)算定事業所

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■就労移行連携加算

就労継続支援から就労移行支援への移行について、新たに一定の評価をする加算(就労移行連携加算)を創設されました。就労継続支援A型を受けた後に就労移行支援の支給決定を受けた者がいた場合において、当該者に対して、当該支給決定に係る申請の日までに、就労移行支援事業者との連絡調整その他の相談援助を行うとともに、当該申請を行うに当たり、就労継続支援A型における支援の状況等の情報を文書により相談支援事業者に対して提供している場合に、1回に限り1,000単位を加算する。

 

■初期加算

 初期加算は、就労継続支援A型を行った場合、利用開始日から起算して30日以内の期間について、一日につき所定単位数(30単位/日)を加算することをいいます。注意しなければならない点を以下に記しておきます。

1.サービス利用の初期段階における手間を考慮し、サービス利用開始から30日の間を加算するものです。この「30日の間」とは暦日で30日間をいうものであり、加算の算定対象となるのは、30日間のうち、利用者が実際に利用した日数となります。

 尚、初期加算の算定期間が終了した後、同一の敷地内の他の指定障害福祉サービス事業所へ転所する場合にあっては、この加算の対象とはなりません。

2.初期加算は、利用者が過去3月間に、指定障害者支援施設に入所したことがない場合に限り算定できることになっています。

 尚、指定障害者支援施設など併設または空床利用の短期入所を利用していた者が日を空けることなく、引き続き指定障害者支援施設に入所した場合については、初期加算は入所直前の短期入所の利用日数を30日から差し引いて得た日数に限り算定することができます。

3.30日を超える病院または診療所への入院後に再度利用した場合には、初期加算が算定できます。

 但し、指定生活介護事業所など同一敷地内に併設する病院または診療所へ入院した場合は適用外となります。

4.旧法施設支援における「入所時特別支援加算」が算定されていた特定旧法受給者については、「入所時特別支援加算」が初期加算と同趣旨の加算であることから、初期加算の対象とはなりません。

 尚、特定旧法指定施設において、旧法施設支援における「入所時特別支援加算」を算定する者が利用している場合のことであって、「入所時特別支援加算」の算定期間中に指定障害者支援施設へ転換した場合は、30日間から「入所時特別支援加算」を算定した日数を差し引いた残りの日数について、初期加算を算定できることになっています。

 以上4点の注意事項に留意して初期加算を行って下さい。

 

■訪問支援特別加算

 就労継続支援A型事業所において継続してサービス等を利用する利用者が、連続して5日間利用がなかった場合において、あらかじめその利用者の同意を得て、居宅を訪問し就労継続支援A型に係わる相談援助を行った場合に、ひと月に2回を限度とし、1回の訪問に要した時間に応じ算定するものです。

 尚、ここで言う「5日間」とは、利用者の利用予定日にかかわらず、開所日数で5日間を言うものであることに注意してください。

 訪問支援特別加算の訪問に要した時間別の加算の単位は以下の通りです。 

   ① 所要時間1時間未満の場合 187単位/回

   ② 所要時間1時間以上の場合 280単位/回

 また、所要時間とは、実際に要した時間によって算定するのではなく、就労継続支援A型計画に基づいて行うに要する時間であることに注意して下さい。

 

■利用者負担上限額管理加算

就労継続支援A型事業所が利用者負担額合計額の管理を行った場合に、1月につき所定単位数(150単位/月)を加算するものです。

尚、負担額が負担上限額を実際に越えているか否かは算定の条件とはなりません。

 

■食事提供体制加算

 収入が一定額以下の利用者に対して、就労継続支援A型事業所に従事する調理員による食事提供または調理業務を第三者に委託し就労継続支援A型事業所の責任において食事提供体制を整え、提供を行った場合、別に厚生労働大臣が定める日までの間、一日につき所定単位(30単位/日)を加算するものです。

 第三者に委託について、施設外で調理されたものを提供する場合(クックチル、クックフリーズもしくは真空調理により調理を行う過程において急速に冷却もしくは冷凍したものを再加熱して提供するもの、またはクックサーブにより提供するものに限る)、運搬手段について衛生上適切な処置がなされているものについては、施設外で調理し搬入する方法が認められます。

しかしながら、出前の方法や市販のお弁当を購入して、利用者に提供するような方法は、加算の対象とはなりません。また、利用者が施設入所支援を利用している日については、補足給付が日単位で支給されることから、この加算は算定することは出来ません。 

・上記の令和2年度末までの経過措置とされていた食事提供体制加算について、栄養面など障害児者の特性に応じた配慮や食育的な観点など別の評価軸で評価することも考えられるかという点も含め、他制度とのバランス、在宅で生活する障害者との公平性等の観点も踏まえ、更に検討を深める必要があることから、今回の報酬改定においては、経過措置を延長します。

 

■福祉専門職員配置等加算

 良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応じて加算ができます。以下、必要とされる三つの条件を記しておきます。

① 職業指導員の常勤で配置されている従業員のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、作業療法士または公認心理師の資格保有者が、従業者の割合の100分の35以上雇用されている就労継続支援A型事業所は一日につき所定単位数(15単位/日)を加算します。

 尚、「常勤で配置されている従業員」とは、正規または非正規雇用に係わらず、各事業所において定められる常勤の事業者が勤務すべき時間数に達している従業者のことを指します。(以下の②③においても同様です)

② 職業指導員の常勤で配置されている従業員うち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、作業療法士または公認心理師の資格保有者が、従業者の割合の100分の25以上雇用されている就労継続支援A型事業所は一日につき所定単位数(10単位/日)を加算します。

③ 職業指導員等のうち、常勤で配置されている従業員が100分の75以上、または勤続3年以上従事している常勤職員が100分の30以上雇用されている就労継続支援A型事業所は一日につき所定単位数(6単位/日)を加算します。

 「3年以上従事」とは、加算の申請を行う前月の末日時点における勤続年数とし、勤続年数の算定に当たっては、事業所における勤続年数に加え同一法人の経営する他の障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律に定める障害福祉サービス事業を行う事業所や施設、病院において職員として勤務した年数を含めることができます。

また、当該勤続年数の算定については、非常勤で勤務していた期間も含めます。

尚、重要なことですが、①または②を算定している場合は、③の加算はできませんので注意して下さい。

 

■欠席時対応加算

 就労継続支援A型事業所における利用者が、利用を予定していた日に、急病などでその利用を中止した場合において、A型従業者が利用者または家族との連絡調整その他の相談援助を行うとともに、当該利用者の状況、相談援助の内容等を記録した場合に、1月につき4回を限度として、所定単位数(94単位/回)を算定します。

 注意事項は以下の通りです。 

    ① 加算の算定に当たっては、急病などによりその利用を中止した日の前々日、前日または当日に中止連絡があった場合について算定が可能となります。

 ② 「利用者または家族との連絡調整その他の相談援助を行う」とは、電話等により当該利用者の確認し、引き続き指定生活介護などの利用を促す相談援助を行い、その相談援助の内容を記録することにあり、直接の面接や自宅への訪問などは要しません。

 

■医療連携体制加算

医療連携体制加算については、医療機関等との連携により、当該医療機関等から看護職員を訪問させ、利用者に看護を提供した場合や認定特定行為業務従事者に対し喀痰吸引等に係る指導を行った場合に算定できるものであるが、障害者に真に必要な医療や看護を検討して適切に提供しているとは言い難い事例が散見されていることから、算定要件や報酬単価について、必要な見直しがおこなわれました。

① 医療・看護について、医療的ケアを要するなどの看護職員の手間の違いに応じて評価を行います。

② 医師からの指示は、原則、日頃から利用者を診察している主治医から個別に受けるものとすることを明確化します。

③ 福祉型短期入所について、特に高度な医療的ケアを長時間必要とする場合の評価を設けます。

④ 共同生活援助における看護護師の確保に係る医療連携体制加算について、看護師1人につき算定できる利用者数の上限20名まで)を設けます。

 

医療連携体制加算(Ⅰ) 32単位/日(非医ケア、1時間未満)

   医療的ケアを必要としない利用者(8人を限度)に対する看護であって、看護の提供時間が1時間未満である場合

医療連携体制加算(Ⅱ) 63単位/日(非医ケア、1時間以上2時間未満)

   医療的ケアを必要としない利用者(8人を限度)に対する看護であって、看護の提供時間が1時間以上2時間未満である場合

医療連携体制加算(Ⅲ) 125単位/日(非医ケア、2時間以上)

   医療的ケアを必要としない利用者(8人を限度)に対する看護であって、看護の提供時間が2時間以上である場合

医療連携体制加算(Ⅳ)(4時間未満)

   医療的ケアを必要とする利用者に対する看護である場合

(1) 800単位/日(医ケア1人)

(2) 500単位/日(医ケア2人)

(3) 400単位/日(医ケア3~8人)

医療連携体制加算(Ⅴ) 医療機関との連携により、看護職員を就労継続支援A型事業所へ訪問をさせ、看護職員が認定特定行為業務従事者(介護職員など)に喀痰吸引に係わる指導を行った場合に、看護職員一人に対し、一日につき所定単位数(500単位/日)を加算します。

医療連携体制加算(Ⅵ) 喀痰吸引が必要な利用者に対して、認定特定行為業務従事者(介護職員など)が、喀痰吸引を行った場合に、一日につき所定単位数(100単位/日)を加算します。但し、医療連携体制加算ⅠとⅡを算定している場合にあっては、加算できません。

  注意事項は以下の通りです。

 イ)就労継続支援A型事業所は、あらかじめ医療連携体制加算に係わる業務について医療機関と委託契約を締結し、障害者に対する看護の提供または認定特定行為業務従事者に対する喀痰吸引に係わる指導に必要な費用は医療機関に支払うことになります。このサービスは就労継続支援A型事業所として行うものであるので連携する医療機関の医師から看護の提供または喀痰吸引に係わる指導等に関する指示を受けることになります。

 ロ)就労継続支援A型事業所は、対象となる障害者に必要な情報を保護者、主治医を通じ、あらかじめ入手し本人の同意を得て連携する医療機関に提供するよう努めなくてはなりません。

 ハ)看護職員の派遣については、同一法人内の他の施設に勤務する看護職員に依頼も可能ですが、他の事業所の配置基準を尊守した上で、医師の指示を受けてサービスの提供を行うことになります。

 ニ)看護の提供または喀痰吸引に係わる指導上必要となる衛生材料、医薬品の費用は就労継続支援A型事業所が負担することになります。なお、医薬品が医療保険の算定対象となる場合は、適正な診療医療報酬を請求するようにして下さい。

■重度者支援体制加算

就労継続支援A型を行った日の属する前年度において、障害基礎年金1級(国民年金法に基づく障害基礎年金1級)を受給する利用者が、一定数以上ある場合に、利用者定員に応じ一日につき所定単位数を加算するものです。

詳しい単位数は以下の表を参照して下さい。

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■賃金向上達成指導員配置加算

生産活動収入を増やすための販路拡大、商品開発、労働時間の増加等の賃金向上を図るための賃金向上計画(または経営改善計画)を作成するとともに、利用者のキャリアアップを図るための措置を講じている、計画の達成に向けて取り組むため就労継続支援A型事業所と雇用契約を結んだ賃金向上達成指導員を常勤換算法で1以上配置した場合、利用定員に応じて一日につき所定単位数を加算するものです。

詳しい単位数は以下の表を参照して下さい。

利用定員

報酬単位

20人以下

70単位/日

21人以上40人以下

43単位/日

41人以上60人以下

26単位/日

61人以上80人以下

19単位/日

81人以上

15単位/日

 注意することは、以下の2点です。

 ① 「賃金向上計画」は、「指定就労継続支援A型における適正な運営に向けた指定基準の見直し等に関する取扱い及び小式にについて」(平成29年3月30日障障発0330第4号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知。以下「指定基準の見直し等通知」と言う)の1の(2)で示す経営改善計画書を「賃金向上計画」とすることができます。尚、経営改善計画書を提出する必要のない事業所においては、「指定基準の見直し等通知」の1の(2)で示す別紙様式2-1の経営改善計画の1に関して、現在の生産活動収入を維持または増やす取り組みを行うための具体的取組を記載し、そのことを達成するための事項を2~6に記載することで、賃金向上計画とすることができます。

 ② 「キャリアアップを図るための措置を講じている」とは、将来の職務上の地位や賃金の改善を図るため、昇格、昇進、昇給といった仕組みが就業規則に記載されていることが必要であり、実際にキャリアアップした利用者がいない場合でも差し支えないが、仕組みがあるにも関わらず合理的な理由なく該当者がいない場合は、賃金向上達成指導員配置加算の算定要件を満たしていないと判断する材料として見られることもあります。

■送迎加算

利用者に対して、その居宅と就労継続支援A型事業所または障害者支援施設との間の送迎を行った場合に、片道につき所定単位数を以下の表の通り加算します。

区分

加算単位数

要件

送迎加算(Ⅰ)

21単位/回

一回の送迎につき平均10人以上が利用し、かつ、週3回以上の送迎を実施している場合

※利用定員が20人未満の事業所にあっては、平均的に定員の50/100以上が利用している場合

送迎加算(Ⅱ)

10単位/回

①一回の送迎につき平均10人以下が利用している(利用定員が20人未満の事業所にあっては、平均的に定員の50/100以上が利用している)または②週3回以上の送迎を実施している場合

※尚、同一敷地内の他の事業所との間の送迎を行った場合は、所定単位数の100分の70を算定する。但し、ここで言う所定単位数とは、加算がなされる前の単位数とし、加算を含めた単位数の合計ではないことに注意して下さい。

・平成30年度報酬改定において引き続き検討する事項とされていた就労継続支援A型の送迎加算について、実態として、送迎の理由は「公共交通機関がない等地域の実情」や「重度障害などの障害特性」などのやむを得ない事情が多く、多くの事業所において送迎の必要性を一律ではなく個別に判断していることを踏まえ、現行の枠組みは維持することになります。

・その上で、就労継続支援A型が利用者と雇用契約を締結していることや利用者の知識や能力向上のために必要な訓練を行うものであるということを念頭に、利用者の自立能力の獲得を妨げないよう配慮することなどを改めて周知するようにして下さい。

・令和3年度の見直しにおいて、送迎加算の現行の枠組みは維持することになります。

 

■障害福祉サービスの体験利用支援加算

就労継続支援A型の利用者が、障害福祉サービスの体験的利用支援を受ける場合、従業者が次の①または②の支援を行い、利用者の状況や支援内容を記録した場合に、15日以内に限り所定単位数に代えて算定するものです。

 ① 体験的な利用支援の利用の日において昼間の時間帯における訓練等の支援を行った場合

 ② 障害福祉サービスの体験的な利用支援に係わる指定一般相談支援事業者との連絡調整、その他の相談援助を行った場合

 A.障害福祉サービスの体験利用支援加算(Ⅰ)

   体験利用を開始した日から起算して5日以内の期間について算定は、500単位/日。

 B.障害福祉サービスの体験利用支援加算(Ⅱ)

体験利用を開始した日から起算して6日以上15日以内の期間について算定は、250単位/日。

 ※厚生労働大臣の定める施設基準(地域生活支援拠点など)の場合には、更に1日につき所定単位数(50単位/日)を加算する。

 

■在宅時生活支援サービス加算

在宅時生活支援サービス加算とは、通所利用が困難で在宅による支援がやむを得ないと市町村が判断した在宅利用者に対し、就労継続支援A型事業所が費用を負担することで、在宅利用者の居宅に従事者を派遣し、在宅利用者の生活に関する支援を提供した場合に1日につき所定単数(300単位/日)を加算します。

また居宅介護や重度訪問介護を利用していて、就労継続支援A型を在宅で利用する際に、支援を受けなければ在宅利用が困難な場合も加算する要件となります。

 

■社会生活支援特別加算

 心神喪失などの状態で重大な他害行為を行った者で、医療観察法に基づく通院医療の利用者または刑務所出所者に対して、就労継続支援A型計画に基づいた地域で活動するために必要な相談援助や個別支援などを行った場合に、支援を開始した日から起算して3年以内の期間において、1日につき所定単位数(480単位/日)を加算します。

 詳しい対象者や施設の要件は、支援内容については以下の通りとなります。

【対象者の要件】医療観察法に基づく通院決定または退院許可決定を受けてから3年を経過していない者、または矯正施設もしくは更生保護施設を退所の後、3年を経過していない者が、保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整により、指定自立訓練(機能訓練)事業所(就労継続支援A型事業所も含む)を利用することになった者となります。

【施設要件】加算要件となる人員配置については、あらかじめ指定基準上配置すべき従業者に加えて一定数の配置を求めるものではなく、加算対象者の受入れ時点において適切な支援を行うために必要な数の人員を確保することが可能であるとともに、有資格者による指導体制が整えられ、有資格者を中心とした連携体制により対象者に対して適切な支援を行うことが可能であることが必要となります。尚、支援体制については、協議会の場などで関係機関の協力体制も含めて協議しておくことが望まれます。

従業者の研修は原則として事業所従業者全員を対象に行うこととなっています。研修は、加算対象者の特性の理解、通常有する課題とその支援内容、障害者の支援(医療機関・矯正施設など)に実際たずさわっている者を講師とする事業所内研修、支援実績のある事業所の視察、関係団体が行う研修会の受講などが考えられます。

 

【支援内容】加算対象となる事業所は以下の支援を行うものとなります

① 本人や関係者からの聞き取りや経過記録、行動観察などによるアセスメントに基づき、犯罪行為に至った要因を理解し、再び犯罪行為に及ばないための生活環境の調整と必要な専門的支援が組み込まれた、自立訓練(機能訓練)計画(ここでは就労継続支援A型計画書を指す)の作成

② 指定医療機関や保護観察所などの関係者との調整会議の開催

③ 日常生活や人間関係に関する助言

④ 医療観察法に基づく通院決定を受けた者に対する通院の支援

⑤ 日中生活の場における緊急時の対応

⑥ その他必要な支援

■福祉・介護職員処遇改善加算

 福祉・介護職員の賃金改善について、一定の基準に適合する取組みを実施している場合、以下の表に説明した加算率で1月につき算定することになります。

区分

要件

加算率

福祉・介護職員

処遇改善加算(Ⅰ)

キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、キャリアパス要件(Ⅲ)、職場環境等要件の全てを満たすこと

所定単位数の5.7%

(指定障害者支援施設にあっては、所定単位の6.5%

福祉・介護職員

処遇改善加算(Ⅱ)

キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、職場環境等要件の全てを満たすこと

所定単位数の4.1%

(指定障害者支援施設にあっては、所定単位の4.7%

福祉・介護職員

処遇改善加算(Ⅲ)

キャリアパス要件(Ⅰ)またはキャリアパス要件(Ⅱ)の要件を満たすことに加え、職場環境等要件を満たすこと

所定単位数の2.3%

(指定障害者支援施設にあっては、所定単位の2.6%

キャリアパス要件ならびに職場環境等要件の概略は以下の通りです。

キャリアパス要件(Ⅰ):職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること。

キャリアパス要件(Ⅱ):資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること。

キャリアパス要件(Ⅲ):経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇格を判定する仕組みを設けること。

職場環境等要件:賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組みを実施すること。

※加算を取得した事業所においては、加算額に相当する福祉・介護職員の賃金改善を行う必要があります。

※所定単位は、基本報酬及び各加算(福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特 定処遇改善加算を除く)を算定した単位数の合計とします。尚、福祉・介護職員処遇改善特別加算との併給は不可となります。

《注意事項》

なお、福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)および(Ⅴ)は、令和2年度限りで廃止(ただし、令和3年3月31日時点で当該加算を算定している事業所については、1年間に限り算定が可能)。

  ・福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)

   要件 キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、職場環境等要件のいずれかを満たすこと

   加算率 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ)を用いる

  ・福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅴ)

   要件 キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、職場環境等要件のいずれも満たさないこと

   加算率 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ)を用いる

  また、福祉・介護職員処遇改善特別加算についても、令和2年度限りで廃止(ただし、令和3年3月31日時点で当該加算を算定している事業所については、1年間に限り算定が可能)。 
 ■福祉・介護職員処遇改善特別加算

   福祉・介護職員を中心として処遇改善が図られている(「キャリアパス要件」及び「職場環境等要件」は問わない)ものとして就労移行支援を行った場合に、これまでに算定した単位数の1000分の9に相当する単位数を所定単数に加算します。所定単位は、基本報酬および各加算(福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を除く)を算定した単位数の合計とします。ただし、前項の福祉・介護職員処遇改善加算を算定している場合にあっては、算定できません。

■福祉・介護職員等特定処遇改善加算

 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)までのいずれかを取得している事業所が、職場環境等要件に関し、複数の取り組みを行っているとともに、その取り組みがホームページへの掲載等を通じ、見える形で紹介されていれば、以下の表にある区分に従い次の単位数を1月につき加算します。但し、表にある一方の加算を算定している場合にあっては、他方の加算は算定できません。

区分

加算率

備考

福祉・介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)

所定単位数の1.7%

 

福祉・介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ)

所定単位数の1.5%

福祉専門職員配置等加算を算定していない事業所

※所定単位は、基本報酬及び各加算(福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を除く)を算定した単位数の合計とします。

① 福祉・介護職員等特定処遇改善加算について、リーダー級の職員について他産業と遜色ない賃金水準の実現を図りながら、福祉・介護職員の更なる処遇改善を行うとの趣旨は維持した上で、加算の更なる取得促進を図るとともに、小規模事業者を含め事業者がより活用しやすい仕組みとする観点から、平均の賃金改善額の配分ルールについて、より柔軟な配分を可能とするよう「経験・技能のある障害福祉人材」は「他の障害福祉人材」の「2倍以上と→「福祉・介護職員処遇改善加算の加算率について」参照すること」とするルールについて、「より高くすること」に見直します。

※ 「その他の職種」は「他の障害福祉人材」の「2分の1を上回らないこと」とするルールはこれを維持します。

※ 障害福祉サービス等に従事する職員の特性を考慮して設けられている「職員分類の変更特例」について、実際の届出事例を踏まえ、変更特例の対象となりうる職種をより幅広に例示し、周知することになります。

② また、福祉・介護職員等特定処遇改善加算の加算率について、上記の福祉・介護職員処遇改善加算の加算率と同様、類似する複数のサービスをグループ分けした上で加算率を設定します。

 

C.報酬算定構造

■就労継続支援A型サービス費の報酬算定構造

 障害福祉サービス費等の報酬算定構造(平成30年度見直し個所含む)の「就労継続支援A型サービス費」29-31頁をご覧下さい。

 

■障害福祉サービス報酬

障害福祉サービスの報酬の全体像

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 6f35c6f03455532b66266ade253c306b.png①利用者は、市町村(区)に障害支援区分の申請(介護給付の場合)、支給申請を行います。

②市町村は、障害の程度により区分を認定し、支給決定をします。

③④利用者とサービス事業者で契約を締結します。事業者はサービスを提供し、利用者は所得に応じた費用を事業者に支払います。

⑤事業者は、市町村に対して介護給付費等の請求を行います。※

⑥市町村は、事業者に介護給付費当の支払いをします。※

※請求実務では、国民健康保険団体連合会(国保連)に請求し、国保連から支払われます。

 

■報酬算定計算方式

報酬算定時の計算方法は以下のようになります。

【1】単位数 × 10円 × 事業所が所在する地域区分に応じた割合

・下記【2】、【3】のサービス種別 以外

【2】単位数 × 8.5円 × 事業所が所在する地域区分に応じた割合

・基準該当居宅介護

・基準該当重度訪問介護

・基準該当行動援護

・基準該当同行援護

【3】単位数 × 10円

・療養介護

※計算して得た額に1円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てて算定する。

 

 





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