A12 「延利用者数」で区分する方法を説明します。
例えば、利用者さんたちに手作りランチを提供する事業があるとします。その事業所では、二種類の事業(仮にA事業とB事業とする)を行っています。そして、そのランチも支援者さんたちも一緒に食べています。
このランチサービスで発生する経費は、先ずランチを作る人の「人件費」、そして「食材費」、台所の「光熱費」などが主なものです。これらの経費を、「福祉事業部門」と「就労支援事業部門」、そして更に「就労支援事業部門」を「A事業」、「B事業」に区分して会計処理をしなければなりません。そのためにもっとも合理的な方法の一つとして、「延利用者数」で区分するという方法があります。
上記の例によると、支援者も一緒にランチを食べているので、正しくは「延利用者数+延支援者数」ということになります。
やり方は単純で、その月に発生した費用を、その月における利用者の延人数で按分するだけです。
《具体例》
令和○年○月に発生した食材費 100,000円
同月中のA事業の延利用者数 定員20人×稼働日20日=400人
同月中のB事業の延利用者数 定員10人×稼働日20日=200人
同月中の延支援員 支援員5人×稼働日20日=100人
A事業に按分された食材費の計算は…
100,000×400÷(400+200+100)≒57,143円
…となります。
以下B事業や他の光熱費もこのような方法で算出できます。が、このような方法が唯一絶対という訳ではないことは言うまでもありません。個々の事情に応じて按分方法を考えることが重要です。