A16 就労支援事業所が実施する事業は、借置費を財源とする「福祉活動事業」と、事業そのものの売上高を財源とする「就労支援事業」の二事業に大別でき、「福祉活動事業」が法人税の収益事業34業種の中の「医療保険業」に該当します。では、「就労支援事業」に法人税はかかるのかという話に移りましょう。
「就労支援事業」の実態に応じて判断されます。例えば、その事業がパンを製造販売するパン工場であれば「製造業」になりますし、何かモノを販売する小売業であれば、「物品販売業」になります。チラシ配りなどをおこなうのであれば「請負業」、チラシや名刺などを印刷するのであれば「印刷業」となります。これらはいずれも収益事業34業種に含まれます。
しかし、注意してもらいたいのは以下のような規定があることです。
【収益事業に含まれないもの(法人税施行令第5条第2項より抜粋)】
2 上記事業のうち、その事業に従事する次に掲げる者が従事者総数の半数以上を占め、且つ、その事業がこれらの者の生活の保護に寄与しているもの。
・身体障害者福祉法に規定する身体障がい者
・生活保護法の規定により生活扶助を受ける者
・知的障がい者
・精神障がい者
・年齢六十五歳以上の者
・一定の母子家庭の母、寡婦
つまり、働く人のうち障がい者が半数以上をしめる事業は、収益事業に該当しないということです。
すべての就労支援事業は、まず間違いなくこれに該当します。上記の規定によって就労支援事業は法人税がかからないということになります。