Q9 法定福利費とは福利厚生のことでしょうか?

A9 福利厚生費という科目とは違いますが、大枠で意味するところは福利厚生のことと考えて間違いはありません。

事業所内の福利については、法律で定められた義務のあるものと、それ以外の事業所ごとの裁量に任されているものがあります。前者が、法定福利費で、具体的には「社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料)」と「労働保険料(雇用保険料、労災保険)」のことを指します。後者に関するものを福利厚生費と呼びます。

 法定福利費は、それぞれ事業所側が負担すべき額と、働く側が負担すべき額(給与から差し引かれる額)に区分され、事業所側の負担金は事業所の経費となるので基本的に非課税で、損金として計上されます。働く側が負担する社会保険料や労働保険料も所得税の計算において控除されます。因みに、働く側の負担額は、預り金勘定科目で計上します。

 それに対して福利厚生費は、事業所主導による従業員への住宅手当や社員食堂、レクリエーション等が該当するので、ものによっては課税か非課税かが異なります。

従って法定福利費は、法律によって義務づけられた、従業員の健康の維持と安全で快適な職場環境の管理のために企業(事業所側)が負担する費用のことを言います。

 総合支援法に基づく人員基準を超えた人員配置をする場合は、福祉事業部門と就労支援事業部門それぞれに法定福利費が生じることになります。

そのため預金通帳から引き落とされる社会保険料は、それぞれの部門に振り分ける(区分する)必要が生じます。これは法定福利費に限らず、双方の部門に共通して生じる費用をどのように区分するかはとても重要なことであり、かつ面倒な問題でもあります。

そこでその按分の目安となる判断基準が、「介護保険料の給付対象事業における会計の区分について」です。http://www.sofukuken.gr.jp/sofukukenkaiin/downloaddata/010328roushinhatsu18_050629.pdf

上記では費用を按分する方法が具体的に記されています。

ここでは法定福利費などの人件費については、原則として「勤務時間割合」により区分されています。また、この原則が困難な場合は、例外として「人員配置割合」などで区分されることも認められています。

法定福利費のうち社会保険料は、それぞれの人員に支給する給与額に応じて社会保険料が決まるので、それに従って区分します。また労働保険料についても、それぞれの人員の年間給与額の合計により年間保険料が決まりますので、社会保険料と同じ要領で区分します。







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