A15 法人税における公益法人等の取扱いについてから説明します。
公益法人等は、以下にあげる34業種(「収益事業」といいます)を行う場合に限り、法人税を納めることになっています。
【収益事業 34業種】
物品販売業、不動産販売業、金融貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授を行う事業、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供等を行う事業、労働者派遣業
つまり、ここにあげた34業種に該当しない事業を行っている場合は、法人税を申告納付する必要はないということです。
では就労支援事業は34業種に該当するか否かという話です。就労支援事業所は「福祉活動事業」と「就労支援事業」に分けられ、そのうちの「福祉活動事業」が、34業種の中の「医療保険業」に該当します(国税庁の「支援費サービス事業にかかる法人税法上の取り扱いについて」参照)。
医療保険業は、社会福祉法人が行うものについては、非課税、つまり34業種から除くという特例が設けられています(法人税法施行令第5条「社会福祉法第22条に規定する社会福祉法人が行う医療保険業」)。まったく同じことをするにしても、法人形態によって、税金がかかる(NPO法人、社団・財団法人)、かからない(社会福祉法人)という違いがあります。
就労支援や児童デイサービスを手広く行っているNPO法人などは、法人税負担をなくそうと社会福祉法人化しようと努力されているところが多いようですが、社会福祉法人設立はなかなかハードルが高く大変です。また、設立後も所轄庁の定期的な監査があるので結構な重責となります。