法律の趣旨
障害のある人が自立した生活を送るためには、就労によって経済的な基盤を確立することが重要です。
このためには、障害者雇用を支援するための仕組みを整えるとともに、障害者が就労する施設等の仕事を確保し、その経営基盤を強化することも必要です。
このような観点から、これまで障害者就労施設等へ仕事の発注に関し、民間企業をはじめ国や地方公共団体等において様々な取組が行われてきました。
「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(障害者優先調達推進法)」は、国や地方公共団体等が率先して障害者就労施設等からの物品等の調達を推進するよう、必要な措置を講じることを定めたものです。
同法は、平成24年6月27日に公布され、平成25年4月1日から施行されています。
【法律のポイント】
国、独立行政法人及び地方公共団体等は、物品等の調達に当たって、優先的に障害者就労施設等から物品等を調達するよう努めるとともに、以下の取組を行うこととされています。
・国は、障害者就労施設等からの物品等の基本方針を定める。
・各省各庁の長及び独立行政法人等の長は、毎年度、国の基本方針に即して、障害者就労施設等からの物品等の調達方針を作成するとともに、当該年度の終了後、実績を公表する。
・地方公共団体(都道府県、市町村)及び地方独立行政法人は、毎年度、障害者就労施設等からの物品等の調達方針を作成するとともに、当該年度の終了後、調達の実績を公表する。
・国及び独立行政法人等は、公契約について、競争参加資格を定めるに当たって、法定障害者雇用率を満たしている事業者に配慮するなど、障害者の就業を促進するために必要な措置を講ずるよう努める。また、地方公共団体及び地方独立行政法人は、国及び独立行政法人等の措置に準じて必要な措置を講ずるよう努める。
対象となる障害者就労施設
《障害者総合支援法に基づく事業所・施設等》
・就労移行支援事業所
・就労継続支援事業所(A型・B型)
・生活介護事業所
・障害者支援施設(就労移行支援、就労継続支援、生活介護を行うものに限る)
・地域活動支援センター
・小規模作業所
《障害者を多数雇用している企業》
・障害者雇用促進法の特例子会社
・重度障害者多数雇用事業所(※)
(※)重度障害者多数雇用事業所の要件
①障害者の雇用者数が5人以上
②障害者の割合が従業員の20%以上
③雇用障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合が30%以上
《在宅就業障害者等》
・自宅等において物品の製造、役務の提供等の業務を自ら行う障害者(在宅就業障害者)
・在宅就業障害者に対する援助の業務等を行う団体(在宅就業支援団体)
障害者就労施設等への発注例
《サービス業》
①クリーニング
②清掃
③印刷
④データ入力
⑤放送・組み立て
⑥発送
《物品の発注》
①弁当
②制服等注文製造
③部品
なお詳しくは、厚生労働省のホームページを参照:障害者優先調達推進法