A1 強迫性障害は男女の性差なく発症し、その出現率は平均的な人の一生の中で40人~50人に一人の割合と言われています。一方で早い人では10代からその兆候が見られるようになり、症状が重くなったり軽くなったりを繰り返すうち、徐々に自分では制御不可能な状態にまで進行するのが一般的です。
強迫性障害の原因については、脳の中の特定部位に障害が起こっている場合や、気分の安定や睡眠とも関わりの深い脳内の神経伝達物質「セロトニン」の著しい減少などが考えられるほか、次のようなきっかけからも発症すると言われています。
- 過度のストレスのかかる出来事
- 人生における生活環境、人間関係の変化(思春期・就職・出産など)
- もともと持っている几帳面な性格や道徳観・正義感などがエスカレートする
- 家族など身近な人からの影響
- 感染症ほかの神経性疾患との関連
強迫性障害と遺伝的な要素との関係は明確でないものの、家族間で受ける影響によって、その兆候が顕著に現れてくる傾向は否めません。特に子供の場合は身近な親の行動や教えが習慣化しやすく、それが高じて自分でも気が付かない間に発症するというケースもあります。