A15 障害の状態が安定していても、検査や投薬のため通院が義務づけられている場合があります。
通院による取扱い方には以下の3つケースが考えられます。
1)「勤務時間内通院」の場合は、年次有給休暇を活用する場合が多いようです。半日休暇の利用や時間単位の早退、遅刻が認められるような配慮があれば、与えられた年次有給休暇を有効に使うことが可能となります。
但し法律で定められた範囲では、年次有給休暇の取得に関しては、時間単位で取得すことは認められていません。しかし、企業がそれ以上に付与する法定外の年次有給休暇については、企業の判断で時間単位での取得も可能です。
2)「通院休暇」の場合は、1か月に1日~2日、通院のため特別休暇を付与している企業もあります。この休暇を有給とするか無休とするかは、それぞれの企業の判断となります。他の制度との整合性や、他の社員とのバランスなどを考慮して下さい。
3)「フレックスタイム制での対応」の場合は、フレックスタイム制は基本的には始業・就業の時刻を労働者自身が決定できる制度です。時間的な幅の関係でこの制度を利用できない場合もありますが、中には業務内容や部門単位で利用している企業もあります。フレックスタイム制は、通院時間の確保や体力に合わせた勤務など、労働時間の柔軟化に効果をあげているようです。
人工透析が必要な人の場合は週に2~3回の通院は欠かせません。1回の透析で4時間程かかります。夜間透析をしたり、勤務地に近い病院を選んだりしている場合でも、病院までの所要時間を考慮すると、通常の退社時間では間に合わないこともあり、早退を認め、欠勤時間扱いとしている例が多いようです。欠勤時間を有給とするか無給とするかは企業の判断によりますが、有給にした場合でも賞与の算定には欠勤時間の対象とするなど、他の社員とのバランスをとるように対応して下さい。