A4 ストレスの原因が仕事にあるとはっきりわかっているなら、仕事を休んだ方がいいかどうか悩む人も多いと思います。
ですが適応障害の場合、その環境を避けるだけでは根本の解決にならず、仕事を休んだことでかえって復職が難しくなったり、周囲との関係がギクシャクしてしまったりするケースもあるので、慎重な判断が大切です。
職場で環境調整のご相談をしていく場合は、以下のようなステップがあります。
1 上司に相談する
2 人事や総務などの相談窓口を利用する
3 産業医に相談する
4 病院で診断書をもらう
どのような方法が適切なのか、それはその人ごとに異なります。本人だけでは難しいですので、医師と相談の上、病気の状態や職場環境などを十分に考慮し、検討することが望ましいです。
こころの病気については、昔に比べればずっと社会的認知度も上がってきているとはいえ、十分な理解を受けていると言えるほどの状況ではなく、体の病気と比べると職場や周囲への対応は難しい部分もあります。
適応障害の人の中には、「この程度で病気だなんて弱音を吐いたらいけない」と我慢してしまっている人も多く見られます。周囲に相談しても、「そんなこと慣れたら大丈夫」「みんな通る道だから」などと励まされてしまい、よけいに落ち込んだということはありませんか?
適応障害も含めこころの病気は、経験が無い人にはなかなか理解が難しいものです。だからこそ、そのようなときは医療機関に相談してください。
ストレスは、1人で我慢して抱え込んでしまうと、よけいにふくらんで悪循環になります。診察の中で病状をお話しになり、現在の状況が客観的に整理されるだけで、気持ちが軽くなったとおっしゃる患者さんも少なくありません。
そのまま放置していると、うつ病や不安障害などを発症してしまう恐れもあります。一方で環境から離れれば楽になれると、突発的に仕事を辞めてしまったりすると、後悔をすることになるかもしれません。
心身が辛いときには、1人で重大な決心をしない方がいいものです。冷静さを取り戻せれば、いい方法が見えてくることがあります。また、職場やご家族に対してどのように接していくかも、適応障害の治療では大切です。医師と相談しながら対処を考えていきましょう。
こころの病気というと何か特別もののように感じるかもしれませんが、適応障害は、ごく普通に生活をしている人がかかる病気です。誰にでも可能性のある病気なのです。 治療の中で環境との折り合いが上手くつけられるようになれば、適応障害は改善していきます。悩んでいるときは1人で抱え込まず、医療機関へ相談してください。