A3 普段と変わりなく接して、本人が辛そうだったら無理せず休むように促してください。死にたいという思いが見られた時は、家族が本人を大切に思っていることを伝えて下さい。
双極性障害の本人は、躁状態よりもうつ状態の方が期間としては長いです。そして本人としても苦しみが深いのです。
うつ状態の本人に対しては、そっと見守っておくのが一番良いです。そばにいてあげるのは良いのですが、干渉しすぎないことが大切です。普段とかわりなく接しながら、本人がつらそうだったら無理せず休むように促してください。
うつ状態のときは本人のペースに任せるのが基本で、「頑張れ」などと励ますことはしてはいけません。頑張ろうと思っても身体が動かなかったり、頭がまわらなかったりします。うつ状態のときは悲観的になっていることが多く、ストレスとなってしまいます。
また、気分転換に買物や旅行に誘うこともありますが、これも必ずしも良いこととは言えません。エネルギーが低下していて身体がついてこないのに、無理をしてしまって強い疲労感に襲われます。今まで当たり前にできていたことができなくなり、ストレスを感じてしまいます。
うつ状態のときは、本人は「死にたい」「消えたい」と口走ることもあります。こんなとき家族はどう応えて良いかわからず、動揺してしまうと思います。そのような時は、「死なないで欲しい。あなたが生きているだけで家族皆がうれしく思っている。みんなあなたのことは大切だと思っている。」ということを伝えてください。
双極性障害の本人は、死にたいという思いを抱えている方も多く、実際に自殺される方も多い病気です。長い苦しみの中で何よりの支えになるのは、家族という大きな絆です。家族は本人にとっての「ゲートキーパー」なのです。