A2 躁状態で本人に病識がない時は入院を検討しましょう。すぐに主治医に相談して下さい。
双極性障害で家族が注意すべきなのは、躁状態です。軽躁状態であれば、指摘されたら何となく本人も調子がよいのを自覚することが多いです。しかしながら躁状態になってしまうと、外からの声が耳に入らなくなります。
この時の家族の苦労は並大抵のものではありません。調子がおかしいと伝えると本人はますますエスカレートします。暴言を吐いたり、時には暴力を振るったりすることさえあります。この状態をほっておくと、お金を浪費してしまったり、昼夜を問わずに友人に電話したりします。社会的に大きな損失を被ってしまいます。
こうした場合は、すぐに入院を検討して下さい。そうはいっても本人は、病院に受診しようとしません。主治医の先生にすぐに相談し、入院施設のある病院を紹介してもらいましょう。精神科の入院制度では、本人の意志とは関係なく、家族と医師の同意で入院(医療保護入院)させることができます。本人や家族への危険が差し迫っている時は、躊躇せずに警察を呼んでください。警察が必要と判断したら精神科病院で医師の診察を受けて、強制入院(措置入院)になることもあります。