・発達障害とは?
発達障害とは、脳の機能に先天的に何らかの不全があるために起きる障害で、年齢相応の発達が見られなかったり、スキルが獲得できてない事で起き、通常は低年齢の発達時期において発症されると言われています。 発達障害の原因は未だ判明していませんが、医学的には脳機能障害とされ、先天的要因と、様々な環境要因が重なり、脳に影響を与え、発症するのではないかと言われています。
発達障害は、先日お伝えしたADHD(注意欠陥多動性障害) を含め、主に下記3つに分類されます。
①広汎性発達障害(PDD)
・アスペルガー症候群 など
②学習障害(LD)
・書字表出障害
・算数障害
・特定不能の学習障害 など
③注意欠陥多動性障害(ADHD)
・多動性
・衝動性優勢型
・混合型 など
発達障害の症状がある方は、その症状の特徴から、周りの方から理解され難いままでいたり、適したサポートを受けられない事があります。そのため、生活のし辛さや精神的なストレスを抱えやすく、それを解決できないままでいることがあります。これにより、本来の症状と併せうつや不安症状などの二次的症状を招く場合があるため、周りの方のサポートなどが大切です。
・発達障害における食事・栄養面での改善
「療育先進国」であるアメリカやヨーロッパでは、治療法として、言語療法や行動療法、オステオパシー、ホメオパシーなど様々なものがありますが、その中には「食育」もそのひとつとされています。食事を「環境要因の一つ」として考え、脳に不足している栄養素を的確に補完し、脳内の神経細胞を賦活させ、神経伝達物質やホルモンバランスを整えながら、整体機能の活性化を図ります。
PRA毛髪分析検査の結果に基づいて、その方に併せた食事指導と100種類近くあるサプリメントから必要な栄養素の摂取をお勧めしています。
・食事指導について
脳は主に神経細胞(ニューロン)とグリア細胞という二種類の細胞で構成されています。その90%を占めるのはグリア細胞ですが、残りの10%である神経細胞が情報処理を支える主役です。この神経細胞間では神経伝達物質によって情報が伝達されます。
神経伝達物質の数は全部で60種類以上に及びますが、代表的な物は、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどのモノアミン系です。
発達障害の症状がある方は、神経伝達物質であるセロトニンが不足しやすく、不安や心配を招きやすい他、ドーパミン受容体が多く存在するために、多動症状や衝動性に関与していると言われています。リラックスや気持ちの抑制に関わるセロトニンやGABA、アセチルコリン、レシチン、DHA、ビタミンなどこれら神経伝達物質や神経細胞の材料となる栄養素を補完します。
腸内環境のバランスが崩れ悪玉菌が優勢になったり、真菌の増殖が進み腸壁に影響を与え、その結果有害物質が腸壁を通って血管に侵入し脳に影響を与えるケースが示唆されます。また、グルテンとカゼインの影響を受ける体質の方が多いため、これらの不耐症の有無を調べる他、必要に応じて真菌の除去を行ったり、適した発酵食品の摂取方法などを奨めます。
精製された糖質の摂取により、血糖値の変動を招き、身体に負担がかかるだけでなく、ホルモンバランスが乱れ、精神面に影響を及ぼします。これにより神経伝達物質のバランスも乱れやすくなるので、それを防ぐために血糖値の上昇が緩やかになる食事を奨めます。
<食事改善一例:小学生(8歳)>
- 朝 :パン・ヨーグルト・ハム→発芽玄米・味噌汁・卵焼き・納豆
- 昼 :学校給食(白米・わかめの味噌汁・鶏肉の照り焼き・ゴボウのきんぴら・牛乳)→そのまま又は状態によって牛乳を控える
- 夜 :白米・唐揚げ(惣菜)・→発芽玄米・味噌汁・豚ヒレ肉の生姜焼き・おから・サラダ 間食:ポテトチップス・チョコ→さつま芋・豆乳など
・生活面における電磁波などの対策
電磁波の影響として、WHO(世界保健機関)の付属組織であるIARC(国際がん研究機関)は2011年に「携帯電話の頻繁な利用によって悪性脳腫瘍が引き起こされるリスクが高まる恐れがある」との見解を示しました。
またIARCとは別に、危惧される病気や症状の一つとして神経系への影響をもたらすとの報告もあるため、電磁波ブロックの対策等もお勧めしています。
・最後に……
ひとり一人の身体の状態は異なります。食事改善がストレスになりすぎないよう、その方の生活や状態に併せたペースで指導を行います。発達障害の症状がある方は、素晴らしい個性や才能をお持ちの方がとても多く見受けられます。個性を伸ばしながら、その人らしさが輝けるよう、脳の神経細胞や神経伝達物質の材料をしっかり摂取し、身体の状態を整えることは大切です。お一人で悩まずに、一度地域にある相談機関にご相談下さい。