目次
・はじめに
パーキンソン病というと、難病だからと、仕事を諦めている周りの人も本人も多いのではないでしょうか。パーキンソン病でも働いている方はいます。ここではパーキンソン病の人の仕事探し、向いている仕事や注意点なども含め説明します。ぜひ、参考にしてみてください。まずはパーキンソン病についてです。
・パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、脳に異常が起きることで体の硬直や震え、転びやすさなど、運動機能に障害が出る病気で、指定難病に該当します。一般的には50代以上の人に発症することが多いとされていますが、40代以下でも発症する場合があり、その場合は若年性パーキンソン病と言われます。パーキンソン病は、症状がゆっくりと進行することが特徴で、以前は10年で寝たきりになるとも言われていました。しかし、効果的な治療方法が確立されたことで、早い段階から治療を開始したり、リハビリテーションを続けることで症状の進行を遅らせ、発症後も長い間、通常の生活ができるようになってきています。
・代表的な症状と経過
パーキンソン病の代表的な症状は以下の通りです。
- 動作の変化(小さくなる・遅くなる)
- 手足が震える
- 転びやすくなる
- 関節が硬くなる
どれも、体の動きに関わる症状で、進行するほど症状箇所が増えたり、重度になったりします。
【パーキンソン病の症状の経過】
| 1度:片側の手足のみに軽い症状が出る 2度:両方の手足に症状が出る 3度:歩行や姿勢の維持に影響が出る 4度:両側の手足に強い症状が出る。介助が必要な場面が増える 5度:立つことができなくなり、車椅子や寝たきりでの生活になる |
また、運動機能の症状だけでなく、抑うつや幻覚といった精神的な症状や、睡眠障害、起立性低血圧、立ちくらみといった症状が出ることもあります。
・現在のパーキンソン病の治療方法
パーキンソン病を完治させるための治療は確立されていないため、薬物療法によって症状の進行を遅らせることが主な治療方法となります。発症初期は、生活への影響がない場合は、服薬をせずに経過観察をすることもありましたが、パーキンソン病は発症から5年以内が服薬治療の効果がよく出るとされているため、早い段階からの服薬治療が推奨されています。一定以上重症化すると、服薬治療の効果が出にくくなるため、外科治療やデバイス治療といった選択肢が取られることがあります。
・仕事に与える影響
〇業務や職種への影響
歩行や手足の震え、動作の変化といった症状が出ることで、接客業などの立ち仕事や肉体労働、運送業といった仕事をすることが難しくなってしまいます。そのため、基本的にはデスクワークの職種を選ぶ必要がありますが、手の震えが出たり、動作が遅くなったりすると、タイピングや文字を書くことなど、業務スピードに影響が出ることも考えられます。抑うつや幻覚といった精神的な症状があった場合は、プレッシャーやストレスがかかるような、接客業や管理職といった仕事ができなくなってしまう可能性があります。
〇通勤への影響
症状が進行すると、歩くときにバランスが取れなくなってしまうため、通勤時に影響が出てしまいます。駅やホームを歩いているときに転んでしまったり、電車の揺れによって倒れてしまったりする可能性があります。また、歩くスピードが遅くなってしまうため、通勤に時間がかかるようにもなります。
・お薦めの職種
パーキンソン病の人は、運動機能に影響が出るため、症状の進行度にもよりますが、基本的にはデスクワークが向いています。
【向いてる職種例】
- 一般事務
- プログラマー・SE
- Webデザイン
- データ入力
- 動画編集
上記のようなデスクワークに該当する職種の中であれば、自由に仕事を選ぶことが可能です。
・働きやすい環境
パーキンソン病の人が快適に働くためには、職場からの理解が必要となります。
デスクワークであれば、業務を行うことはできるものの業務スピードが周りと比べて遅かったり、社内で荷物を運んだりすることができなくなったりすることがありますが、そういったことへの理解がある職場であれば、安心して自分の業務に集中でき、精神的な負担も軽減できます。
パーキンソン病を発症すると、抑うつや睡眠障害など、精神的な症状が出ることも考えられるため、精神的な負担を減らすことも大切です。
また、パーキンソン病の症状は通勤へも影響が出るため、リモートワークができる仕事もおすすめです。通勤の負担がなくなることで、無駄に体力を使う必要がなくなるため、体調も安定しやすくなります。
・パーキンソン病の人は障害者雇用で働けるのか
パーキンソン病は障害ではなく難病に該当する病気のため、パーキンソン病そのものが障害者手帳の取得対象にはなることはありません。
しかしパーキンソン病により、手足の麻痺や硬直など、身体的な症状により日常生活に影響が出ていると判断される場合、症状の程度によっては身体障害と認定され障害者手帳の取得が可能です。
身体障害に認定されるかどうかについては、主治医の判断に基づくため、障害者手帳の取得や障害者雇用での就労を希望する場合は、主治医に相談するようにしてください。
・パーキンソン病の人が向いている転職方法
〇就労移行支援を利用する
就労移行支援は、難病や障害を持った人を対象とした就労支援サービスで、パーキンソン病の人も利用が可能です。就労移行支援では、転職活動のサポートを受けながら、企業での就労に役立つ実践的なスキルを学べます。
【就労移行支援で学べるスキルの例】
- プログラミング
- Excel word
- 軽作業
- CAD設計
- グラフィックデザイン(IllustratorやPhotoshop)
- グループワーク
- ビジネスマナー
学べるスキルは事業所ごとに異なり、自分の興味関心に合わせて学ぶスキルを選べます。
・転職エージェント・ハローワークを利用する
自分に向いてる仕事に転職するためには、転職エージェントやハローワークの利用もお薦めです。
どちらも無料で転職活動全般のサポートを受けられます。転職エージェントとハローワークの違いとしては、掲載されている求人が挙げられます。
ハローワークは、企業側が無料で求人を掲載できるため、転職エージェントと比較すると非常に多くの求人が掲載されているため、転職先の選択肢が広がります。
それに対して、転職エージェントは求人の数は多くはありませんが、エージェント側が精査した求人のみが掲載されているため、質の高い求人が揃っています。
| 料金 | 運営方法 | サポート体制 | 求人の数 | 求人の質 | 拠点 | |
| ハローワーク | 無料 | 税金で運営 | 担当者ごとにばらつきあり | 多い | 玉石混交 | 全国各地 |
| 天職エージェント | 無料 | 企業から紹介料を得て運営 | 専門の転職コンサルタントが 手厚くサポート |
(ハローワークと比べ)少ない | 選ばれた求人のみ掲載 | エージェントによる |
障害者枠で選考を受ける場合、転職エージェントのサポートを受けることで、
- 企業側へどのように伝えると好印象を与えられるかを教えてくれる
- 面接後にキャリアアドバイザーからあなたの良さを企業側にプッシュしてくれる
- 入社決定後、企業側への障害や病気の説明をしてくれる
ハローワークや転職エージェントは、無料で全てのサービスを利用でき、複雑な手続きも不要なため、おすすめの転職方法です。
・最後に……
パーキンソン病になってしまったら、もう仕事はできないと思う必要は、治療方法の発達によりなくなりました。難病を抱えながらでも、自分の無理のない職場、職業を選べば、仕事はできます。
仕事は社会との繋がりや達成感、社会から必要とされているという喜びが得られるものです。前向きな気持ちで生活していくためにも、ぜひ仕事について考えてみてください。