各事業所においては、それぞれの事業所の実情に応じて、次のような措置を実施することが望まれています。
1.障害者が能力や適性が発揮でき、生きがいを持って働けるような職場作り
◎〔障害者雇用対策基本方針〕(平成30年厚生労働省告示第178号)
事業主は、法の規定に基づき、障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供を実施するとともに、関係行政機関や事業主団体の援助と協力の下に、以下の点に配慮しつつ適正な雇用管理を行うことにより、障害者が男女ともにその能力や適性が十分発揮でき、障害のない人とともに生きがいを持って働けるような職場作りを進めるとともに、その職業生活が質的に向上されるよう努めてください。
1 基本的な留意事項
2 障害の種類別の配慮事項
(1)身体障害者
身体障害者については、障害の種類および程度が多岐にわたることを踏まえ、職場環境の改善を中心として以下の事項に配慮してください。
なお、イからハまでに関して、「身体障害者補助犬法」(平成 14 年法律第 49 号)に基づき、常用労働者を 45.5 人(一般事業主の法定雇用率が 2.3%となった際は 43.5人)以上雇用している事業主ならびにその特例子会社及び関係会社は、その事業所に勤務する身体障害者が身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬および聴導犬をいう)を使用することを拒んではならないこととされ、また、その他の事業主についても拒まないよう努めることとされており、同法に基づき適切に対応するようにしてください。
(2)知的障害者
知的障害者については、複雑な作業内容や抽象的・婉曲な表現を理解することが困難な場合があること、言葉により意思表示をすることが困難な場合があること等と同時に、十分な訓練・指導を受けることにより、障害のない人と同様に働くことができることを踏まえ、障害者本人への指導および援助を中心として以下の事項に配慮してください。
イ 作業工程の単純化、単純作業の抽出等による職域開発を行ってください。また、施設・設備の表示を平易なものに改善するとともに、作業設備の操作方法を容易になるようにしてください。
ロ 必要事項の伝達に当たっては、分かりやすい言葉づかいや表現を用いるよう心がけてください。
ハ 日常的な相談の実施により心身の状態を把握するとともに、雇用の継続のためには家族等の生活支援に関わる者の協力が重要であることから、連絡体制を確立するようにしてください。
ニ 重度知的障害者については、生活面での配慮も必要とされることを考慮しつつ、職場への適応や職務の遂行が円滑にできるよう、必要な指導および援助を行う者を配置するようにしてください。
ホ 十分な指導と訓練を重ねることにより、障害のない人と同様に働くことができることを考慮し、知的障害者の職業能力の向上に配慮するようにしてください。また、近年では、製造業のみならず、サービス業や卸売・小売業等、知的障害者が従事する業種が拡大していることを踏まえ、知的障害者の特性や能力に応じた就業が可能となるよう、職域の拡大を図ってください。
(3)精神障害者
(4)その他障害者
発達障害、難病等に起因する障害、高次脳機能障害、若年性認知症、各種依存症等により長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、または職業生活を営むことが著しく困難な者については、個々の障害の状況を十分に把握し、必要に応じて障害に関する職場の同僚等の理解を促進するための措置を講じ、職場内の人間関係の維持や当該障害者に対して必要な援助・指導を行う者の配置、障害状況に応じた職務設計、勤務条件の配慮等を行ってください。
2.障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度
令和元年改正の障害者雇用促進法において、障害者雇用に関する優良な取組を行う中小事業主に対する認定制度が創設されました(令和2年4月1日施行)。
この認定制度は、障害者雇用に対する社会的な関心を喚起し、先進的な取組を進めている中小事業主が社会的メリットを受けることに加え、既に認定を受けた事業主の取組状況の公表を通じて、地域における障害者雇用の身近なロールモデルとして認知され、中小事業主全体で障害者雇用の取組が一層進展することを目的としています。
詳しい制度の内容につきましては「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度」のページをご確認ください。
①障害者雇用優良中小事業主認定マーク(愛称:もにす)が使用できます
障害者雇用優良中小事業主(もにす認定事業主)は、以下の商品等に「障害者雇用優良中小事業主認定マーク」(※)を付することができます。
※愛称は「もにす」。認定マークの報道発表については、2020年7月2日掲載の報道発表資料「障害者雇用の取組が優良な中小事業主の認定マークのデザイン・愛称を決定しました。」をご覧ください。
・商品
・役務の提供の用に供する物
・商品、役務または事業主の広告
・商品または役務の取引に用いる書類、または電磁気的記録
・事業主の営業所、事務所その他の事業場
・インターネットを利用する方法により公衆の閲覧に供する情報
・労働者の募集の用に供する広告または文書
②日本政策金融公庫の低利融資対象となります
認定事業主は、日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金」(※)における低利融資の対象となります。
「働き方改革推進支援資金(国民生活事業)」
「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」のご融資を通じて、非正規雇用の処遇改善に取り組む方や従業員の長時間労働の是正に取り組む方などのお手伝いをさせていただいております。
《利用いただける方》
2.従業員の長時間労働の是正に取り組む方
3.次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局長へ届け出ている方(届出が義務付けられている方を除きます。)
4.女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局長へ届け出ている方(届出が義務付けられている方を除きます。)および同法に基づく認定を受けた方
5.青少年の雇用の促進等に関する法律 に基づく「ユースエール認定企業」の認定を受けた方
7.事業場内最低賃金の引上げに取り組む方(注)
(注)事業場(事業場が複数ある場合、いずれか一つの事業場)における労働者(正社員、有期契約労働者または短時間労働者)の最も低い時間当たりの賃金額を2%以上増額することをいいます。
8.外国人労働者の雇用管理の改善に取り組む方
《資金の使いみち》働き方改革実現計画を実施するために必要とする設備資金および運転資金
《融資限度額》7,200万円(うち運転資金4,800万円)
《返済期間》設備資金 20年以内(うち据置期間2年以内)
運転資金 7年以内(うち据置期間2年以内)
尚、利率、担保・保証人、融資条件、併用できる融資制度等については……「働き方改革推進支援資金(国民生活事業)」を参照し、詳しくは日本政策金融公庫にお問い合わせください。
③厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークによる周知広報の対象となります
認定事業主の情報は、厚生労働省及び都道府県労働局のホームページに掲載され、社会的認知度を高めることができます。
また、ハローワークの求人票に認定マークを表示するなど、積極的に周知広報を行います。また、認定事業主に限定した合同面接会等も企画する場合があります。
詳しくは最寄りの都道府県労働局またはハローワークにお問い合わせください。