就労継続支援B型の報酬算定基準(令和3年度改定)

就労継続支援B型の報酬算定基準(令和3年度改定)

■サービスの概要と対象について

■就労継続支援B型サービス費の考え方

A.  減算規定

■定員超過利用減算

■サービス提供職員欠如減算

■サービス管理責任者欠如減算

■個別支援計画未作成減算

■障害者虐待防止の更なる推進

■身体拘束等の適正化

■身体拘束廃止未実施減算

B.加算規定

■視覚・聴覚言語障害者支援体制加算

■就労移行支援体制加算

■就労移行連携加算【新設

■初期加算

■訪問支援特別加算

■利用者負担上限額管理加算

■食事提供体制加算

■福祉専門職員配置等加算

■ピアサポート実施加算【新設

■欠席時対応加算

■医療連携体制加算

■地域協働加算【新設

■重度者支援体制加算

■目標工賃達成指導員配置加算

■送迎加算

■障害福祉サービスの体験利用支援加算

■在宅時生活支援サービス加算

■社会生活支援特別加算

■福祉・介護職員処遇改善加算

■福祉・介護職員等特定処遇改善加算

 

C.報酬算定構造

■就労継続支援B型サービス費の報酬算定構造

■障害福祉サービス報酬

■報酬算定計算方式

就労継続支援B型の報酬算定基準(令和3年度改定)

■サービスの概要と対象について

就労継続支援B型とは、通常の事業所で雇用が困難な障害者のうち通常の事業所に雇用されていた障害者であってその年齢、心身の状態など他の理由により引き続き雇用されることが困難となった者、また就労移行支援によっても通常の事業所に雇用されるに至らず、雇用されることが困難な者につき、生産活動やその他の活動の機会を提供し、就労に必要な知識や能力の向上のための訓練、その他必要な支援を行うサービスです。

 具体的には…

就労経験がある者で、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者。
50歳に達している者または障害基礎年金1級受給者。
①および②のいずれにも該当しない者であって、就労移行支援事業者などによるアセスメントにより、就労面に係わる課題等のある本事業の利用希望者。
障害者支援施設に入所する者については、指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案の作成の手続きを経た上で、市町村により利用の組合せの必要性が認められた者。

大まかには、対象は、就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識および能力の向上や維持が期待される者となります。

尚、令和3年度改定において就労継続支援B型で冒頭触れておいた方が良いと思われる新たなサービスに組み込まれる基本概念を以下、文頭に〇を付け、記しておきます。

〇感染症や災害への対応力の強化

障害福祉サービスは障害のある方々やその家族の生活に必要不可欠なものであり、感染症や災害が発生した場合であっても、感染対策等を講じながら、利用者に対して必要なサービスが継続的に提供されるよう、これらの発生を見越した日頃からの備えや業務継続のための取組を推進するために、運営基準について必要な見直しを行うとともに、その取組を基本報酬で評価することになります。

① 感染症の発生および蔓延の防止等に関する取組の義務化

・全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施を義務づけられます。そのために3年間の経過措置(準備期間)を設けることとなりました。

② 業務継続に向けた計画等の策定や研修・訓練等の実施の義務化

・ 感染症や災害が発生した場合でも、必要な障害福祉サービスが継続的に提供できる体制を構築する観点から、全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、業務継続に向けた計画等の策定や研修の実施、訓練の実施等を義務づけます。そのために3年間の経過措置(準備期間)を設けることとなりました。

③ 地域と連携した災害対策の推進

・ 非常災害対策が求められる通所系、施設系、居住系サービス事業者を対象に、運営基準において、訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めることを求めることになりました。

④ 新型コロナウイルス感染症への対応に係る特例的な評価

・ 新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となること等を踏まえ、令和3年9月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、通常の基本報酬に0.1%分の上乗せを行います。なお、同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態等を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することになります。

〇障害福祉現場の業務効率化を図るためのICTの活用

・ 障害福祉現場の業務の効率化を図るため、下記の運営基準や報酬算定上必要となる委員会等、身体的接触を伴わない、または必ずしも対面で提供する必要のない支援について、テレビ電話装置等を用いた支援が可能であることを明確化することになりました。

委員会・会議等の例は、以下の通りです。

・「感染症・食中毒の予防のための対策検討委員会」とは、感染症及び食中毒の予防および蔓延の防止のための対策を検討する委員会です。

・「身体拘束等の適正化のための対策検討委員会」とは、身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会です。

・「虐待防止のための対策検討委員会」とは、虐待防止のための対策を検討する委員です。

・「個別支援計画作成等に係る担当者等会議」とは、利用者に対するサービス提供に当たる担当者等で行われる個別支援計画等の作成に係る会議です。

■就労継続支援B型サービス費の考え方

B型サービス費とは、就労や生産活動の機会を提供し、それに伴う知識、能力の維持・向上を図るサービスの報酬のことをいいます。

就労支援体制の違いによって3つの算定方法が定められています。

 ① 職業指導員・生活支援員の総数が常勤換算方法で7.5:1以上の場合⇒就労継続支援B型(Ⅰ)

 ② 職業指導員・生活支援員の総数が常勤換算方法で10:1以上の場合⇒就労継続支援B型(Ⅱ)

   ※「平均工賃月額」に応じた報酬体系における基本報酬および基本報酬の区分の見直しをおこないます。高工賃を実現する事業所について、基本報酬において更に評価し、更に現行の7段階の基本報酬の区分について、実績下位3区分に8割近くの事業所が分布していること等を踏まえ、よりきめ細かく実績を反映するため、各区分に係る実績の範囲を見直し、8段階の区分となりました。

 ③ 「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系【新設

(就労継続支援B型サービス費7.5:1以上の場合(Ⅲ)、10:1以上の場合(Ⅳ))

尚、工賃の水準が向上するために必要な支援を行うという観点から、平均工賃月額と利用定員数に応じた基本報酬が以下のように設定されています。

〇就労継続支援B型(Ⅰ)  職業指導員・生活支援員の総数が常勤換算方法で7.5:1以上の場合

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〇就労継続支援B型(Ⅱ) 職業指導員・生活支援員の総数が常勤換算方法で10:1以上の場合

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〇就労継続支援B型(Ⅲ)新設  職業指導員・生活支援員の総数が常勤換算方法で7.5:1以上の場合

※「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する新設報酬体系

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〇就労継続支援B型(Ⅳ)新設 職業指導員・生活支援員の総数が常勤換算方法で10:1以上の場合

※「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する新設報酬体系

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〇基準該当就労継続支援B型サービス費は今回の改定ではありません。

新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となること等を踏まえ、令和3年9月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、通常の基本報酬に0.1%分の上乗せを行います。なお、同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態等を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することになっています。

※ 由って令和3年9月30日までの間は、基本報酬について、所定単位数の1,001/1,000に相当する単位数を算定します。

A.減算規定

■定員超過利用減算

 先ず、基となる算定される単位数は、所定単位数の100分の70となっています。が、これから説明する所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数であり、各種加算を含めた単位数の100分の70となるものではないことに注意する必要があります。

利用定員を上回る利用者を利用させている定員超過利用について、報酬告示(平成18年厚労省「第550号告示」)、厚生労働大臣が定める利用者数の基準、並びに従業者数の基準の所定単位数に乗じる割合の規定にもとづき介護給付費等の減額をおこなうものとしています。これは適正なサービス提供を確保するための制度であり、指定障害福祉サービス事業所(就労継続支援B型事業所も含む)は、この範囲を超える過剰な定員超過を未然に防止を努めさせるものです。

《1日当たり利用実績による定員超過利用減額の取り扱い》

 ① 利用定員50人以下の就労継続支援B型事業所等の場合

  1日の利用者の数が、利用定員に100分の150を乗じて得た数を越える場合に、当該1日について利用者全員につき減額を行うものとなります。

 ② 利用定員51人以上の就労継続支援B型事業所等の場合

  1日の利用者数が利用定員から50を差し引いた数に100分の125を乗じて得た数に、75を加えて得た数を越える場合に、当該1日について利用者全員につき減額を行うものとなります。

《過去3ヶ月間の利用実績による定員超過利用減額の取り扱い》

 直近の過去3カ月間の利用者の延べ数が、利用定員に開所日数を乗じて得た数に100分の125を乗じて得た数を超える場合に、その1月間について利用者全員につき減算を行うものとなります。  

例:利用定員30人、1月の開所日数が22日の施設の場合

    30人×22日=1,980人

    1,980人×1.25=2,475人(受入れ可能述べ利用者数)

    ※3カ月間の総述べ利用者数が2,475人を超える場合に減算となる。

 但し、定員(多機能型事業所においては、複数のサービスの利用定員の合計)が11人以下の場合は、過去3カ月間の利用者の述べ数が、利用定員にを加えて得た数に開所日数を乗じて得た数を超える場合に減額を行うものとなります。

■サービス提供職員欠如減算

 指定就労継続支援B型事業所等に置くべき職業指導員もしくは生活指導員の指定基準として定められている人員基準を満たしていない場合、1割を超えて欠如した場合にはその翌月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を、1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を以下の通りの利用者全員について欠如減算が適用となります。(但し、常勤または専従の場合、翌月の末日において人員基準を満たしている場合は適用されません。)

 ① 減算が適用される月から3月未満(2月目)の月については、所定単位数の100分の70となります。

 ② 減額が適用される月から連続して3月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。

※ここに記した所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とします。各種加算を含めた単位数の合計数に減算するものではないことに注意して下さい。

■サービス管理責任者欠如減算

 指定就労継続支援B型事業所に置くべきサービス管理責任者の指定基準として定められている人員基準を満たしていない場合、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの期間を、以下の通りの利用者全員について欠如減算が適用となります。(但し、常勤または専従の場合、翌月の末日において人員基準を満たしている場合は適用されません。)

 ① 減算が適用される月から5月未満(4月目)の月については、所定単位数の100分の70となります。

 ② 減額が適用される月から連続して5月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。

 ※ここに記した所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とします。各種加算を含めた単位数の合計数に減算するものではないことに注意して下さい。

■個別支援計画未作成減算

 個別支援計画未作成減算は、指定障害福祉サービス基準または指定障害者支援施設基準にもとづき、個別支援計画(就労継続支援B型計画)の作成が適切に行われていない場合、介護給付費等を減額するというものです。これは適正なサービス提供を確保するためのものです。

 具体的な取り扱いは、次のいずれかに該当する月からこのような状態が解消されるに至った月の前月まで、次のいずれかに該当する利用者につき減算することになります。

 イ)サービス管理責任者による指揮の下、個別支援計画が作成されていないこと。

 ロ)指定障害福祉サービス基準または指定障害者支援施設基準に規定する個別支援計画に係わる一連の業務が適切に行われていないこと。

 算定される単位数は、以下の通りです。

 ① 減算が適用される月から3月未満の月(2月目)については、所定単位数の100分の70となります。

 ② 減算が適用される月から連続して3月以上の月については、所定単位数の100分の50となります。

■障害者虐待防止の更なる推進

・ 障害者虐待防止の更なる推進のため、運営基準に以下の内容を盛り込みます。その際、施設・事業所が対応するためには一定の時間を要すると見込まれるため、まずは令和3年度から努力義務とした後、1年間の準備期間を設け、令和4年度から義務化します。また、小規模な事業所においても過剰な負担と

ならず、効果的な取組を行うことができるよう、具体的な方法等を示しました。

虐待防止委員会(※)の設置等の義務化をします。

従業者への研修の実施の義務化をします

虐待の防止等のための責任者の設置の義務化をします

(※)虐待防止委員会に求められる役割は、虐待の未然防止、虐待事案発生時の検証や再発防止策の検討

【現 行】

① 従業者への研修実施(努力義務)

② 虐待の防止等のための責任者の設置(努力義務)

【見直し後】※令和4年度から義務化

① 従業者への研修実施(義務化

虐待防止のための対策を検討する委員会として虐待防止委員会を設置するとともに、委員会での検討結果を従業者に周知徹底(義務化)

③ 虐待の防止等のための責任者の設置(義務化

■身体拘束等の適正化

身体拘束当の適正化は次に記す身体拘束廃止未実施減算と深くかかわる項目なので、ここに記すことにします。

① 身体拘束等の適正化の更なる推進のため、運営基準において施設・事業所が取り組むべき事項を追加するとともに、減算要件の追加を行うものとします。その際、施設・事業所が対応を行うためには一定の時間を要すると見込まれるため、以下のような措置をおこないます。

・ まずは令和3年度から1年間の努力義務の準備期間を設けた後、令和4年度から義務化します。

・ 減算の要件追加については令和5年4月から適用することとする。なお、虐待防止の取組で身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化に取り組んでいるものと扱います。

② 訪問系サービスについても、知的障害者や精神障害者も含め対象としており、身体拘束が行われることも想定されるため、運営基準に「身体拘束等の禁止」の規定を設けるとともに、「身体拘束廃止未実施減算(令和5年4月から適用)」を創設します。

今回追加する運営基準について、

・ 現在、その他のサービスにおいて義務となっている「やむを得ず身体拘束等を行う場合の記録」については、令和3年4月から義務化となっています。

・ その他のサービスにおいて今回改正で追加する事項については、令和3年度から1年間の努力義務の準備期間を設けた後、令和4年度から義務化することになります。なお、虐待防止の取組で身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化に取り組んでいるものと扱います。

【現 行】

身体拘束等を行う場合には、その態様および時間、その際の利用者の心身の状況、並びに緊急の止むを得ない理由、その他必要な事項を記録することになっていました。

【見直し後】一部新設

① 身体拘束等を行う場合には、その態様および時間、その際の利用者の心身の状況、並びに緊急の止むを得ない理由、その他必要な事項を記録すること。

② 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。(令和3年度は努力義務、令和4年度から義務化)

③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。(令和3年度は努力義務、令和4年度から義務化)

④ 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。(令和3年度は努力義務、令和4年度から義務化)

■身体拘束廃止未実施減算

 次の基準のいずれかを満たしていない場合に、基本報酬を減算する。

① 身体拘束等を行う場合には、その態様および時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること

② 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること(令和5年4月から適用

③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること(令和5年4月から適用

④ 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること(令和5年4月から適用

 身体拘束廃止未実施減算とは、施設において身体拘束が行われていた場合ではなく、指定障害福祉サービス基準または指定障害者支援施設基準の規定にもとづき求められている記録が行われていない場合に、入所者全員について所定単位から減算することになります。

 具体的には、記録を行っていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月の翌月か3月後に改善計画にもとづく改善状況を都道府県知事に報告することになっています。

 事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、入所者全員について所定単位数から減算することになります。

算定される単位数は、一日につき単位を所定単位数から減算となります。

 いずれにしても、身体拘束等の廃止を強化するための措置です。

以上の「A.減算規定」には、付帯事項として以下のことがあるので注意するようにして下さい。

※都道府県知事には、以上の減算規定を尊守するよう指導の義務が明記されており、特別な事情がある場合を除いて、上記の指導に従わない場合には、指定の取り消しも検討されるとあります。

B.加算規定

■視覚・聴覚言語障害者支援体制加算

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算とは、視覚・聴覚・言語機能に重度の障害がある利用者が一定以上あって、意思疎通に関し専門性を有する職員が一定数以上配置されている場合の加算措置です。以下に告示文章の文言の解説をしながら注意点を記しておきます。

1.「視覚または聴覚、若しくは言語機能に重度の障害があるもの」とは、具体的には以下の条件を満たしている人を対象とします。

 イ)視覚障害者

   身体障害者福祉法15条第4項の規定によって交付を受けた身体障害者手帳の障害の程度が1級または2級に該当し、日常生活におけるコミュニケーションや移動などに支障があると認められる視覚障害を有する者。

 ロ)聴覚障害者

   身体障害者手帳の障害の程度が2級に該当し、日常生活におけるコミュニケーションに支障があると認められる聴覚障害を有する者。

 ハ)言語機能障害者

   身体障害者手帳の障害の程度が2級に該当し、日常生活におけるコミュニケーションに支障があると認められる言語機能障害を有する者。

 

2.「重度の視覚障害、聴覚障害、言語機能障害または知的障害のうち2以上の障害を有する利用者」については、利用者1人で2人分の視覚障害者として、算定要件である全利用者数の100分の30が視覚障害者に該当するか否かを計算することになっています。但し、この場合の「知的障害」は「重度」である必要はありません。

  また、多機能型事業所については、実施される複数の障害福祉サービスの利用者全体のうち、視覚障害者などの数が利用者の数に100分の30を乗じて得た数以上であり、従業者の加配が多機能型事業所等の利用者の合計数を50で除して得た数以上なされていれば満たされるものであるとしています。

3.「視覚障害者等との意思疎通に関し専門性を有する者として専ら視覚障害者等の生活支援に従事する従業者」とは、具体的には以下の条件に該当する者のことを言います。

視覚障害に対して、点字の指導、点訳、歩行支援を行うことができる者
聴覚障害または言語機能障害に対して、手話通訳を行うことができる者。

以上のことを踏まえ、指定生活介護等を行った場合に、一日につき所定単位41を追加することができます。

■就労移行支援体制加算

新改定】「平均工賃月額」に応じた報酬体系においては、障害者本人の希望と能力、適性に応じて一般就労への移行を促進していく観点から、就労移行支援体制加算を充実させます。また、加算の充実については、実績による基本報酬の各区分に応じたものとします。

就労移行支援体制加算(Ⅰ)(7.5:1)

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就労移行支援体制加算(Ⅱ)(10:1)

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※就労移行支援体制加算(Ⅰ)または就労移行支援体制加算(Ⅱ)について、就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している就労継続支援B型事業所であって、前年度において、就労継続支援B型等を受けた後就労し、6月以上就労継続している者が1名以上いる場合、平均工賃月額に応じた所定単位数にその前年度実績の人数を乗じた単位数を加算します。

就労移行支援体制加算(Ⅲ)(7.5:1)

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就労移行支援体制加算(Ⅳ)(10:1)

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※就労移行支援体制加算(Ⅲ)または就労移行支援体制加算(Ⅳ)について、就労継続支援B型サービス費(Ⅲ)または(Ⅳ)を算定している就労継続支援B型事業所であって、前年度において、就労継続支援B型等を受けた後就労し、6月以上就労継続している者が1名以上いる場合、所定単位数にその前年度実績の人数を乗じた単位数を加算します。

※就労移行支援体制加算は、前年度実績には就労継続支援A型事業所への移行は除きます。

■就労移行連携加算【新設

就労継続支援から就労移行支援への移行について、新たに一定の評価をする加算(就労移行連携加算)を創設します。

就労継続支援B型を受けた後に就労移行支援の支給決定を受けた者がいる場合において、当該者に対して、当該支給決定に係る申請の日までに、就労移行支援事業者との連絡調整その他の相談援助を行い、当該申請をするに当たり、就労継続支援B型における支援の状況等の情報を文書により相談支援事業者に対して提供している場合に、1回に限り、所定単位数1,000単位を加算することとなります。

■初期加算

 初期加算は、就労継続支援B型を行った場合、利用開始日から起算して30日以内の期間について、一日につき所定単位数30単位を加算することをいいます。注意しなければならない点を以下に記しておきます。

1.サービス利用の初期段階における手間を考慮し、サービス利用開始から30日の間を加算するものです。この「30日の間」とは暦日で30日間をいうものであり、加算の算定対象となるのは、30日間のうち、利用者が実際に利用した日数となります。

 尚、初期加算の算定期間が終了した後、同一の敷地内の他の指定障害福祉サービス事業所へ転所する場合にあっては、この加算の対象とはなりません。

 

2.初期加算は、利用者が過去3月間に、指定障害者支援施設に入所したことがない場合に限り算定できることになっています。

 尚、指定障害者支援施設など併設または空床利用の短期入所を利用していた者が日を空けることなく、引き続き指定障害者支援施設に入所した場合については、初期加算は入所直前の短期入所の利用日数を30日から差し引いて得た日数に限り算定することができます。

 

3.30日を超える病院または診療所への入院後に再度利用した場合には、初期加算が算定できます。

 但し、指定生活介護事業所など同一敷地内に併設する病院または診療所へ入院した場合は適用外となります。

 

4.旧法施設支援における「入所時特別支援加算」が算定されていた特定旧法受給者については、「入所時特別支援加算」が初期加算と同趣旨の加算であることから、初期加算の対象とはなりません。

 尚、特定旧法指定施設において、旧法施設支援における「入所時特別支援加算」を算定する者が利用している場合のことであって、「入所時特別支援加算」の算定期間中に指定障害者支援施設へ転換した場合は、30日間から「入所時特別支援加算」を算定した日数を差し引いた残りの日数について、初期加算を算定できることになっています。

 以上4点の注意事項に留意して初期加算を行って下さい。

■訪問支援特別加算

 就労継続支援B型事業所等において継続してサービス等を利用する利用者が、連続して5日間利用がなかった場合において、あらかじめその利用者の同意を得て、居宅を訪問し就労継続支援B型に係わる相談援助を行った場合に、ひと月に2回を限度とし、1回の訪問に要した時間に応じ算定するものです。

 尚、ここで言う「5日間」とは、利用者の利用予定日にかかわらず、開所日数で5日間を言うものであることに注意してください。

 訪問支援特別加算の訪問に要した時間別の加算の単位は以下の通りです。 

    ① 所要時間1時間未満の場合 187単位

 ② 所要時間1時間以上の場合 280単位

 また、所要時間とは、実際に要した時間によって算定するのではなく、就労継続支援B型計画等に基づいて行うに要する時間であることに注意して下さい。

■利用者負担上限額管理加算

就労継続支援B型事業所が利用者負担額合計額の管理を行った場合に、1月につき所定単位数(150単位/月)を加算するものです。

尚、負担額が負担上限額を実際に越えているか否かは算定の条件とはなりません。

■食事提供体制加算

 収入が一定額以下の利用者に対して、就労継続支援B型事業所に従事する調理員による食事提供、または調理業務を第三者に委託し、就労継続支援B型事業所の責任において食事提供体制を整え提供を行った場合、別に厚生労働大臣が定める日までの間、一日につき所定単位(30単位/日)を加算するものです。

 第三者に委託について、施設外で調理されたものを提供する場合(クックチル、クックフリーズもしくは真空調理により調理を行う過程において急速に冷却もしくは冷凍したものを再加熱して提供するもの、またはクックサーブにより提供するものに限る)、運搬手段等について衛生上適切な処置がなされているものについては、施設外で調理し搬入する方法が認められます。

しかしながら、出前の方法や市販のお弁当を購入して、利用者に提供するような方法は、加算の対象とはなりません。

また、利用者が施設入所支援を利用している日については、補足給付が日単位で支給されることから、この加算は算定することは出来ません。

※令和2年度末までの経過措置とされていた食事提供体制加算について、栄養面など障害児者の特性に応じた配慮や食育的な観点など別の評価軸で評価することも考えられるかという点も含め、他制度とのバランス、在宅で生活する障害者との公平性等の観点も踏まえ、更に検討を深める必要があることから、今回の報酬改定においては、経過措置を延長します。

■福祉専門職員配置等加算

 良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応じて加算ができます。以下、必要とされる三つの条件を記しておきます。

 

① 職業指導員の常勤で配置されている従業員のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、作業療法士または公認心理師の資格保有者が、従業者の割合の100分の35以上雇用されている就労継続支援A型事業所は一日につき所定単位数(15単位/日)を加算します。

 尚、「常勤で配置されている従業員」とは、正規または非正規雇用に係わらず、各事業所において定められる常勤の事業者が勤務すべき時間数に達している従業者のことを指します。(以下の②③においても同様です)

 

② 職業指導員の常勤で配置されている従業員うち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、作業療法士または公認心理師の資格保有者が、従業者の割合の100分の25以上雇用されている就労継続支援A型事業所は一日につき所定単位数(10単位/日)を加算します。

 

※令和3年の報酬基準の改定で、福祉専門職員配置等加算では赤字で記した作業療法士が追加されました。

 

③ 職業指導員等のうち、常勤で配置されている従業員が100分の75以上、または勤続3年以上従事している常勤職員が100分の30以上雇用されている就労継続支援A型事業所は一日につき所定単位数(6単位/日)を加算します。

 上記にある「3年以上従事」とは、加算の申請を行う前月の末日時点における勤続年数とし、勤続年数の算定に当たっては、事業所における勤続年数に加え同一法人の経営する他の障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律に定める障害福祉サービス事業を行う事業所や施設、病院において職員として勤務した年数を含めることができます。

また、当該勤続年数の算定については、非常勤で勤務していた期間も含めます。

尚、重要なことですが、①または②を算定している場合は、③の加算はできませんので注意して下さい。

■ピアサポート実施加算【新設

就労を続ける上での不安の解消、生産活動の実施に向けた意欲の向上などへの支援を充実させるため、ピアサポートによる支援を実施する事業所を評価します。

「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系において、各利用者に対し、一定の支援体制(※)のもと、就労や生産活動等への参加等に係るピアサポートを実施した場合に、当該支援を受けた利用者の数に応じ、各月単位で所定単位数(100単位/月)を加算します。

※ 地域生活支援事業として行われる「障害者ピアサポート研修(基礎研修および専門研修)」を修了した障害者(障害者であったと都道府県、指定都市または中核市が認める者を含む)と管理者等を配置し、これらの者により各事業所の従業員に対し、障害者に対する配慮等に関する研修が年1回以上行われていることとします。

* 令和6年3月31日までの間は、都道府県、指定都市又は中核市が上記研修に準ずると認める研修でも可とするなどの経過措置を設けます。

ピアサポートとは…ピア(peer)とは、同じような立場や境遇、経験等を共にする人たちを表す言葉です。ピアの語源は、等しい・似たという意味をもつラテン語(par)に由来し、日本語としては、「仲間」や「同輩」などと訳されます。複数の関係性において、何かしらの共通項をもち、対等性のある関係性を総称した言葉です。ピアという言葉自体は、障害や疾患のことに限らず、人と人とがさまざまな共通項として生まれる関係性でもあります。

ピアサポート(peer support)とは、こうした同じような共通項と対等性をもつ人同士(ピア)の支え合いを表す言葉です。ピアサポートという言葉自体は、幅広い領域で使用され、多様な形として存在するものでもあることから、領域によってさまざまな定義がされています。幅広いピアサポートの中でも、特に、障害や疾病などに関する経験・共通項を通じたピア同士のつながり方やサポート関係に焦点を当て、障害領域における「ピアサポート」とは、「障害のある人生に直面し、同じ立場や課題を経験してきたことを活かして仲間として支えることをいいます。

社会福祉法人豊芯会の「ピアサポートの活用を促進するための事業者向けガイドライン」が参考になります。

■欠席時対応加算

 就労継続支援B型事業所における利用者が、利用を予定していた日に、急病等によりその利用を中止した場合において、B型従業者が利用者または家族との連絡調整その他の相談援助を行うとともに、当該利用者の状況、相談援助の内容等を記録した場合に、1月につき4回を限度として、所定単位数(94単位/回)を算定します。

 注意事項は以下の通りです。 

    ① 加算の算定に当たっては、急病などによりその利用を中止した日の前々日、前日または当日に中止連絡があった場合について算定が可能となります。

 ② 「利用者または家族との連絡調整その他の相談援助を行う」とは、電話等により当該利用者の確認をし、引き続き当該指定生活介護等の利用を促すなどの相談援助を行い、その相談援助の内容を記録することにあり、直接の面接や自宅への訪問などは要しません。

■医療連携体制加算

医療連携体制加算については、医療機関等との連携により、当該医療機関等から看護職員を訪問させ、利用者に看護を提供した場合や認定特定行為業務従事者に対し喀痰吸引等に係る指導を行った場合に算定できるものであるが、障害者に真に必要な医療や看護を検討して適切に提供しているとは言い難い事例が散見されていることから、算定要件や報酬単価について、必要な見直しがおこなわれました。

① 医療・看護について、医療的ケアを要するなどの看護職員の手間の違いに応じて評価を行います。

② 医師からの指示は、原則、日頃から利用者を診察している主治医から個別に受けるものとすることを明確化します。

③ 福祉型短期入所について、特に高度な医療的ケアを長時間必要とする場合の評価を設けます。

④ 共同生活援助における看護護師の確保に係る医療連携体制加算について、看護師1人につき算定できる利用者数の上限20名まで)を設けます。

医療連携体制加算(Ⅰ) 32単位/日(非医ケア、1時間未満)

   医療的ケアを必要としない利用者に対する看護であって、看護の提供時間が1時間未満である場合

医療連携体制加算(Ⅱ) 63単位/日(非医ケア、1時間以上2時間未満)

   医療的ケアを必要としない利用者に対する看護であって、看護の提供時間が1時間以上2時間未満である場合

医療連携体制加算(Ⅲ) 125単位/日(非医ケア、2時間以上)

   医療的ケアを必要としない利用者に対する看護であって、看護の提供時間が2時間以上である場合

医療連携体制加算(Ⅳ)(4時間未満)

   医療的ケアを必要とする利用者に対する看護である場合

(1) 800単位/日(医ケア1人)

(2) 500単位/日(医ケア2人)

(3) 400単位/日(医ケア3~8人)

医療連携体制加算Ⅲ 医療機関との連携により、看護職員を就労継続支援B型事業所へ訪問をさせ、看護職員が認定特定行為業務従事者(介護職員など)に喀痰吸引に係わる指導を行った場合に、看護職員一人に対し、一日につき所定単位数(500単位/日)を加算します。

医療連携体制加算Ⅳ 喀痰吸引が必要な利用者に対して、認定特定行為業務従事者(介護職員など)が、喀痰吸引を行った場合に、一日につき所定単位数(100単位/日)を加算します。

注意事項は以下の通りです。

イ)就労継続支援B型事業所は、あらかじめ医療連携体制加算に係わる業務について医療機関と委託契約を締結し、障害者に対する看護の提供または認定特定行為業務従事者に対する喀痰吸引に係わる指導に必要な費用は医療機関に支払うことになります。このサービスは就労継続支援B型事業所として行うものであるので連携する医療機関の医師から看護の提供または喀痰吸引に係わる指導等に関する指示を受けることになります。

ロ)就労継続支援B型事業所は、対象となる障害者に必要な情報を保護者、主治医を通じ、あらかじめ入手し本人の同意を得て連携する医療機関に提供するよう努めなくてはなりません。

ハ)看護職員の派遣については、同一法人内の他の施設に勤務する看護職員に依頼も可能ですが、他の事業所の配置基準を尊守した上で、医師の指示を受けてサービスの提供を行うことになります。

ニ)看護の提供または喀痰吸引に係わる指導上必要となる衛生材料、医薬品の費用は就労継続支援B型事業所が負担することになります。なお、医薬品が医療保険の算定対象となる場合は、適正な診療医療報酬を請求するようにして下さい。

■地域協働加算【新設

「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系において、各利用者に対して、地域住民その他の関係者と協働して支援(生産活動収入があるものに限る。)を行うとともに、その活動の内容についてインターネットの利用その他の方法により公表した場合に、当該支援を受けた利用者の数に応じ、1日につき所定単位数(30単位/日)を加算します。

■重度者支援体制加算

就労継続支援B型を行った日の属する前年度において、障害基礎年金1級(国民年金法に基づく障害基礎年金1級)を受給する利用者が、一定数以上ある場合に、利用者定員に応じ一日につき所定単位数を加算するものです。

詳しい単位数は以下の表を参照して下さい。

区分

利用定員

報酬単価

要件

重度者支援体制加算(Ⅰ)

20人以下

56単位/日

前年度の障害基礎年金1級受給者数が、当該年度の利用者数の50%以上の場合

21人以上40人以下

50単位/日

41人以上60人以下

47単位/日

61人以上80人以下

46単位/日

81人以上

45単位/日

重度者支援体制加算

(Ⅱ)

20人以下

28単位/日

前年度の障害基礎年金1級受給者数が、当該年度の利用者数の25%以上50%未満の場合

21人以上40人以下

25単位/日

41人以上60人以下

24単位/日

61人以上80人以下

23単位/日

81人以上

22単位/日

■目標工賃達成指導員配置加算

目標工賃達成指導員(各都道府県において作成される「工賃向上計画」に基づき、自らも「工賃向上計画」を作成し、その計画に揚げた工賃目標の達成に向けて積極的に取り組むための指導員)を常勤換算法で一人以上配置し、手厚い人員体制(職業指導員および生活指導員の総数が常勤換算法で7.5:1以上[就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)を算定するものを指す]であり、かつ、目標工賃達成指導員、職業指導員および生活指導員の総数が常勤換算法で6:1以上)で目標工賃の達成に向けた取り組みを行った場合に、利用定員に応じて一日につき所定単位数を加算するものです。

詳しい単位数は以下の表を参照して下さい。

利用定員

報酬単位

20人以下

89単位/日

21人以上40人以下

80単位/日

41人以上60人以下

75単位/日

61人以上80人以下

74単位/日

81人以上

72単位/日

■送迎加算

利用者に対して、その居宅と就労継続支援B型事業所または障害者支援施設との間の送迎を行った場合に、片道につき所定単位数を以下の表の通り加算します。

区分

加算単位数

要件

送迎加算(Ⅰ)

21単位/回

一回の送迎につき平均10人以上が利用し、かつ、週3回以上の送迎を実施している場合

※利用定員が20人未満の事業所にあっては、平均的に定員の50/100以上が利用している場合

送迎加算(Ⅱ)

10単位/回

①一回の送迎につき平均10人以下が利用している(利用定員が20人未満の事業所にあっては、平均的に定員の50/100以上が利用している)または②週3回以上の送迎を実施している場合

※尚、同一敷地内の他の事業所との間の送迎を行った場合は、所定単位数の100分の70を算定する。但し、ここで言う所定単位数とは、加算がなされる前の単位数とし、加算を含めた単位数の合計ではないことに注意して下さい。

■障害福祉サービスの体験利用支援加算

就労継続支援A型の利用者が、障害福祉サービスの体験的利用支援を受ける場合、従業者が次の①または②の支援を行い、利用者の状況や支援内容を記録した場合に、15日以内に限り所定単位数に変えて算定するものです。 

    ① 体験的な利用支援の利用の日において昼間の時間帯における訓練等の支援を行った場合

 ② 障害福祉サービスの体験的な利用支援に係わる指定一般相談支援事業者との連絡調整、その他の相談援助を行った場合

 A.障害福祉サービスの体験利用支援加算(Ⅰ)

   体験利用を開始した日から起算して5日以内の期間について算定は、500単位/日。

 B.障害福祉サービスの体験利用支援加算(Ⅱ)

体験利用を開始した日から起算して6日以上15日以内の期間について算定は、250単位/日。

 ※厚生労働大臣の定める施設基準(地域生活支援拠点など)の場合には、更に1日につき所定単位数(50単位/日)を加算する。

■在宅時生活支援サービス加算

在宅時生活支援サービス加算とは、通所利用が困難で在宅による支援がやむを得ないと市町村が判断した在宅利用者に対し、就労継続支援B型事業所が費用を負担することで、在宅利用者の居宅に従事者を派遣し、在宅利用者の生活に関する支援を提供した場合に1日につき所定単数(300単位/日)を加算します。

また居宅介護や重度訪問介護を利用していて、就労継続支援B型を在宅で利用する際に、支援を受けなければ在宅利用が困難な場合も加算する要件となります。

■社会生活支援特別加算

 心神喪失の状態で重大な他害行為を行った者で、医療観察法に基づく通院医療の利用者または刑務所出所者に対して、就労継続支援B型計画に基づいた地域で活動するために必要な相談援助や個別支援などを行った場合に、支援を開始した日から起算して3年以内の期間において、1日につき所定単位数(480単位/日)を加算します。

 詳しい対象や施設要件、支援内容については以下の通りです。

【対象者の要件】医療観察法に基づく通院決定または退院許可決定を受けてから3年を経過していない者、または矯正施設もしくは更生保護施設を退所の後、3年を経過していない者が、保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整により、指定自立訓練(機能訓練)事業所(就労継続支援B型事業所も含む)を利用することになった者となります。

【施設要件】加算要件となる人員配置については、あらかじめ指定基準上配置すべき従業者に加えて一定数の配置を求めるものではなく、加算対象者の受入れ時点において適切な支援を行うために必要な数の人員を確保することが可能であるとともに、有資格者による指導体制が整えられ、有資格者を中心とした連携体制により対象者に対して適切な支援を行うことが可能であることが必要となります。尚、支援体制については、協議会の場などで関係機関の協力体制も含めて協議しておくことが望まれます。

従業者の研修は原則として事業所従業者全員を対象に行うこととなっています。研修は、加算対象者の特性の理解、通常有する課題とその支援内容、障害者の支援(医療機関・矯正施設など)に実際たずさわっている者を講師とする事業所内研修、支援実績のある事業所の視察、関係団体が行う研修会の受講などが考えられます。

 

【支援内容】加算対象となる事業所は以下の支援を行うものとなります。

① 本人や関係者からの聞き取りや経過記録、行動観察などによるアセスメントに基づき、犯罪行為に至った要因を理解し、再び犯罪行為に及ばないための生活環境の調整と必要な専門的支援が組み込まれた、自立訓練(機能訓練)計画(ここでは就労継続支援B型計画書を指す)の作成

② 指定医療機関や保護観察所などの関係者との調整会議の開催

③ 日常生活や人間関係に関する助言

④ 医療観察法に基づく通院決定を受けた者に対する通院の支援

⑤ 日中生活の場における緊急時の対応

⑥ その他必要な支援

■福祉・介護職員処遇改善加算

 福祉・介護職員の賃金改善について、一定の基準に適合する取組みを実施している場合、以下の表に説明した加算率で1月につき算定することになります。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 4b3097434e7d7ae79f60785c8cd556eb.pngキャリアパス要件ならびに職場環境等要件の概略は以下の通りです。

キャリアパス要件(Ⅰ):職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること。

キャリアパス要件(Ⅱ):資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること。

キャリアパス要件(Ⅲ):経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇格を判定する仕組みを設けること。

職場環境等要件:賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施すること。

※加算を取得した事業所においては、加算額に相当する福祉・介護職員の賃金改善を行う必要があります。

※所定単位は、基本報酬及び各加算(福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特 定処遇改善加算を除く)を算定した単位数の合計とします。尚、福祉・介護職員処遇改善特別加算との併給は不可となります。

《注意事項》

なお、福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)および(Ⅴ)は、令和2年度限りで廃止(ただし、令和3年3月31日時点で当該加算を算定している事業所については、1年間に限り算定が可能)。

  ・福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)

   要件 キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、職場環境等要件のいずれかを満たすこと

   加算率 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ)を用いる

  ・福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅴ)

   要件 キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)、職場環境等要件のいずれも満たさないこと

   加算率 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ)を用いる

  また、福祉・介護職員処遇改善特別加算についても、令和2年度限りで廃止(ただし、令和3年3月31日時点で当該加算を算定している事業所については、1年間に限り算定が可能)。

  ・福祉・介護職員処遇改善特別加算

   福祉・介護職員を中心として処遇改善が図られている(「キャリアパス要件」及び「職場環境等要件」は問わない)ものとして就労移行支援を行った場合に、これまでに算定した単位数の1000分の9に相当する単位数を所定単数に加算します。所定単位は、基本報酬および各加算(福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を除く)を算定した単位数の合計とします。ただし、前項の福祉・介護職員処遇改善加算を算定している場合にあっては、算定できません。

■福祉・介護職員等特定処遇改善加算

 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)までのいずれかを取得している事業所が、職場環境等要件に関し、複数の取り組みを行っているとともに、その取り組みがホームページへの掲載等を通じ、見える形で紹介されていれば、以下の表にある区分に従い次の単位数を1月につき加算します。但し、表にある一方の加算を算定している場合にあっては、他方の加算は算定できません。

区分

加算率

備考

福祉・介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)

所定単位数の1.7

(指定障害者支援施設にあっては、1.8%)

 

福祉・介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ)

所定単位数の1.5%

(指定障害者支援施設にあっては、1.8%)

福祉専門職員配置等加算を算定していない事業所

なお、表にある一方の加算を算定している場合にあっては、他方の加算は算定できません。

※所定単位は、基本報酬及び各加算(福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員処遇改善特別加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を除く)を算定した単位数の合計とします。

C.報酬算定構造

■就労継続支援B型サービス費の報酬算定構造

 障害福祉サービス費等の報酬算定構造(平成30年度見直し個所含む)の「就労継続支援B型サービス費」32-34頁をご覧下さい。

■障害福祉サービス報酬

障害福祉サービスの報酬の全体像

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 6f35c6f03455532b66266ade253c306b.png

 

①利用者は、市町村(区)に障害支援区分の申請(介護給付の場合)、支給申請を行います。

②市町村は、障害の程度により区分を認定し、支給決定をします。

③④利用者とサービス事業者で契約を締結します。事業者はサービスを提供し、利用者は所得に応じた費用を事業者に支払います。

⑤事業者は、市町村に対して介護給付費等の請求を行います。※

⑥市町村は、事業者に介護給付費当の支払いをします。※

※請求実務では、国民健康保険団体連合会(国保連)に請求し、国保連から支払われます

■報酬算定計算方式

報酬算定時の計算方法は以下のようになります。

【1】単位数 × 10円 × 事業所が所在する地域区分に応じた割合

・下記【2】、【3】のサービス種別 以外

【2】単位数 × 8.5円 × 事業所が所在する地域区分に応じた割合

・基準該当居宅介護

・基準該当重度訪問介護

・基準該当行動援護

・基準該当同行援護

【3】単位数 × 10円

・療養介護

※計算して得た額に1円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てて算定する。

 

 







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