Q9 ある運動障がいを持っています。就職や転職のアドバイスはありますか?

A.4  上肢・下肢・体幹・運動障がいの方が企業を選択する上でもっとも重要なのが通勤面のことです。希望通りの勤務地であったとしても通勤時間や手段、最寄りの駅から職場までの道のりによって長く働くことができなくなってしまうこともあります。事前に確認しておきたいポイントを以下に記しておきました。
① 職場の設備や勤務地周辺の施設は、長期的に勤務する重要なポイントです。事前に確認して下さい。
・公共の交通機関を利用した通勤が難しい場合、自動車通勤が可能かどうかは大切な要件となります。勤務地、近隣に駐車場があっても「不可」としている企業もあるので、事前に問い合わせしてみて下さい。
・平時とラッシュ時では混雑状況、時刻表が全く違います。毎日の乗り換えだけで身体に負担がかかることが予想されます。最寄りの駅から勤務地のある駅までの乗車時間、乗り換えの回数を確認しておいて下さい。
・上肢障がいの方はパソコンで入力する際の各種入力支援ソフトなど、支援機器があるかどうか事前に確認してみて下さい。企業によっては現時点では支援機器がなくても、入社時に導入してくれる場合もあります。
② 企業によっては社員をサポートする様々な制度が用意されています。
  長く働くためにもどのような制度があるのか確認しておいて下さい。
・出勤時間の調整ができるかどうかは、長く働く上で重要な要件だといえます。ラッシュ時を避けることで身体への負担を減らすことができます。制度化されていなくても企業によっては相談にのってくれます。
・通院などが必要な場合、「一日の勤務時間」を調整できる制度を設けている企業もあります。また、週単位や月単位での調整を行う企業もあるので、定期的な通院がある場合など、勤務時間の調整はしてもらえるか事前に確認して下さい。
③ 仕事を滞りなく進めるためには、周囲のサポートや工夫が必要となる場合があります。
  業務内容を確認しながら自分にとってできないことがないかどうか考えてみましょう。
・自分がどの程度の重さまでなら持つことができるのか自覚し、重たい荷物、大きな荷物を運ぶ機会がある仕事かどうか確認して下さい。業務上必要な場合は周囲のサポートが不可欠となります。
・「ボイスレコーダー」等の使用は許可されているか? 普段の業務では問題がなくても、会議中などで素早くメモを取るのが困難な場合もあります。そんな時は、会議の内容を録音しても良いか確認して下さい。秘密保持の理由から、会議中の録音が禁止される場合もあります。
ワンポイント・アドバイス
就職活動で大切なのが、採用担当者に自分の障がい内容を的確に伝えることです。採用担当者がイメージしやすいように「何ができるか」「何ができないか」を具体的に伝えて下さい。
・持ち運びの可能な重さ 具体的に仕事で使う荷物を例にあげる(例:書類、ノートパソコン)
・移動の際に杖などの器具を利用するか 常に器具を利用するかどうか
・移動距離の限界を伝える 「○○mくらいの移動、○○分くらいの連続歩行は問題ない」など






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