Q5 他に摂食障害と言われるものはありますか?

A5 むちゃ食い障害、選択的摂食障害、身体醜形障害などがあげられます。

むちゃ食い障害

 過食症と似ていますが最大の違いは、自己誘発性嘔吐や下痢・絶食・過度の運動といった「代償行為」を行わないということです。そのためどうしてもカロリー過多になってしまいます。

 アメリカの精神医学会では「特定不能の摂取障害」として「むちゃ食い障害」を認定しています。理想の体型に憧れる反面、食べてはいけないとわかっていながら、どうしても食べてしまう。そのため肥満になることが恐ろしく、肉体的にも精神的にも大きなストレスを抱えてしまいます。またそのストレスから食べるという悪循環に陥ってしまいます。

 むちゃ食い障害になると、糖尿病や高血圧など大病にかかるリスクが高まり、精神的ストレスからうつ病やひきこもり状態になることもあり、ひどい場合は自殺に至る可能性もあります。

選択的摂食障害

 幼児体験から食に対する価値観が極度に偏ってしまう「選択的摂食障害」は、日本においてそれほど認知されていません。ただの偏食や好き嫌いを超えて、限られた食品だけを何十年も食べ続けてしまう病気です。

 選択的摂食障害は拒食症の一種と考えられます。「あるメーカーのインスタント食品しか食べない」、または「決まった調理法でしか食べられない」など、特定の食品以外食べることができなくなる精神疾患をいいますそのほとんどが幼少時代に発症するため、ただの「好き嫌い」と勘違いされることが少なくありません。「これを食べたら病気になってしまうのではないか」という恐怖や不安がつきまとう人もいます。日本ではあまり知られていないことから、理解されにくいのが現状です。患者の男女比は、男性が女性の4倍も多いことから「男の摂食障害」と呼ばれています。

 幼児期に好き嫌いが多くみられるのはよくあることであって、成長過程の中で偏食がなくなっていくものです。しかしながら選択的摂食障害は、好き嫌いが激しい程度というものではなく、特定のブランドや決まった店の食品しか食べることができません。特定の食品以外のものを食べることを考えただけで、恐怖や不安に襲われ、ひどい場合は発作を起こすこともあります。

 選択的摂食障害の支援団体の調査結果によると、患者は食品の中でも高脂肪・高炭水化物の食品を選ぶ傾向が強いと報告されています。

身体醜形障害

 身体醜形障害は直接摂食障害という訳ではありませんが、とても深い関係があるのでここで取り上げました。つまり身体醜形障害は、一日何時間も肉体的なコンプレックスについて考えてしまい、鏡に映る自分の容姿に嫌悪感を持ってしまう精神疾患のことをいいます。「BDD(Body Dysmorphic Disorder)」とも呼ばれ、日本では1990年後半から増加傾向にある病気です。拒食症や過食症などの「強迫性障害」との関連が深く、自己否定感の強い方や完璧主義の方、自己不信に陥りやすい方がかかりやすいと言われています。うつ病や引きこもりを併発する可能性が高く、統合失調症の前ぶれとしてあらわれる場合もあります。患者が抱える肉体的コンプレックスは、本人の思い込みや妄想であることが多いのも特徴です。他人からみると、些細なことで思い悩んでいるように見え、理解を得られないことも多いです。独りで悩まずに専門のクリニックなどに相談して下さい。







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