Q2 拒食症について教えて下さい。

A2 拒食症とはストレスやダイエットがきっかけで「食べられなくなる」病気です。

 正しくは「神経性食欲不振症」という病気で、無理な食事制限や絶食を繰り返した結果、自分の意思とは関係なくカラダが食べ物を受けつけなくなることです。

 主に10代から20代の女性、150人に1人が拒食症に悩まされています。痩せている方が美しいといわれる文化、常に街中でみかける看板や女性誌には、ダイエットという言葉が欠かさず目につきます。それを求めすぎた結果、自分が痩せすぎていることに気づかず、うつ病になり、免疫力が一気に下がることによる感染症を引き起こすケースが後を絶ちません。

 拒食症の判断基準としては、体重kg÷(身長m)²で求められるBMI指数で肥満度・重症度を判断します。BMIが17kg/㎡を下回ると軽度、15kg/㎡を下回ると最重度の拒食症で、最悪の場合になると入院の可能性も出てきます。体重の急激な減少が一つのサインになります。身近にいる人が気づき、指定の医療機関に連れて行くことをお薦めします。尚、参考までに適正体重の計算方法は、(身長m)²×22です。

拒食症の症状

過剰な食事制限・偏食

 例えば「一日の摂取カロリーは800カロリーまで」など、食事の量を極端に減らし、特定の野菜だけ、コンニャク・ゼリーだけ、といったような偏った食べ方を続けるなど、極端な食事制限(ダイエット)を続けます。強迫観念のように、お米一粒のカロリーまで気になり、カロリー計算をしないと食べ物を口に入れることができなくなるケースも多くみられます。そのような状態がどんどんエスカレートしていくと、やがて食べたくても食べられないといった状態に陥ります。

過食

 ほとんどの拒食症は過食症の前段階だともいわれています。極端な食事制限やダイエットを続けると、当然ながら強度な栄養失調を引き起こすため、ある一定の時期になると反動で過食症に転じます。一旦過食症に転じると、過食状態をコントロールできないため、太ることを恐れて嘔吐を始めるケースが多いようです。一部には拒食症が継続するタイプもありますが、極端な低体重が原因で深刻な健康被害に陥るケースも少なくありません。

急に活動的になる

 拒食症タイプには、自分が痩せていくことに強い喜びを感じ、明らかに体調不良があっても妙に元気だったり、スポーツジムに通ったりなどアクティブな生活を求める傾向があります。

反社会的行為、感情表現の低下

 強いストレスや太ることへの恐怖心から逃れたい一心で、万引きやその場限りの異性交遊といった反社会的な行動をとることがあります。また強い栄養失調で脳の機能低下を引き起こし、感情表現することができなくなり、表情も能面のようになります。特定の物事に、異常に固執する傾向もあります。

拒食症の症状

低体重

 摂食障害の原因の低体重は「ちょっと痩せている」というレベルではなく、周囲の人がみても明らかにやせ細っているのが大きな特徴です。低体重だと診断される基準は、標準体重の18.5%以下となっています。

 

 摂食障害の低体重で引き起こる症状は、「疲れやすい」「月経がこない」「筋力低下」などです。体内に栄養素がなくなり筋力がなくなってしまうと、必然的に免疫力も低下します。その結果、便秘やウツといった合併症を招いてしまう危険もあるので注意する必要があります。

低体温

 摂食障害では35度を下回る低体温がよくみられる傾向としてあります。体温が下がってしまう原因の一つとしてみられているのが栄養不足からくる「甲状腺ホルモンの減少」です。甲状腺ホルモンはカラダにある全細胞に働きかけ、体温を調節する役割を担う大切な成分です。栄養不足で甲状腺ホルモンが補充されないと必然的に体温が下がってしまいます。

 

 体温が下がると眩暈や貧血を引き起こすケースもあるので、「最近クラクラすることが多くなった」「爪先がずっと冷えている」と感じた時点で、専門的知識のある医師に相談するようにして下さい。

味覚異常

 摂食障害で拒食症や過食症になると嘔吐を繰り返すため、カラダの中にある栄養素やミネラルが不足します。亜鉛が不足すると味を感じる味蕾(みらい)という細胞が新しくできなくなるため、味覚異常になるケースがあります。味覚異常が起きるとご飯を食べない拒食に拍車がかかり、より低体重になる恐れがあるので注意が必要です。

むくみ

 摂食障害でよくみられる特徴的なものが「むくみ」です。通常の「むくみ」はカラダの組織の中に水がたまった状態のことを指しますが、摂食障害でよくみられる「むくみ」はたんぱく質の減少によるものがほとんどです。拒食症で体重が著しく減少すると、肝臓の機能が低下し「むくみ」の原因になります。

 普段の生活でなる「むくみ」は水分を排出する利尿剤の服用で改善できますが、摂食障害では、カラダの麻痺や自律神経失調症などを招いてしまう「低カリウム血症※」につながる恐れがあります。

※「低カリウム血症」……カリウムは細胞・神経・筋肉を正常に機能させるために必要な電解質(ミネラル)です。血液中のカリウム濃度がなんらかの原因により低下した状態を指します。症状としては、筋肉(脱力感、筋力低下、痙攣)や消化管(腹痛、吐き気、嘔吐、便秘)、腎臓関連(多尿、多飲)の症状が現れることが多い。重症化すると、周期性四肢麻痺、呼吸障害、不整脈、腸閉塞など起こしやすい。

思考力の低下

 必要な栄養素を摂らないと脳の栄養も不足してしまい、思考力の低下につながり正常な判断がしにくくなります。なかには頭の回転が疎くなってしまい、ぼんやりしたり、考え方が偏りがちになったりします。人の意見に耳を傾けなくなる人もあるようです。

生理不順・無月経

 摂食障害は栄養失調が続くため、ホルモンバランスが乱れてしまいます。そのため女性だと生理不順や無月経、男性なら肥満や糖尿病になることが多くみられます。また女性の無月経が続くと子宮や卵巣が委縮し、月経再開が難しくなるので、さらに治療を受けなくてはならなくなります。また将来の不妊症の原因につながる恐れもあるので、しっかりとした治療を受けた上で摂食障害を克服していって下さい。

 拒食症になりやすい傾向の人は、おしなべて「自己評価の低い人」という調査結果が報告されています。周りからの評価に依存しやすい女性は要注意です。自分に自信を持っておらず、何かしら不安を抱えているという点でも共通しているようです。その結果、他人の顔色や視線を気にして良い子になろうという傾向があるようです。

 周囲の人はどんな風に接したらいいでしょうか。「痩せすぎだよ!」や「ちゃんとご飯食べなきゃダメだよ」はNGです。拒食症は過食症より治療が難しいと言われています。そもそも本人が「このままでいたい、もっと痩せたい」と思っているので、治療を拒絶してしまうことが多いからです。周りから見て危ないと思っても、本人にはその自覚がないことの方が多いです。そのため、心配する声も本人にはなかなか届きません。仮に本人に治したいという意思があったとしても、心配する声が却ってプレッシャーとなってしまい、症状を悪化させてしまうことにつながりかねません。誘食や体重より、体調に気をかけてあげることです。つまり食べることや治療を促すのではなく、「体調が悪そうだから病院に行こう」とやんわりと促すことを奨めます。







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