A5 長いつき合いになるので焦る必要はありません。少しずつつき合い方を見つけていくつもりで、以下のことを参考にして下さい。
① 治療は継続的に受診すること
双極性障害の人には、薬の服用を始めてからしばらくして、「もう治ったから治療も薬もいらない」といって通院を止めてしまうケースがよく見受けられます。双極性障害はつき合っていく病気ですので、薬もつき合っていく必要があります。再発予防効果を期待する薬は続けていく必要があります。双極性障害の人が、問題を感じていなくても通院は定期的に続けていくことが大切です。客観的に状態を医師に診てもらうことだけでなく、こまめに自分の日常を振り返ることも大切です。
② 規則正しい生活をする
双極性障害の人は、生活リズムの乱れや社会生活での変化が気分の波につながってしまうことがあります。ですから、規則正しい生活・社会リズムが非常に大切です。まずは5つの時刻を意識して揃えてみて下さい。
- 起床した時刻
- 人と初めて接触した時刻
- 仕事・学校・家事・ボランティアなどを始めた時刻
- 夕食をとった時刻
- 就寝した時刻
③ ストレスとのつき合い方を知る
双極性障害の症状の変化には、対人関係のストレスが原因になることが少なくありません。社会で生きる人にとって、一番のストレスを感じるのはやはり「人」です。そうならないためにはストレスとのつき合い方を知ることが欠かせません。そのために、人との関わりの大きさを量で見ていくのも方法です。人間関係のストレスを量として捉えて、どれくらいならば自分の調子が保てるのかがわかってきます。その中で人との適切な関わりが得られるようにしていきます。「重要な人とはお互いに良い感じになっておいて、その他の人たちはほどほどで付き合えればよい」というゴールをもって対人関係を築いていきましょう。
④ 病状の移り変わりの状態をしっかり掴んでおく
双極性障害と上手く付き合うには、躁とうつの波の乗りこなし方を練習していく必要があります。そのためには、「躁やうつになったきっかけ」をよく理解して、上手く乗りこなせる方法を見つけていくことです。
- 躁やうつのきっかけとなった可能性のある事柄
- 躁やうつの症状のサイン
- 躁やうつ状態から抜け出すのに効果があったのは何か
などを書きだしておきましょう。
⑤ 社会生活に少しずつ近づけていく
双極性障害の病状が安定すれば社会生活に少しずつ近づけていくことができます。確かに社会生活をしていくとさまざまなストレスが出てきます。しかしながら、少しずつ社会生活を取り戻していくことも大切です。双極性障害の患者さんは、病気のせいで社会的な不利益をこうむってしまう方も多いです。福祉や医療のサポートを受けながら、少しずつ社会生活を取り戻していくことが本当の意味での「病気と付き合っていく」道だと言えます。