声が聞こえてくる
「周りに誰もいないのに人の声が聞こえてくる」と聞くと、どんなふうに感じるでしょうか?「そんな不思議なことはあるはずがない」と考えるでしょうか?それとも、「以前そんな経験があった、今でも時々そういうことがある」と思うでしょうか?
「周りに誰もいないのに人の声が聞こえてくる」には、あまり心配の必要がないこともありますし、早めに相談をしたほうがよい場合もあります。
いろいろな聞こえ方
「周りに誰もいないのに人の声が聞こえてくる」という場合に、いろいろな聞こえ方があります。チェックすべきポイントは以下の通りです。
幻聴の特徴
・通常の音声ではない
・聞こえるときが限定的であったり、常時であったり
・聞こえ方 さまざまな聞こえ方があります。
A. 普通の音と同じように、外から自分の耳に聞こえてくる場合
B. 普通の音とは違う聞こえ方をするでしょうか?たとえば、頭の中に直接響いてきたり、自分の体の中から聞こえてきたり、遠いところから聞こえる感じの場合
C. 自分が考えていることが声になって聞こえてくると感じる場合。
・声の内容
聞こえてくる声の内容も様々です。
A. 自分がとても心配したり気にしたりしていること
B. これまでに経験したことがある内容
C. 自分のことを悪く言ったり、命令をしてきたりする内容
D. よく聞き取れないけれど意味はわかるというような聞こえ方
・気持ちの変動
声が聞こえてきても平静な気持ちでいられるでしょうか?
不安だったり、怖い気持ちになったり、動揺してしまうことがありますか?
・行動が声に影響される
幻聴の背景にある病気
幻聴を引き起こす原因として、いくつかの精神科の病気が考えられます。代表的なものを3つ挙げます。
- 統合失調症
統合失調症の幻聴は、不安で恐ろしい気分、周囲の世界が変わってしまって切迫したような感覚と共に聞こえてくることが多い。10代後半から、20代に始まることが多い病気です。
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)
心が非常に傷つくような出来事を経験した後に、その経験がよみがえるようにして幻聴が聞こえてきます。短い言葉のことが多いようです。しかし、昔のことがよみがえるという感覚は必ずしもありません。
- 薬物
アルコール・大麻・覚せい剤・シンナーなどいろいろな薬物によって、使用している最中、あるいはしばらくたった後に、幻聴が聞こえてくることがあります。