Q20 障がい者が働くために、これさえあればというものは何でしょうか?

A.20 それは大きく言って二つ、「社会力」と「自己管理力」です。
人とうまくやっていくことのできる「社会力」と自分の体調や感情をコントロールする「自己管理力」が長く働くためにも必要となります。働くのに必要な力というと、どうしても技術とか資格が頭に思い浮かぶとは思いますが、やはり人と接するということが働く上で絶えず求められます。ですから「社会力」と「自己管理力」がどうしても必要となります。これによって、信用や信頼、自信をつけることにつながっていきます。「社会力」とは実際どのようなものを指すかと言うと、あいさつ、ルールやマナー、報告・連絡・相談(俗にホウ・レン・ソウ)といった組織内のルーティーン、仕事の契約・段取り・引き継ぎ・お礼・時には謝罪など関係する人たちと交わさねばならぬコミュニケーション能力などがあります。どれも人間関係において信頼や信用を構築するものであると同時に、仕事とはそれを土台にして成り立っている社会活動なのです。
①「自己管理力」とは、生活リズムの管理、ストレスの管理、症状・特性に対する自覚、性格に対する理解などがあげられます。これらをコントロールできるようになれば自ずと自信につながります。周囲の人に必要な配慮はしてもらいながら、無理なく、出来る範囲での自己管理による日々の積み重ねは、経験として自己評価を上げていくと同時に、目標や希望が持てるようになるはずです。
②「社会力」とは、教育学者の門脇厚司氏が提唱した言葉です。門脇氏の説く「社会力」とは、当初こどもの教育に必要なこととして取り上げられたのですが、その後、こどもに限ることはなく人が人とつながり「社会をつくる力」だと言います。「社会をつくる力」とは、社会の中で生きる一人として積極的に社会の運営に関わる意志と能力があるということであり、そのような意志や能力を発揮して社会の現状を維持することに力を尽くすことだけでなく、他の人と協力しながらよりよい社会、よりましな社会をつくることに貢献する能力のことだと言っています。
また門脇氏がこの「社会力」によって、あるべき社会像として「互恵的協働社会」というノーマライゼーションに非常に近い考えをイメージしていることは、とても興味深いことです。互恵的協働社会を以下のように説明しています。
「性別とか人種とか宗教とか、あるいは能力の有るなしや、成績の良し悪しで他の人を差別するとか、軽蔑するといったことはしないなど、誰もが誰をもイヤな思いをさせるようなことはせず、自分ができることは他の人のためになるならやってあげるし、自分ができないことは他の人に頼んでやってもらう、というようなことを普段から当たり前のようにできるし、また、誰にとっても必要だと思うことがあれば、皆で力を合わせてやるような社会」をこれからの社会像として期待しています。




事業所無料登録募集

無料登録イメージ
▶アカウント登録済の方はログインください




事業所有料登録募集
月々1,100円!

予約システムがつかえます!

有料登録イメージ
▶アカウント登録済の方はログインください