Q19 合理的配慮は法的に効力を持っているのでしょうか?

A.19 合理的配慮は、障害者差別解消法に明記された取り組みで、教育、医療、公共交通、行政活動など幅広い分野を対象とする法律です。行政機関には率先して取り組みをする主体として義務を一律に科しています。一方、民間事業者に対しては、努力義務を課した上で、対応指針によって自主的な取り組みを促すようにしています。
しかしながら、民間事業者が合理的配慮の義務違反をした場合、行政機関に苦情を申し立てることができます。但し、行政機関に苦情を申し立てたからと言って、直ちに罰則を科すことはありません。同一の民間事業者が障害者に対し権利利益の侵害にあたる差別を行い、自主的な改善が期待されない場合は、この民間事業者の事業担当大臣が、民間事業者に助言・指導・勧告、報告を求めることになります。この求めに応じ虚偽報告をしたり、報告を怠ったりするような場合は、罰則(20万円以下の過料)の対象となります。
合理的配慮は、障害者雇用促進法にも明記されている取り組みでもあります。これからの時代、差別のない社会の実現のためにも合理的配慮はとても大切となるものとなるでしょう。しかし、現在この取り組みを明記した法律は、国の行政機関や地方公共団体、民間事業者を対象としており、健常者が個人的関係で障害者と接する場合や、個人の思想や言論といったものを対象とはしていません。この取り組みや考えが広く理解されることが、今後、重要となることは間違いありません。
「障害による差別」とは、障害を理由とした万人に対する、政治権、経済権、社会権、文化権、市民権の全分野にわたる、人権と基本的自由のあらゆる区別、排除、制限を、さらに障害のある人に対する合理的配慮の欠如を意味する。
 「合理的配慮」とは障害のある人が他の人同様の人権と基本的自由を享受できるように、物事の本質を変えてしまったり、多大な負担を強いたりしない限りにおいて、配慮や調整を行うことである。
最後に合理的配慮(reasonable accommodation)の定義を改めて確認しておきます。障害者権利条約*の第二条の定義には、以下のような文言が記されています。
障害者権利条約とは、あらゆる障害者の尊厳と権利を保障するための条約です。日本では「障害者に関する権利のための条約」と日本政府によって翻訳されています。この条約は21世紀では初の国際人権法にもとづく人権条約であり、2006年12月13日に第61回国連総会において採択されました。日本政府の署名は2007年9月28日。2013年12月4日、日本の参議院本会議において「障害者基本法」や「障害者差別解消法」の成立にともない、国内の法律が条約の求める水準に達したとして、条約の批准を承認。日本国の批准は2014年1月20日付けで国際連合事務局に承認されています。




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