双極性障害(躁うつ病)

双極性障害(躁うつ病)[総論]

 双極性障害とは、躁状態または軽躁状態とうつ状態とを反復する精神疾患で、気分障害のひとつです。「躁うつ病」と呼称される場合もあります。躁状態では問題行動を起こしやすく、うつ状態では長期休職など社会生活に支障をきたすことがあります。何より自殺率の高い病気であることには注意を払わなければなりません。発症年齢は双極Ⅰ型障害が平均18歳、双極Ⅱ型障害は20歳半ばとされています。有病率は1%程度、頻度に性差はありません。

 原因は明らかになってはいませんが、うつ病と比較して遺伝的要素の影響が大きいと言われています。遺伝的背景に加えて、性格や、過労、心理的葛藤、身体疾患、社会的要因などのストレスが加わって発症するとされています。

双極性障害では、気分が高揚する、怒りっぽくなる、開放的になる、気力や活動性が増加するなどの症状が1日の大半でみられます。このような状態を躁状態(躁病エピソード)と言います。躁状態(躁病エピソード)と同様の症状が短期間かつ社会生活に支障を来さない程度に出現する状態を軽躁状態(軽躁エピソード)と言います。

また、1週間以上持続する躁状態(躁病エピソード)または軽躁状態(軽躁病エピソード)と、抑うつ的な気分になり興味関心の低下が出現する抑うつ状態との反復がみられます。

双極性障害の検査方法は、現在のところ確立されていません(2018年4月時点)。診断基準は、アメリカ精神医学会の「DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き」で以下のように定められています。

双極Ⅰ型障害
1回以上の躁病エピソードがあるもの

双極Ⅱ型障害
少なくとも1回の抑うつエピソードと少なくとも1回以上の軽躁エピソードがあるもの

双極性障害は再発率が高く、慢性の経過をたどることが多い病気です。そのため、医師は全体の経過を把握して、その時点の病相にとらわれず治療計画を立てること、本人は病気について理解することが重要です。 薬物療法としては、気分安定薬の使用が中心となります。その他、本来は統合失調症の治療に用いる一部の非定型抗精神病薬も、双極性障害への有効性が認められています。


Q&A(クリックすると、記事内容が見れます)

Q1 双極性障害になる原因どのようなものがあるのでしょうか?

Q2 双極性障害で躁状態の時、家族としてはどのように接したらいいでしょうか?

Q3 一方、双極性障害のうつ状態の時、家族としてはどのように接したらいいでしょうか?

Q4 双極性障害は治る病気なのでしょうか?

Q5 双極性障害と上手くつき合っていくには、どのようなことに注意したらいいでしょうか?

Q6 双極性障害の治療法について教えて下さい。

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