Q5 私は難聴ですが、就労したいと思っています。日常生活の工夫から職場での配慮してもらいたいことを想像しろと言われても、なかなか想像できません。どんな配慮が考えられますか?

A.4 確かに一度就職経験がないと、難しいかもしれません。
 日常生活で難聴のある方が気をつけ、工夫できることを列記すると、大きく言って3つのことがあげられるように思われます。
① 自律神経を安定させるため、ストレスを減らし生活リズムを整える。
② 理解やサポートを得るために、《聞こえ》の状態を周りの人に伝える。
③ 会話の中で、聞き取れなかった箇所があれば、遠慮せずに聞き直す。
 以上のようなことから、《聞こえ》の状態によるストレスをなくすための「合理的配慮」を職場の人たちと確認しておくことが重要です。具体的に考えられるのは以下の通りです。
① 騒がしいところでの会話や電話の応対が難しいことを伝えておきましょう。
② 会議の内容など、要約して文章にしてもらうことも頼んでおきましょう。
③ なるべく雑音の少ない席に座らせてもらえるように頼んでおきましょう。
④ 要約筆記者を派遣してもらう場合は、会議前に専門用語は書き出しておき、事前によく打ち合わせをしておきま
  しょう。
⑤ 重要なことは口頭で済まさず、メモやメールなどで文字に残すようにお願いしましょう。
⑥ 会議など聞き取りが困難なことが予想される場合には、事前に休息を取って体調を整えることが必要であること
  を伝えておきましょう。
⑦ 難聴であることを同僚が自分を知らない他の社員にも配慮してもらえるよう頼んでおきましょう。
 「合理的配慮」の語源は、Reasonable Accommodation(リーズナブル・アコモデーション)です。Accommodationという言葉には、「調整・便宜」という意味合いが込められています。障害のある方と周りの人々が、「お互いにとって」過ごしやすい環境を作るにはどうすれば良いか? という発想を持って話し合い、合意形成を得た配慮のことを言います。
 尚、「合理的配慮」を否定するものは、障がいに基づく「差別」であると定義(「障害者権利条約」第2条)されています。
 その歴史は、「障がいのある人に必要な配慮をできるのにやらないことは、差別である」と規定した「障害者権利条約」が2006年に国連総会で採択され、日本は2007年にその条約に署名し、2013年に国内の「障害者差別解消法」を制定・「障害者雇用促進法」の改正し、2014年に「障害者権利条約」を日本が推准し、2016年に国内で「障害者差別解消法」を施行しました。
 この12年間のうちに多くの事柄が法制化されてきていることに気づきます。




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