内部障害について

内部障害

 内部障害とは、体の内部が様々な疾患によって機能の一部または全部が失われているために、日常生活や社会生活に支障をきたしている状態をいいます。

原因となる主な疾患の種類と特徴

 内部障害となる疾患には主に以下の7種類があります。
1  呼吸器の疾患
 呼吸にかかわる臓器に問題が起こると、呼吸や嚥(えん)下(げ)(食べ物を口の中で噛み、飲み込みやすい大きさに変えて口から喉、食道、胃へ飲み送り込むこと)がうまくできなくなります。気管や気管支に起こるおもな病気としては、慢性気管支炎や気管支ぜんそく、また肺では肺炎や肺気腫などが主な疾患です。
 呼吸のしにくさが長期間続くと、最悪の場合、死に至ることもあります。また嚥下に問題がある場合、食べ物や飲み物が誤って気道に入ったり(誤(ご)嚥(えん))、胃の内容物が逆流したりして肺炎になることもあります。これらの問題を回避するために人工呼吸器を使用したり、呼吸器疾患が長期間続く場合は、気管を切開して直接肺に酸素や空気を送る外科的処置が行われたりします。

人工呼吸器 人工呼吸器は、肺への空気の出入りを補助するために用いる機械です。通常は、合成樹脂製のチューブを鼻または口から気管に挿入します。人工呼吸器を使用している人は食べることができないため、栄養補給を行う際は通常、胃の中へ入れたチューブを介して液体栄養補助食品を注入します(経管栄養)。また人工呼吸器は口や鼻から長いチューブを気管内に入れたままにしているため、ちょっと体を動かしただけで間違って抜けてしまい、危険な状態になることがあります。ずっと動かないように寝たきりにされている状態はとても苦痛ですし、筋力も落ちてくるなど、かなりの不自由さと制約が伴います。

気管切開 次に、肺に空気を送り、痰を吸引しやすくするために気管に孔を開けることを気管切開といいます。気管切開をする理由として、長期間の人工呼吸器管理が必要な場合やのどの病気で呼吸がしにくい場合、嚥下障害のため誤嚥することが多く、気管内の吸引を必要とする場合があります。こどもで気管切開をするのは、生まれつきの病気がほとんどで、脳性麻痺や遺伝子の病気、生まれた時の体重が1kgにも満たないこどもの場合、人工呼吸器管理となるため気管切開が必要です。また、のどや首に生まれつきの腫瘍があり空気の通り道が狭い場合にも気管切開が必要です。一方、大人が気管切開をするのは、脳梗塞や脳出血、交通事故、肺炎などで長期間の人工呼吸器管理が必要な場合などです。また喉頭癌や咽頭癌などの、のどの腫瘍やのどの風邪をこじらせて腫れてしまった場合は、空気の通り道が狭くなるため、気管切開が必要です。呼吸の筋肉が衰える病気、例えばALS(筋萎縮性側索硬化症=ALSとは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気)などでも気管切開をすることがあります。
 気管切開は目的により一時的なものと永久的なものに分かれます。永久的気管切開は気管粘膜を完全に皮膚と縫い合わせてしまうので、自然閉鎖をせず永久に声が出なくなってしまいます。一方、一時的気管切開は条件が整えば閉鎖することが可能で声も出せるようになります。

2 心臓の疾患
 心臓障害の原因となる疾患には主に、心不全、冠動脈疾患(虚血性心疾患ともいう)、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、先天性心疾患などがあります。

心不全 日本循環器学会では、「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義しています。心臓の一番大事な役割は、全身に血液を送るポンプ機能です。心臓のポンプ機能が低下し、全身に血液をうまく送れず、足のむくみや息切れ、疲れやすいなどの症状が出現する状態を心不全といいます。

冠動脈疾患 冠動脈疾患は、冠動脈の血流が悪くなる狭心症と、血流が途絶える心筋梗塞に分かれます。冠動脈とは、心臓の筋肉を栄養する血管です。血液の流れが障害される理由として、動脈硬化と攣縮(血管の痙攣)があります。心筋梗塞は、発症時に突然の強い胸痛があります。心筋が壊(え)死(し)(これを梗塞といいます)し、心臓のポンプ機能が低下します。現在では、発症早期に治療をすれば梗塞の範囲を小さくすることができますので、発症したらすぐに緊急受診することが極めて重要です。一方狭心症は、血流が悪いながらも、血液が流れていますので、心臓の筋肉は壊死していません。しかし、運動などで心臓に負担がかかると、心臓の筋肉に一時的に十分な血液が供給されなくなり、患者さんは胸の症状(圧迫感や絞(こう)扼(やく)〔締め付けられる〕感)を自覚します。これが狭心症の発作です。

心臓弁膜症 心臓の弁は、加齢や病気などが原因で、すり減ったり傷ついたりなどして働きがわるくなることがあります。弁がうまく開かなくなると、血液の通り道が狭くなる「狭(きょう)窄(さく)」が起こり、弁がきちんと閉じなくなれば血液が逆戻りしてしまう「逆流」が起こります。これが、心臓弁膜症という病気です。狭窄や逆流は、それがたとえわずかであっても心臓に大きな負担を与えます。正常な心臓は、ポンプとして1分間に約5ℓの血液を全身に送り出し、また、1日に約10万回も収縮しています。そのため、不具合が積み重なることで心臓の負担がどんどん大きくなっていきます。心臓弁膜症の主症状は、息切れ、胸の圧迫感や痛み、疲労感、ふらつき、めまい、失神および運動困難などです。一般的に、息切れや胸の痛み、めまいなどは65歳以上になるとよくみられるため、「年をとったせい」「たばこを長年吸っているから」などと考えがちですが、検査をしたら実は心臓弁膜症だったということは少なくありません。

心筋症 心臓の筋肉に異常があることをいいます。これにより、全身へ血液を送り出すためのポンプ機能などが低下してしまいます。明らかな原因疾患がわからない「特発性心筋症」と何らかの疾患に関わっているという原因が特定できる「特定心筋症」(虚血性心筋症や弁膜症性心筋症、筋ジストロフィーに伴う心筋症など)に分かれますが、一般的に心筋症とは特発性心筋症のことを指します。症状は、動悸や息切れ、疲れやすさなどの症状が現れてくることがあります。咳やたんの出る回数が増えたり、走った後に息苦しさを感じたり、足がむくんだりすることも同様にあります。症状が進むと呼吸困難が悪化して、横になって寝ることができなくなり、動いていなくても息苦しさを感じるようになってしまいます。そのほか、めまいや動悸、失神などの症状が出てくることもあります。さらに、心筋症によって不整脈や脳梗塞などが引き起こされ、命を落とす危険性もあるため、注意しなければなりません。

不整脈 不整脈の主な原因は、心筋梗塞や狭心症、心臓弁膜症、心不全などの心臓病です。甲状腺(首にある内分泌器官で、甲状腺ホルモンなどのホルモンを分泌するところ)や肺に病気がある方も、不整脈になることがあります。さらに、健康な人でも、加齢やストレス、睡眠不足、過労、アルコールの多飲、喫煙、薬の服用などによって不整脈は起こることがあります。誰にでも起こりうる症状、それが不整脈なのです。恐いのは、命にかかわる致死性の不整脈です。安心できる不整脈なのか、致死性の不整脈なのか、その見極めには専門医の診断が必要です。息切れやめまい、意識の消失などの症状が現れます。

先天性心疾患 ほかに、先天性心疾患は、生まれつき心臓の形や機能に異常のある病気をいいます。大きく分けて、心臓に穴があいていて大量の血液が本来とは違う流れとなり、心臓や肺に負担のかかる場合(非チアノーゼ性心疾患)と、酸素の少ない静脈血が、異常な心臓の穴などを通って、大動脈から全身に流れるために唇や手足が紫色になる場合(チアノーゼ性心疾患)があります。従来、小児(循環器)科や心臓外科で治療されることが多かったのですが、近年の治療の進歩に伴い、成人期に達する先天性心疾患の患者さんが増加しており、小児科から循環器系内科への移行期医療の問題など、今後解決しなければいけない分野の1つとなっています。

ペースメーカー 心臓の収縮のリズムが不規則な人は「ペースメーカー」という医療機器を胸部に埋め込んでいます。現在、植込み型ペースメーカーは性能が著しく向上し、合わせて小型軽量化、電池も長寿命化されました。ペースメーカー植込み後も、ほとんどそれまでと変わりのない生活を送る事ができますが、使用の制限や注意が必要な一部の電気機器などがあります。例えば、身体に通電してしまうような、強い電磁波を発生する機器(携帯電話やIH調理器、肩コリ治療器等の低周波治療器、電気風呂、医療用電気治療器等、高周波治療器、筋力増強用の電気機器〔EMS〕、体脂肪計、空港等で使用されている金属探知器、無線機、磁気共鳴画像診断装置〔MRI〕などの各種の医療診療機器)の使用は避ける必要があります。また店舗や図書館など公共施設の出入口に設置されている電子商品監視機器〔EAS〕や、他人が携行する携帯電話、キーを差し込む操作なしでドアロックの開閉やエンジン始動・停止ができるシステム(いわゆるスマートキーシステム)を搭載している自動車、駅のカードタッチ式の改札やオフィスなどの入退出管理システム磁石、または磁石を使用したもの(マグネットクリップ、マグネット式キー等)などの近くではペースメーカーの作動に影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

3 腎臓の疾患
 腎臓の働きが低下すると、さまざまな機能に障害が起こります。すなわち、尿による老廃物の排泄能の低下やからだ全体の調節機能低下、腎臓でつくられるホルモン分泌の悪化などです。その結果、たんぱく尿や血尿、脂質異常症(高脂血症)、むくみや倦怠感などの症状があらわれます。
 腎臓病が進行して腎臓の働きが弱くなると腎不全といわれる状態になります。腎不全には、急激に腎臓の機能が低下する急性腎不全と、数か月から数十年の長い年月をかけて腎臓の働きがゆっくりと悪くなる慢性腎不全があります。急性腎不全では通常、尿の出が悪くなったり(乏(ぼう)尿(にょう))、あるいは全く出なくなったり(無尿)します。慢性腎不全では腎機能の低下の程度が軽い間はほとんど症状がありませんが、腎機能がかなり低下してくると尿の量が増える(特に夜間)、目のまわりや足のむくみ、疲れやすい、食欲がない、息切れがする、皮膚がかゆいなどの症状が出てきます。
 慢性腎臓病は慢性に経過するすべての腎臓病を指します。生活習慣病(糖尿病、高血圧など)や慢性腎炎が代表的でメタボリックシンドロームとの関連も深く、誰もがかかる可能性のある病気です。
 腎臓障害の主な要因として、高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満などの生活習慣病がその上位を占めています。生活習慣病による血管障害は腎臓にも悪影響を及ぼし、透析療法を必要とする末期腎不全の原因として近年増加しています。更に腎臓病が進行すると心血管病を増悪させるなどの悪循環に陥ることもよく知られています。生活習慣病による腎臓病は、原因となる高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満などを早期から治療することにより、その進行を抑える事ができます。食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足・ストレス・喫煙などの生活習慣の改善および生活習慣病の適切な治療は心血管病だけでなく腎臓病進行抑制にも非常に重要です。

4 肝臓の疾患
 肝機能障害は、急性ウイルス性肝炎や薬剤性肝炎の急性肝機能障害と、その他の慢性の肝機能障害に分けられます。慢性の肝機能障害は、B型・C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎、アルコール性肝炎、脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎があります。この中で特に、近年の飽食や運動不足の影響から、非飲酒者の脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)が増えており、代表的な肝機能障害のひとつとなっています。これらの中には慢性化すると、肝硬変から肝臓がんの発症となるものもあり、適切な治療と経過観察が重要です。
 肝臓は「沈黙の臓器」と言われており初期では症状がでないことがほとんどです。進行すると、全身倦怠感、食欲低下、嘔気、黄疸、皮膚のかゆみ、からだのむくみ、腹水などが挙げられます。明らかな症状が出現している場合は、肝機能障害がかなり進行している可能性があるため、症状がないうちから定期的に健康診断や人間ドックなどで定期観察することが重要です。肝臓では、さまざまな酵素の働きによって代謝や解毒などの機能を果たしています。しかし、肝臓が障害を受けると、これらの酵素が血液中にもれ出したり、血液の成分が変化したりします。そこで、血液の成分を調べることで、肝臓が正常に機能しているかどうかを調べることが可能です。

5 膀胱・直腸の疾患
 尿がいつもと比較して出にくい、残尿感がある、逆に頻尿になった、頻繁に尿失禁する便が出にくい、肛門に力が入らない、便が無意識に漏れるといった症状を総称して膀胱直腸障害といいます。原因としては、脊髄損傷や馬(ば)尾(び)神経の損傷などによって、膀胱および直腸を支配している神経が影響を受けることによって引き起こされます。これらの症状は外傷に伴う脊髄損傷や、腰部脊柱管(せきちゅうかん)狭窄(きょうさく)症、椎(つい)間(かん)板(ばん)ヘルニアなどが原因疾患として考えられます。また、膀胱や直腸の症状だけでなく、運動神経や感覚神経も損傷されるため、下肢の感覚障害(痺れ)や下肢の麻痺・脱力なども伴うことが多いようです。原因となる最大の病気は腫瘍であり、悪性度が高く浸潤の深いものは全摘出術を行います。これ以外の原因としては、二分脊椎による膀胱・直腸まひや膀胱癌や子宮癌の骨盤内浸(しん)潤(じゅん)などもあります。
 摘出した膀胱や直腸の代わりに手術などによって腹壁に排泄口を造って、そこから尿や便を排泄します。これをストーマ(stomaストマともいう)といい、このストーマを装着している人をオストメイトといいます。

6 小腸の疾患
 様々な疾病や外傷によって永続的に小腸機能の大部分を喪失したり小腸の大部分を切除したりしている人の多くは、消化吸収がうまくできず、通常の経口摂取では栄養維持が困難な人もいます。原因となる主な疾患には、小腸間膜血管閉塞症や小腸軸捻転症、外傷等または永続的に小腸機能の著しい低下を伴う「クローン病」「腸管ベーチェット病」「乳児期難治性下痢症」等があります。

クローン病 クローン病は炎症性腸疾患のひとつで、主に小腸や大腸などの消化管に炎症が起きることによりびらん(俗にいう「ただれ」の状態)や潰(かい)瘍(よう)ができる原因不明の慢性の病気です。主な症状としては、腹痛、下痢、血便、発熱、肛門付近の痛みや腫れ、体重減少などがあります。 また、さまざまな合併症が発現することがあります。

腸管ベーチェット病 腸管潰瘍を起こしたとき腸管型ベーチェット病といい、腹痛、下痢、下血などが主症状です。 部位は右下腹部にあたる回盲部が圧倒的に多く、その他、上行結腸、横行結腸にもみられます。潰瘍は深く下掘れし、消化管出血や腸管穿(せん)孔(こう)により緊急手術を必要とすることもあります。

乳児期難治性下痢症 多くは突然の嘔吐で発症し、嘔吐と同時かその後に下痢を伴います。 酸っぱいにおいの黄色かクリーム色のような便がでて、米のとぎ汁のような便になることもあります。 また、発熱を伴ったりすることもあります。
 いずれにしても小腸の機能障害の栄養摂取の方法としては、口からの一般的なもの(経口摂取)の他に、点滴によって静脈から直接栄養を投与する中心静脈栄養法や、胃瘻や腸瘻といった腹部に開けた穴からカテーテルを通して栄養剤を注入する経腸栄養など、状況によって使い分けることになります。

7 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害
 HIV とはヒト免疫不全ウイルスという病原体です。このウイルスがヒトに感染すると白血球の一種であるリンパ球を破壊し、免疫機能を低下させ、発熱、下痢、体重減少、全身倦怠感などが現れます。特定の病状が現れたとき、エイズ(後天性免疫不全症候群)の発症となります。免疫機能が低下すると、通常では問題にならないような弱い病原体によって、さまざまな感染症等が起こりやすくなります。
 20年前、エイズは「人から人にうつる感染症」「一度感染したら治らない」「治療法はなく、確実に死亡する」と考えられていましたが、現在では早期発見と適切な治療薬の内服でコントロールできるようになり“死の病”ではなくなりました。HIVの感染経路は主に以下の通りです。これ以外の経路から感染することはありません。

  1. 性交渉による感染 最も多い感染経路。粘膜と粘膜の濃厚な接触によって人から人へ感染する。
  2. 母子感染 出産時、産道通過時、母乳からの感染など。
  3. 血液感染 輸血・注射器具、静脈注射の共用で感染するケース。
  4. 血液製剤、職業的暴露(医療機関での、針刺し間違いによる事故) HIVを含む血液、精液、膣分泌液、母乳といった体液が、相手の粘膜部分や傷口などに接触することで、感染の可能性が出てきます。

 汗、涙、唾液、尿、便などの体液と健常な皮膚が接触するだけでは感染することはありません。またHIVの感染力は弱く、ある程度の量がないと感染しないため、性交渉以外の社会生活のなかで感染することはまずないと考えてよいでしょう。
 HIVの診断を受けた人の平均余命(25歳でHIVと診断された患者さんの平均余命)は、1996年以前は余命7年でしたが、現在では余命40年~50年と、一般健常者とほぼ変わらない長さとなり、天寿をまっとうすることができるようになっています。

内部障害の人のサポート方法

 内部障害の最大の特徴は、他人からはその人が障害を持っていることを見た目だけで判断することができません。まず、見た目ではわからない障害を持っている人がいるということを知っておき、生活上で様々な不便さを抱えているということを理解することが大切です。
 そのうえで、個々の障害に応じた適切なサポート方法を身に着けると良いでしょう。

1 呼吸器・心臓機能障害を持つ人に対して
 呼吸器機能障害により酸素ボンベを携帯している方がいます。酸素は物を燃やしやすくするので、火を近づけると顔に大やけどを負ってしまうかもしれません。酸素ボンベを使っている方の近くでタバコを吸わないようにしましょう。

 また心臓機能障害を持つ人は心臓にペースメーカーを埋め込んでいる人がいます。そのような人と一緒に行動する際は、まず自分の持っている携帯電話の電源を切るかペースメーカーから話して持つようにします。また先述した通り、街中の電磁波を発する機器もペースメーカーに悪影響を与える可能性があるため、そのような場所をできるだけ避けるようにしましょう。そして何よりも、本人に異変が起こった際にどのような対応をすればいいか、本人によく話を聞くことが大切でしょう。

2 オストメイトの方
 オストメイトの方は、トイレの際に排泄物の処理の他、場合によっては腹部や衣服を洗う必要があるためにオストメイト対応トイレを使用することがほとんどです。オストメイト対応のトイレは、大半は駅や商業施設などの多機能トイレに設置されています。設置してある場合は、オストメイト対応トイレへ、設置されていない場合は、なるべく広めの洋式トイレへと案内しましょう。


3 内部障害の方
 内部障害のある方と接する際に気を付けるべきことは、基本的に他の人と接する際の一般的な常識の範囲と同じです。一般の人と変わらない対応をしてもらえれば問題ありません。

 出血を伴うけがをした場合は、傷の手当ては原則ご自分で行うようにお願いしてください。周囲の人にお願いする場合は、念のため血液に直接手で触れることは避け、使い捨てのビニール手袋、またはゴム手袋を着けるようにします。血液が付いた衣服は洗浄しましょう。血液の付いたもの(ガーゼ等)を捨てる際には、丈夫なビニール袋に入れて、口をしばって捨てるようにしましょう。
 このように、常識的に人間の体内から排出されるものは「汚い」という認識を持ち、他人の血液や嘔吐物などに素手で触れることは、そもそも避けるべきでしょう。
 他にも内部障害を持つ人の中には、様々な要因によって動機、息切れや貧血、体の痛み、倦怠感など、体調に異常をきたす人がいます。公共交通機関などで優先席に座っている人は、見た目にはわからないけれども何らかの障害を抱えている可能性もあるということを知っておいてください。


Q&A(クリックすると記事が見えます)

Q1 内部障害を持った人を見分ける方法はありますか?

Q2 内部障害を持った人への配慮事項を教えてください。
Q3 内部障害の等級について教えてください。

 

仲間たちの声

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