障害者雇用のための参考資料
障害者職業総合センターによる令和5年度調査研究の成果

2024年4月からの法改正実施に伴い、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の障害者職業総合センターは、障害者就労に関する令和5年度の調査研究報告書を2024年3月に公表しました。各研究報告書は、同センターのホームページから閲覧できます。尚、以下の文章は障害者職業総合センター監修によるもので、読みやすさを鑑みて、語尾など一部文字をかえさせていただきました。

 障害認定基準に含まれない心身機能の障害

調査研究報告書 №172
難病患者の就労困難性に関する調査研究

 ●研究の目的

本調査研究では、難病患者の就労困難性について、基本的な障害概念の整理を踏まえ、固定した後遺症としての障害とは異なる、医療の進歩により生じた新たな障害、すなわち慢性疾患による生活上の困難としての障害として位置付けることにより、難病患者が実際に経験している就労困難性の原因となる障害認定基準に含まれない「その他の心身機能の障害」等や、企業・職場の理解・配慮や支援機関の支援の現状と課題について、難病患者、企業、支援機関、それぞれの視点からの調査により、総合的に明らかにすることを目的とした。

 ●活用のポイント

本調査研究では、難病患者調査、事業所調査、支援機関調査を実施することにより、障害認定の対象
 にはなっていない難病の症状の崩れやすさや病状の進行のおそれ等が就労困難性の原因であることを
 明らかにし、治療と両立しながら各人の能力を発揮して活躍できる仕事に就き、職場の理解と配慮を
 得て働き続けるための職場や地域の専門支援の課題やニーズについて、明らかにした。
企業や支援機関において、難病患者の就労困難性と就労支援ニーズの理解に活用できる。

 採用後に発達障害が把握された従業員の実態と就労継続のための支援や配慮

調査研究報告書 №173
事業主が採用後に障害を把握した発達障害者の就労継続事例等に関する調査研究

 ●研究の目的

本調査研究は、事業主が採用後に発達障害であることを把握し、就労継続のために職場適応上の課題解決に取り組んだ事例を通して、発達障害であることが把握された従業員を雇用する事業主に対して、どのような支援が必要であるかを明らかにすることを目的とした。

 ●活用のポイント

本報告書では、採用後に発達障害が把握された従業員に関する調査で明らかとなった、発達障害の診断・開示に至ったきっかけや経緯、職業生活上の課題と対応、支援機関の利用状況、発達障害を前提とした採用との差異、企業に対して必要な支援などについて整理するとともに、10企業の取組を事例として紹介している。
採用後に発達障害が把握された従業員の就労継続に取り組む際の参考として活用できる。

 オンライン支援の現状と効果的な実施方法

調査研究報告書 №174
オンラインによる就労支援サービスの提供に関する調査研究

 ●研究の目的

本調査研究は、就労支援機関におけるオンラインによる就労支援の現状、支援の実施に当たって必要な配慮事項や条件整備、支援実施上の課題等を把握して、今後のオンラインによる就労支援のあり方や効果的な実施方法等の検討に資することを目的に実施した。

 ●活用のポイントと知見

本報告書では、就労支援機関へのアンケート調査やヒアリング調査の結果に基づいて、オンラインに
 よる就労支援の現状や支援実施上の課題などを紹介するとともに、オンラインによる就労支援の実施
 に当たって必要な配慮事項や条件整備等について整理した。
調査の結果、オンライン支援には移動負担の軽減、日程調整のしやすさ、利用者の心理的負担の軽減
 といった様々なメリットが見られた一方で、機器の問題、非言語的な手がかりの把握の難しさや話す
 タイミングが難しいといったコミュニケーション上の課題、作業検査や行動観察のようなアセスメン
 ト実施の難しさといった課題も見られたが、そうした課題を軽減するための様々な取組もなされてお
 り、それらについても紹介している。
オンライン支援を行う就労支援機関の方々が活用できる。

 MWS新規課題の効果的な活用に向けて

調査研究報告書 №175
「ワークサンプル幕張版(MWS)」新規3課題による効果的なアセスメント及び補完方法の獲得に関する調査研究

 ●研究の目的

障害者職業総合センター研究部門においては、2019年度にワークサンプル幕張版(MWS)新規課題(以下「MWS
新規課題」という。)を開発し、2020年度末から市販されている。MWS新規課題は、特に作業遂行力の高い対象者に対してはアセスメント、就職や復職に向けた支援において効果を発揮するものの、MWS新規課題の活用に伴う支援者の負担を軽減する必要性が指摘されていた。そのため、本調査研究では、支援者の負担軽減策として、MWS新規課題についてイメージを与える「活用モデル」を開発することを目的とした。

 ●活用のポイントと知見

○MWS新規課題の活用方法について、開発時の情報、専門家や支援機関からの意見をもとに整理するこ
 とにより、MWS新規課題に関する知識や活用事例、支援を行う上で対応に迷った時の対応方法などを
 盛り込んだ「ワークサンプル幕張版(MWS)新規課題活用ハンドブック ~MWS新規課題の効果的な
 活用に向けて~」(以下「ハンドブック」という。)を作成した。
○ハンドブックを見てもらうことにより、MWS新規課題のイメージを持つことができ、MWS新規課題
 を活用する際の参考として活用できる。

 雇用されている障害者の合理的配慮、職務内容等の実態

調査研究報告書 №176
障害者の雇用の実態等に関する調査研究

 ●研究の目的

【目的1】

事業所に雇用されている障害者の職場環境・労働条件、必要な合理的配慮、利用している支援機関等の実態について明らかにすることを目的とした。

【目的2】

就労支援機関が職務設定、職務創出・再設計等を検討する事業所に助言する際、及び事業所が自ら職務設定、職務創出・再設計を行う際の参考とするための事項を明らかにすることを目的とした。

 ●活用のポイントと知見

<障害者の雇用の実態等に関する調査>

雇用されている障害者の障害種類別の詳細な実態調査の結果を掲載しており、雇用されている障害者の実態を踏まえた職業リハビリテーション施策や合理的配慮のあり方を検討するための基礎的資料として活用できる。

<障害者の従事する職務に関する調査>

障害者を雇用する事業所へのアンケート調査結果に基づき、障害者の従事する具体的な職務内容を251の「課業等」に分類・整理して、産業別、障害種別等に集計を行っており、事業所や支援機関において、障害者の職務設定、職務創出・再設計について検討する際の参考として活用できる。

 デジタル化に伴う障害者雇用への影響

調査研究報告書 №177
AI等の技術進展に伴う障害者の職域変化等に関する調査研究

 ●研究の目的

本調査研究では、現在の障害者が従事している業務の状況やAI等の技術進展に伴い障害者の職域がどのように変化しているかについて把握するとともに、今後のAI等の技術進展を踏まえた障害者の職域変化等について展望することを目的として、企業アンケート調査や企業ヒアリング調査を実施した。

 ●活用のポイントと知見

○本報告書では、障害者の業務の状況やデジタル化に伴う障害者雇用への影響などに関する企業アンケ
 ート調査や企業ヒアリング調査の結果などをまとめている。
○障害者が従事する業務に関する基礎的資料や企業における障害者の業務内容や職域拡大の検討用資
 料、障害者の就労支援機関における求職活動支援や事業主支援の参考として活用できる。
○また、企業ヒアリング調査で収集した事例を中心に、「デジタル技術を活用した障害者の業務の状況
   とと具体例」(リーフレット)を作成したので、併せて活用できる。

障がい福祉関連 過去記事

【←前のページへ戻る】