就労継続支援A型の報酬算定基準(令和3年度改定)

概要と考え方

■サービスの概要と対象について

就労継続支援A型とは、通常の事業所で雇用が困難な障害者に、適切な支援による雇用契約に基づいて、生産活動やその他の活動の機会を提供し、就労に必要な知識や能力の向上のための訓練、その他必要な支援を行うサービスです。

 具体的には…

  1. 就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者
  2. 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業などの雇用に結びつかなかった者
  3. 企業を離職した就労経験があって、現に雇用関係がない者

尚、令和3年度改定において就労継続支援A型で冒頭触れておいた方が得策と思われる新たなサービスに組み込まれる基本概念を以下、文頭に〇を付け、記しておきます。

〇感染症や災害への対応力の強化

障害福祉サービスは障害のある方々やその家族の生活に必要不可欠なものであり、感染症や災害が発生した場合であっても、感染対策等を講じながら、利用者に対して必要なサービスが継続的に提供されるよう、これらの発生に備えた日頃からの備えや業務継続に向けた取組を推進するために、運営基準について必要な見直しを行うとともに、その取組を基本報酬で評価することになります。

  1. 感染症の発生および蔓延の防止等に関する取組の義務化
  2. ・全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施を義務づけられます。その際、3年間の経過措置(準備期間)を設けることとなりました。

  3. 業務継続に向けた計画等の策定や研修・訓練等の実施の義務化
  4. ・ 感染症や災害が発生した場合でも、必要な障害福祉サービスが継続的に提供できる体制を構築する観点から、全ての障害福祉サービス等事業者を対象に、運営基準において、業務継続に向けた計画等の策定や研修の実施、訓練の実施等を義務づけます。その際、3年間の経過措置(準備期間)を設けることとなりました。

  5. 地域と連携した災害対策の推進
  6. ・ 非常災害対策が求められる通所系、施設系、居住系サービス事業者を対象に、運営基準において、訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めることを求めることとなりました。

  7. 新型コロナウイルス感染症への対応に係る特例的な評価
  8. ・ 新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となること等を踏まえ、令和3年9月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、通常の基本報酬に0.1%分の上乗せを行います。なお、同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態等を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することになりました。

〇障害福祉現場の業務効率化を図るためのICTの活用

・ 障害福祉現場の業務効率化を図るため、下記の運営基準や報酬算定上必要となる委員会等、身体的接触を伴わない、または必ずしも対面で提供する必要のない支援について、テレビ電話装置等を用いた支援が可能であることを明確化することになりました。

委員会・会議等の例は、以下の通りです。

  • 「感染症・食中毒の予防のための対策検討委員会」とは、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会です。
  • 「身体拘束等の適正化のための対策検討委員会」とは、身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会です。
  • 「虐待防止のための対策検討委員会」とは、虐待防止のための対策を検討する委員です。
  • 「個別支援計画作成等に係る担当者等会議」とは、利用者に対するサービス提供に当たる担当者等で行われる個別支援計画等の作成に係る会議です。

■就労継続支援A型サービス費の考え方

 A型サービス費とは、就労や生産活動の機会を提供し、それに伴う知識、能力の維持・向上を図るサービスの報酬のことをいいます。

 就労支援体制の違いによって2つの算定方法が定められています。

  1. 職業指導員・生活支援員の総数が常勤換算方法で7.5:1以上の手厚い就労支援体制がとられている場合⇒就労継続支援A型(Ⅰ)
  2. それ以外について⇒就労継続支援A型(Ⅱ)
  3. ※但し、最低総数は常勤換算で利用者数を10で除した数以上が必要となります。
    職業指導員の数…1人以上、生活支援員の数…1人以上、うち1人以上は常勤が条件となっています。

令和3年度より基本報酬の区分の決定に係る実績の評価方法の見直しが行われ、基本報酬の算定に係る実績について、現行の「1日の平均労働時間」に加え、「生産活動」、「多様な働き方」、「支援力向上」および「地域連携活動」の5つの観点から成る各評価項目の総合評価をもって実績とする新たな方式(スコア方式)によって見直し、算定されることになりました。

スコア方式について

1)労働時間判定スコア…「1 日の平均労働時間」が長いほど、利用者の賃金増加につながることや、支援コストがかかると考えられるため、「1 日の平均労働時間」により評価します。

(評価方法)前年度において、雇用契約を締結していた利用者の労働時間の合計数を当該利用者の合計数で除して算出した事業所における 1 日当たりの平均労働時間数によって8段階の評価をします。

7時間以上
80 点
6時間以上7時間未満
70 点
5時間以上6時間未満
55 点
4時間 30 分以上5時間未満
45 点
4時間以上4時間 30 分未満
40 点
3時間以上4時間未満
30 点
2時間以上3時間未満
20 点
2時間未満
5 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いとして、「平成 30 年度」「令和元年度」「令和2年度」いずれかの実績で評価することを可とします。

2)生産活動判定スコア…生産活動収支の状況が健全であることは、利用者の賃金確保、水準にも大きく影響することから、事業所の生産活動収支の状況に基づき評価を行います。

(評価方法)前年度および前々年度の各年度において生産活動に係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費を控除した額に相当する金額(以下、生産活動収支という。)が、利用者に支払う賃金の総額以上であるかによって4段階評価の評価をします。

前年度および前々年度、生産活動収支が、利用者に支払う賃金の総額以上である。
40 点
前年度の生産活動収支が、利用者に支払う賃金の総額以上である。
25 点
前年度の生産活動収支が、利用者に支払う賃金の総額未満である。
20 点
前年度及び前々年度、生産活動収支が、利用者に支払う賃金の総額未満である。
5 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いとして、前年度を「令和元年度」に置き換えた実績で評価することを可(その場合、前々年度は「平成 30 年度」を用いる。)とします。

3)多様な働き方判定スコア…利用者の多様な働き方のニーズに対応できるかどうかは就労の機会の提供の観点で重要であることから、多様な働き方を実現できる制度の整備状況とその活用実績により評価を行います。

評価要素は以下の通りです。

  1. 免許および資格の取得の促進並びに検定の受験の勧奨に関する事項
  2. 当該就労継続支援A型事業所の利用者を、職員(利用者を除く)として登用する制度に係る試験等の手続、対象者の要件および採用時期に関する事項
  3. 在宅勤務に係る労働条件および服務規律に関する事項
  4. フレックスタイム制に係る労働条件に関する事項
  5. 1 日の所定労働時間を短縮するに当たり必要な労働条件に関する事項
  6. 早出遅出勤務に係る労働条件に関する事項
  7. 時間を単位として有給休暇を付与または計画付与制度の取得に関する事項
  8. 従業者が私的に負傷し、または疾病にかかった場合の療養のための休暇の取得に関する事項

(評価方法)任意の5項目について規程等(就業規則その他これに準ずるものに限る)で定めており、前年度において雇用契約を締結していた利用者の希望により当該5項目に係る制度を活用した実績があった場合に、各項目ごとに評価値を2(実績がない場合は1)として評価(最大10)した上で、その合計に応じて以下3段階で評価します。

8以上の場合
35 点
6または7の場合
25 点
1以上5以下の場合
15 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いにおいて、「令和2年度」の実績で評価します。

4)支援力向上判定スコア…職員が常に仕事に対して意欲的に臨めるようなキャリアアップの機会を組織として提供し、第三者の評価を踏まえて、支援環境の整備につとめることは、基礎となる職員の支援力を高め、利用者に対する支援の質の向上に繋がることから、支援力向上に係る取組の実施状況により評価を行います。

評価要素は以下の通りです。

  1. 職員の研修に関する計画に基づく障害者雇用、障害者福祉その他障害者就労に関する外部研修会等の参加または外部講師による内部研修会の開催状況
  2. 外部研修会等への講師派遣、学会等での研究発表または実践報告の実施状況
  3. 障害者就労に係る先進的な取組を行う他の事業所等への視察若しくは実習への参加または他の事業所等からの視察等の受入状況
  4. 販路拡大、事業拡大等に向けた展示会への出展、商談会への参加その他生産活動収益の増加に資するビジネスマッチングに係る取組の実施状況
  5. 昇給、昇格と連動した人事評価制度の整備状況
  6. 障害者ピアサポート研修における基礎研修および専門研修を修了し、利用者の就労または生産活動等の支援を実施するピアサポートの配置状況
  7. 前年度末日から過去3年以内の福祉サービス第三者評価の受審状況
  8. 国際標準化機構が制定したマネジメントシステム規格等の認証取得または更新審査等の受審状況

(評価方法)任意の5項目について、各項目の取組実績に応じて別に定める算定方法に従い評価値として各1~2として評価(最大10)した上で、その合計に応じて以下3段階で評価します。

8以上の場合
35 点
6または7の場合
25 点
1以上5以下の場合
15 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いにおいて、「令和2年度」の実績で評価します。

5)地域連携活動判定スコア…事業所がその事業を展開する中で、利用者と地域との接点や関係を作り、地域での利用者の活躍の場を広げていくことは、利用者がそこで暮らし、自立した生活を実現していく上でも大切なことから、事業所における地域と連携した事業や取組(地域連携活動)の実施状況により評価を行います。

(評価方法)前年度に実施した地元企業と連携した高付加価値の商品開発、施設外就労による地域での働く場の確保等地域と連携した取組について、当該取組をまとめた報告書を作成し、インターネットの利用その他の方法により公表するとともに、当該報告書において連携先である地元企業等から当該取組が地域連携活動である旨の意見又は評価が付されていることをもって評価します。

1事例以上ある場合
10 点

以上は、令和3年度の報酬の取扱いにおいては、「令和2年度」の実績で評価します。

評価指標と判定スコアを表にまとめると以下のようになります。

スコア合計点は以下のように算出します。

5つの判定スコア合計点÷200=スコア合計点

〇就労継続支援A型(Ⅰ) スコア合計点と利用者数区分

〇就労継続支援A型(Ⅱ) スコア合計点と利用者数区分

新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となること等を踏まえ、令和3年9月末までの間、報酬に対する特例的な評価を行うこととし、通常の基本報酬に0.1%分の上乗せを行います。なお、同年10月以降については、この措置を延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域における障害福祉サービス等の実態等を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することになっています。

※ 由って令和3年9月30日までの間は、基本報酬について、所定単位数の1,001/1,000に相当する単位数を算定します。







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